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鏡 最終話
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人は自分の姿を鏡でしか見る事ができない。そう、鏡を覗いたときだけ、鏡を見た時だけの自分しか知らないのだ。
琴はそれまでも月の美しい夜には、美しい姿になる事があった。元々、琴の家系は美形揃い。
琴の目立ちたく無いという強い気持が、その美しさを隠すように長めの前髪や、大きなメガネで顔をを隠している所があった。
琴の本当の美しい姿に初めて気がついたのは、水鳥川紫子だった。白い月が明るい夜に水鳥川の別荘で撮られた写真にうつっていた美しい琴を紫子が見つけたのだ。
ソファーで転がっていた琴は、十斗からシャワーをしてくるように促される。
一 えっと、シャワーをしたら、服を着るのよね⋯。バスローブじゃなくて⋯、
戸惑っている琴に、十斗はバスローブを渡した。
一 えっ?こんなの着たこと無いんですけど⋯。
シャワーを終えて、長い黒髪を丁寧に乾かし終えると琴は上質なバスローブに身を包んだ。そして、戸惑いながらバスルームが出てきた琴の足を十斗がタオルで拭いた。
「少し濡れてる、」
そして、後ろを向かせた。
さっと、バスローブの紐が外された。下着のホックが取られた。あっと言う間だった。
「あっ、」
一 今度こそ⋯。
琴の白い体が少しピンク色に高揚する。
次の瞬間バスローブをを着たままの胸に⋯。
コルセットを当てられ、すごいスピードで背中のホックがハメられて行った。
一 ん?
「さぁ、これをまたいで。」
十斗に言われるまま、白い布をまたぐと、スルスルっと布が上げられた。そして十斗が形を整えている。
「plus belleの新作だよ。鏡を見て。」
鏡の中には繊細な揺れる白いドレス姿の琴がいた。
「注目を集めているplus belleのコレクションが成功したら、婚約しよう。」
「はい。」
琴と向かい合う十斗。彼の長い指が琴の頬に伸びて来て⋯。
目を閉じる琴。十斗の顔は近づいて来ない。
一 あれ?キスじゃなくて?
十斗の長い指は琴の耳に伸びて、耳をパタパタ、パタパタ。十斗は満足そうに笑った。
一 えっ?キスじゃなくて?なにこれ?焦らし?
まっいっか。
「メリークリスマス。今夜は一緒に美味しい物を食べようね。琴さん何が食べたい?」
「そっか、クリスマスでしたね。えっと、チキンライス。」
29才の誕生日は、琴にとって忘れられない日になった。
「美しい事は悪い事ではない、これからは自分が守る。」
と、十斗とに言われてから琴の心の奥にあった地味でいたい、目立ちたく無いという気持がゆっくりとほどけて行った。
十斗に愛されていると言う幸福や、前向きになった気持が表情に現れた事もあり、
それからの琴は、少しずつ美しくなって行った。まるで本来の自分に戻るかのように。
特に月が白く輝く夜は、琴の美しさが際立っていた。
琴はそれまでも月の美しい夜には、美しい姿になる事があった。元々、琴の家系は美形揃い。
琴の目立ちたく無いという強い気持が、その美しさを隠すように長めの前髪や、大きなメガネで顔をを隠している所があった。
琴の本当の美しい姿に初めて気がついたのは、水鳥川紫子だった。白い月が明るい夜に水鳥川の別荘で撮られた写真にうつっていた美しい琴を紫子が見つけたのだ。
ソファーで転がっていた琴は、十斗からシャワーをしてくるように促される。
一 えっと、シャワーをしたら、服を着るのよね⋯。バスローブじゃなくて⋯、
戸惑っている琴に、十斗はバスローブを渡した。
一 えっ?こんなの着たこと無いんですけど⋯。
シャワーを終えて、長い黒髪を丁寧に乾かし終えると琴は上質なバスローブに身を包んだ。そして、戸惑いながらバスルームが出てきた琴の足を十斗がタオルで拭いた。
「少し濡れてる、」
そして、後ろを向かせた。
さっと、バスローブの紐が外された。下着のホックが取られた。あっと言う間だった。
「あっ、」
一 今度こそ⋯。
琴の白い体が少しピンク色に高揚する。
次の瞬間バスローブをを着たままの胸に⋯。
コルセットを当てられ、すごいスピードで背中のホックがハメられて行った。
一 ん?
「さぁ、これをまたいで。」
十斗に言われるまま、白い布をまたぐと、スルスルっと布が上げられた。そして十斗が形を整えている。
「plus belleの新作だよ。鏡を見て。」
鏡の中には繊細な揺れる白いドレス姿の琴がいた。
「注目を集めているplus belleのコレクションが成功したら、婚約しよう。」
「はい。」
琴と向かい合う十斗。彼の長い指が琴の頬に伸びて来て⋯。
目を閉じる琴。十斗の顔は近づいて来ない。
一 あれ?キスじゃなくて?
十斗の長い指は琴の耳に伸びて、耳をパタパタ、パタパタ。十斗は満足そうに笑った。
一 えっ?キスじゃなくて?なにこれ?焦らし?
まっいっか。
「メリークリスマス。今夜は一緒に美味しい物を食べようね。琴さん何が食べたい?」
「そっか、クリスマスでしたね。えっと、チキンライス。」
29才の誕生日は、琴にとって忘れられない日になった。
「美しい事は悪い事ではない、これからは自分が守る。」
と、十斗とに言われてから琴の心の奥にあった地味でいたい、目立ちたく無いという気持がゆっくりとほどけて行った。
十斗に愛されていると言う幸福や、前向きになった気持が表情に現れた事もあり、
それからの琴は、少しずつ美しくなって行った。まるで本来の自分に戻るかのように。
特に月が白く輝く夜は、琴の美しさが際立っていた。
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