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やっぱりフジハシ
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私の入院生活は、初めが重症だったため、大半が個室だった。夜は1時間位寝た後は、目が覚めて不安の波がやってくる。一人でどうやってこの闇夜を乗り切れば良いのか。主治医も夜はいない。
夜の底を、彷徨いながらやっと眠れるのは朝方という事も多かった。
そんな私を個室の頃は、看護師さんたちが気を使ってくれて、少し長めに寝かせてくれる事が多かった。
そんな私の大部屋生活は、体が良くなった証でもあったが良いことばかりでもない。
筆談のため同室の人とは、お話ができない。
そして、消灯時間過ぎに飲まないといけない薬があったり、夜中に痰を取らないと行けなかったりと、電気をつけないといけない事があるので、同室の人に理解てしもらえなかったりもする。
突然嫌味を言われる事もしばしば。声が出せない私は、説明もできないでいた。
主治医が毎日2~3回くらい来て、お話してくれるので私は寂しくもなく、リハさんも看護師さんも優しいので少し位嫌な事があっても気にしない。
それでも体にいろいろ管が入っているのを変な目で見てるく人もいた。あからさまにジロジロと、、。
ある時、大部屋のルールを守らない人がいて私が困っていると意外な人が助けてくれた。
献身的でいつも優しいけど、意思疎通になるとちょっとボケた感じでうまく行かない看護師の、藤橋さんだった。
「その事は、真木さんから聞いたと言わないで、私がしっかり注意して来ますからね。」
藤橋さんはそう言うと、毅然とした態度でルールを守らない人達の方に向かい、注意してくれた。今まで見たことのない藤橋さんの姿だった。
かっこいい。
藤橋はまだ27才のちょっとおっとりした感じの看護師さんだ。(私の前では)
後輩の指導などでは、優しくも厳しい面をチラッと覗かせた事はあった。
自分は嫌な役はやりたくない人が多い世の中で、大したものだと思う。
「真木さんに嫌な思いをさせて、ごめんね。」
と、藤橋さんは言った。いつもの優しい口調だった。私は、身ぶり手ぶりで
「ありがとう。助かった。それと、藤橋さんの下の名前は本当に素敵な名前だよね。」
と言った。
「あ?、イカ?タコ?ああ、歌?えっ何ぃー?
イカにいか見えないよ。」
えっ?イカ?いつもにも増して通じない。
もう一度、ジェスチャーをやってみる。
「うーん。なんだろう。難しいな。タコじゃないし。真木さんの主治医の先生、もうちょっと短髪の方が良くない?ちょっと長いんだよね。」
話がとんだ。短いの見たことないからどうなんだろう。
かみ合わない所はあるけど、私は藤橋さんといるのが、いつの間にか心地いいと思うようになっていた。
HCUから一般病棟に来た時、くだのテープの貼り方や、いろんな細々とした事が違うと私が言うと、他の看護師さんはHCUの看護師さんはレベルも高いし、ここのやり方とは違うよね。と言うような返事をする人もいたのだけれど、藤橋さんは、
「HCUの看護師さんにできて私達にできないわけがない。」
と言った。おっとりの藤橋さんの看護への情熱を見た時だった。
そして、彼女は、HCUまで聞きに行ってくれたり、頑張って練習して共有してくれた。
藤橋さん、良い看護師さんだと思う。
夜の底を、彷徨いながらやっと眠れるのは朝方という事も多かった。
そんな私を個室の頃は、看護師さんたちが気を使ってくれて、少し長めに寝かせてくれる事が多かった。
そんな私の大部屋生活は、体が良くなった証でもあったが良いことばかりでもない。
筆談のため同室の人とは、お話ができない。
そして、消灯時間過ぎに飲まないといけない薬があったり、夜中に痰を取らないと行けなかったりと、電気をつけないといけない事があるので、同室の人に理解てしもらえなかったりもする。
突然嫌味を言われる事もしばしば。声が出せない私は、説明もできないでいた。
主治医が毎日2~3回くらい来て、お話してくれるので私は寂しくもなく、リハさんも看護師さんも優しいので少し位嫌な事があっても気にしない。
それでも体にいろいろ管が入っているのを変な目で見てるく人もいた。あからさまにジロジロと、、。
ある時、大部屋のルールを守らない人がいて私が困っていると意外な人が助けてくれた。
献身的でいつも優しいけど、意思疎通になるとちょっとボケた感じでうまく行かない看護師の、藤橋さんだった。
「その事は、真木さんから聞いたと言わないで、私がしっかり注意して来ますからね。」
藤橋さんはそう言うと、毅然とした態度でルールを守らない人達の方に向かい、注意してくれた。今まで見たことのない藤橋さんの姿だった。
かっこいい。
藤橋はまだ27才のちょっとおっとりした感じの看護師さんだ。(私の前では)
後輩の指導などでは、優しくも厳しい面をチラッと覗かせた事はあった。
自分は嫌な役はやりたくない人が多い世の中で、大したものだと思う。
「真木さんに嫌な思いをさせて、ごめんね。」
と、藤橋さんは言った。いつもの優しい口調だった。私は、身ぶり手ぶりで
「ありがとう。助かった。それと、藤橋さんの下の名前は本当に素敵な名前だよね。」
と言った。
「あ?、イカ?タコ?ああ、歌?えっ何ぃー?
イカにいか見えないよ。」
えっ?イカ?いつもにも増して通じない。
もう一度、ジェスチャーをやってみる。
「うーん。なんだろう。難しいな。タコじゃないし。真木さんの主治医の先生、もうちょっと短髪の方が良くない?ちょっと長いんだよね。」
話がとんだ。短いの見たことないからどうなんだろう。
かみ合わない所はあるけど、私は藤橋さんといるのが、いつの間にか心地いいと思うようになっていた。
HCUから一般病棟に来た時、くだのテープの貼り方や、いろんな細々とした事が違うと私が言うと、他の看護師さんはHCUの看護師さんはレベルも高いし、ここのやり方とは違うよね。と言うような返事をする人もいたのだけれど、藤橋さんは、
「HCUの看護師さんにできて私達にできないわけがない。」
と言った。おっとりの藤橋さんの看護への情熱を見た時だった。
そして、彼女は、HCUまで聞きに行ってくれたり、頑張って練習して共有してくれた。
藤橋さん、良い看護師さんだと思う。
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