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第1章:魔道具の夜明け
9・旅人の靴と特許
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「迷宮に入ると大荷物のポーターを守りながら進軍する、そして広い通路の時もあれば身長程度の高さしかない時もある、そんなときにこの出力の靴を履いてるととっさの時に確実にケガをと思う」
「それに魔力消費もきついのよね、光の魔道具みたいに空気中からのならいいんだけど、やっぱり突然曲がり角から強い魔物が出てきたときなんかのために少しでも魔力は温存しておきたいわ」
「あと、洞窟の中の場合は上り下りが多くて疲れるんだよな、ぴょんぴょん飛ぶのは避けたい」
「なるほど、迷宮探索者目線だとそんな感じになるのねぇ」
「参考になりますね……」
奥様の横でアンさんも唸る。
「だから俺たちはこれ以上この実験お役に立てないと思うんだ」
確かに、この靴だとお役に立てそうにはないか……。
「どうしますか? 奥様」
「どうしようかしら……、どう? ヌイグルミさん?」
振ってきた! なら喋っていいんだよね。
「ぴょんぴょんしないで、まりょくをつかわないで、つかれない、がだいじなんだよね? ぼーけんしゃのおじさん」
「おじさん……、まぁいいかその通りだ」
なんかショック受けてるな……。
「うふふ、リッカちゃん? もしかして……もう閃いた?」
「うん!」
「さすが神童……尊い」
「まずまりょく! これはもうからだのなかのはつかわないでくーきのなかのまりょくだけでやる!」
指1本だけ立ててビシッとポーズ!
「それで、あるくのをすこしらくにするだけていどのほじょまどーぐにする!」
指2本目を立ててキラッとポーズ!
「さいご! あしがじめんについたときにもまどーぐのこうかをだすの!」
指3本目を立ててポーズ!
「これでまりょくせつやく! すこしあるきやすくなって、あるくときちかれにくいの!」
「そうなの? 疲れにくくなるの?」
「うん! あるくときはね! あしをつくときのしょーげきもかんけーしてるの、それにふみだすときもほじょできるから、とってもらくにあるけるよーになるんだよ」
※踏み出しの時力を補助して、着地の衝撃を緩和する
「うふふふふふふふ、リッカちゃん、これ……発表したらうちの工房だけじゃ作り切れないわよ?」
「そうですね、侯爵領からすぐに王都や他の地域に噂が広まりそうです、しかし……」
「職人が足りないわよね、それに増やしちゃうとレシピの漏洩が怖いのよね」
「ねぇねぇおくさ……ゲフン! ママ? とっきょってないの?」
「とっきょ? アン分かるかしら?」
「それなら、王都に申請すると一定の金額を支払うことでその商会、および商店でそのレシピを使用した商品を販売することができる仕組みのことです、それが特許です」
「へぇ、それでリッカちゃんはその特許をどうするのかしら?」
「いままでのとさっきの……うん『たびびとのくつ』はあぶなくないからね、ほかのおみせでうってもらってもいいとおもうんだよ、こうぼうのひともいそがしそうだからじっけんできないし」
「確かに……そういえば奥様、そろそろ『パール魔道具入門』の編纂が終わりそうです、なので他の商会でもこれを読めば作成可能になるのではと思います」
「あら? ならちょうどよかったのかしら、これでいろんな人たちがアーティファクトやレプリカ以外の魔道具を作れる時代が来るのかしらね」
「そうですね……感慨深いものです」
「ねぇねぇおく……ママ? ぼーけんしゃさんがぼーっとしてるよ?」
話についてこれなくなった冒険者が雑談をしたり居眠りしたり……まぁそうなるよね。
「あ! あらら、ごめんなさいね、私たちだけで話しちゃって(リッカちゃん、そのアイデアどれくらいで作れる?)」
「(かんたんだからあさって!)」
「(ということでマージンを取って……よろしくね、アン)」
「おそらく1週間後に再度来ていただければ、ご希望に添える靴を用意できると思いますが、可能でしょうか?」
「本当にか? そんなにすぐできるのなら今週行く予定だった迷宮チャレンジやめとくか?」
「確かにそんな魔道具ができるのなら一回予定を飛ばすくらいわけないな」
「皆もいいな? 聞いた内容が本当になったらチャンスだ! 最初の持ち主ぬなれるんだからな」
「でも、れんしゅーしてからがいいよ!」
◇ ◇
その半年後、彼らのチームは王国の中でも深さに定評がある他の領のダンジョンを踏破したという。
踏破を記念したインタビューを受けた彼らから踏破の秘訣を語った際。
「準備と」
「練習と」
「ヌイグルミへの感謝」
と一部謎めいた言葉があったのだという。
「それに魔力消費もきついのよね、光の魔道具みたいに空気中からのならいいんだけど、やっぱり突然曲がり角から強い魔物が出てきたときなんかのために少しでも魔力は温存しておきたいわ」
「あと、洞窟の中の場合は上り下りが多くて疲れるんだよな、ぴょんぴょん飛ぶのは避けたい」
「なるほど、迷宮探索者目線だとそんな感じになるのねぇ」
「参考になりますね……」
奥様の横でアンさんも唸る。
「だから俺たちはこれ以上この実験お役に立てないと思うんだ」
確かに、この靴だとお役に立てそうにはないか……。
「どうしますか? 奥様」
「どうしようかしら……、どう? ヌイグルミさん?」
振ってきた! なら喋っていいんだよね。
「ぴょんぴょんしないで、まりょくをつかわないで、つかれない、がだいじなんだよね? ぼーけんしゃのおじさん」
「おじさん……、まぁいいかその通りだ」
なんかショック受けてるな……。
「うふふ、リッカちゃん? もしかして……もう閃いた?」
「うん!」
「さすが神童……尊い」
「まずまりょく! これはもうからだのなかのはつかわないでくーきのなかのまりょくだけでやる!」
指1本だけ立ててビシッとポーズ!
「それで、あるくのをすこしらくにするだけていどのほじょまどーぐにする!」
指2本目を立ててキラッとポーズ!
「さいご! あしがじめんについたときにもまどーぐのこうかをだすの!」
指3本目を立ててポーズ!
「これでまりょくせつやく! すこしあるきやすくなって、あるくときちかれにくいの!」
「そうなの? 疲れにくくなるの?」
「うん! あるくときはね! あしをつくときのしょーげきもかんけーしてるの、それにふみだすときもほじょできるから、とってもらくにあるけるよーになるんだよ」
※踏み出しの時力を補助して、着地の衝撃を緩和する
「うふふふふふふふ、リッカちゃん、これ……発表したらうちの工房だけじゃ作り切れないわよ?」
「そうですね、侯爵領からすぐに王都や他の地域に噂が広まりそうです、しかし……」
「職人が足りないわよね、それに増やしちゃうとレシピの漏洩が怖いのよね」
「ねぇねぇおくさ……ゲフン! ママ? とっきょってないの?」
「とっきょ? アン分かるかしら?」
「それなら、王都に申請すると一定の金額を支払うことでその商会、および商店でそのレシピを使用した商品を販売することができる仕組みのことです、それが特許です」
「へぇ、それでリッカちゃんはその特許をどうするのかしら?」
「いままでのとさっきの……うん『たびびとのくつ』はあぶなくないからね、ほかのおみせでうってもらってもいいとおもうんだよ、こうぼうのひともいそがしそうだからじっけんできないし」
「確かに……そういえば奥様、そろそろ『パール魔道具入門』の編纂が終わりそうです、なので他の商会でもこれを読めば作成可能になるのではと思います」
「あら? ならちょうどよかったのかしら、これでいろんな人たちがアーティファクトやレプリカ以外の魔道具を作れる時代が来るのかしらね」
「そうですね……感慨深いものです」
「ねぇねぇおく……ママ? ぼーけんしゃさんがぼーっとしてるよ?」
話についてこれなくなった冒険者が雑談をしたり居眠りしたり……まぁそうなるよね。
「あ! あらら、ごめんなさいね、私たちだけで話しちゃって(リッカちゃん、そのアイデアどれくらいで作れる?)」
「(かんたんだからあさって!)」
「(ということでマージンを取って……よろしくね、アン)」
「おそらく1週間後に再度来ていただければ、ご希望に添える靴を用意できると思いますが、可能でしょうか?」
「本当にか? そんなにすぐできるのなら今週行く予定だった迷宮チャレンジやめとくか?」
「確かにそんな魔道具ができるのなら一回予定を飛ばすくらいわけないな」
「皆もいいな? 聞いた内容が本当になったらチャンスだ! 最初の持ち主ぬなれるんだからな」
「でも、れんしゅーしてからがいいよ!」
◇ ◇
その半年後、彼らのチームは王国の中でも深さに定評がある他の領のダンジョンを踏破したという。
踏破を記念したインタビューを受けた彼らから踏破の秘訣を語った際。
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と一部謎めいた言葉があったのだという。
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