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第6章の5「さっさと行動しな」
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園花邸で開かれたクリスマスパーティーに、今の黒点塾を良しとしない元・黒点塾の男達が乱入してきた。
GCSAはそれを返り討ちにしたのだが、その戦いの中で咲子を庇った竜沢を目の当たりにした七月は、竜沢に告白する決心をしていた気持ちに迷いが生まれた。
それは竜沢が誰に対しても優しいという事と、竜沢が自分の事を好きであると聞いたのは咲子からであり、竜沢本人から直接聞いた訳ではなく、決して自分が特別な存在じゃないのでは…という不安からであった。
また、引っ越していく自分が竜沢に想いを伝えたところで、ただ辛くなるだけだという考えが心をよぎったからだった。
それでも本当は竜沢に想いを伝えたい…しかし七月は、引っ越す事だけを竜沢に告げて走り去ってしまう。
そして、七月が学園都市から居なくなる…その事にショックを受けた竜沢は、呆然と立ち尽くすのであった。
そして七月が引っ越す…その日が来た。
「ぼー…」
竜沢は朝から家でぼーっとしていた。
手の平には、デフォルメされた犬の飾りが付いた小さなストラップを乗せていた。七月に渡された小箱に入っていたものだ。
竜沢は鏡からの電話で、七月が乗る電車の時間等の詳細は聞いていたのだが…何故か体が動かなかった。
「ん?何だよあんた、冬休みだってのにずいぶん早起きだな。」
居間に来た暮巴が、ぼーっとしている竜沢を見て声を掛けた。
「ぼー…」
竜沢に反応はない。
「あー、次の仕事何すっかなー。」
暮巴は黒点塾の食堂を辞めた後、まだ職に就いてなかった。
「ぼー…」
それでもやはり、ぼーっとしている竜沢。暮巴は横に黙って座った。
「…また何かやらかしたか?」
静かに話しかける暮巴。それでも竜沢に反応は無い。しばらくして、暮巴は真顔になって再び話し出した。
「昔…あんたは私とお母さんを助ける為に、自分を犠牲にしようとした。」
暮巴のその言葉に、竜沢の体が一瞬強張った。
「あの男がお母さんに手を上げ、何度も殴っていたのを私らは必死で止めようとした。けど…あの男は、そんな私らにも平気で暴力をふるった。」
黙って聞く竜沢に、暮巴は話しを続ける。
「そしてあんたは…
〝母さんと姉ちゃんを守りたいのに…〟
毎日のように酒に酔って母親を殴り、止めようとした姉や自分にまで殴りかかる父親に対しての怒りを、いつしか竜沢は自分に向けていた。
〝何で俺はこんなに弱いんだ…強く…強くなりたい〟
殴られて畳の上に倒れ、父親に暴力を受けて泣いている母親や姉の声を聞いている事しか出来なかった竜沢。
悔しい…弱い自分に腹が立つ。
〝どうすれば…〟
竜沢は考えた。どうすれば二人を守れるのか…。
〝そうだ、倒れなきゃいいんだ!けど、じゃあどうすれば…〟
竜沢はこの時まだ八歳。幼いながらも有りっ丈の知恵を絞り、考えた。そしてふと思い付いた…笑う事を。
笑う事で新陳代謝が高まる…それは何かの本だったのか、それともテレビで見たのか…どうだったか自分でも覚えていない竜沢。だが、笑っていれば傷が癒え、殴られても倒れる事はない…そうすれば母さん達を守れると考えた。それは、とんでもない間違った思い込み。
しかしその後、竜沢は笑う。
父親が暴れ出したら母親と姉を守る為に笑った。両手を広げ、笑いながら父親の前に立ち塞がった。
殴られる。痛い。けど…何故か耐えられた。どれだけ殴られても立っていられた。傷の治りも何故か早くなった。吊り上がる眉、怒りの目…それでも口元には笑みを浮かべ、声を出して笑う。そして遂には笑っていなくても驚異的な回復力を発揮するようになった。笑えば更に回復力は増し、殴られて血を流していても直ぐに止まる程だった。
そんな竜沢に、いつしか父親は恐怖を感じた。
そして、何度殴り飛ばされても自分達の為に立ち上がる…そんな竜沢の姿を見て、ついに母親も姉も恐怖に打ち勝ち、力を振り絞って父親に反発したのだった。すると父親は暴力を振るわなくなり、そして…家を出て行ったきり戻って来なかった。
…しばらくして母さんは亡くなっちゃったけど…ずっとあんたに感謝してたよ。あんたや私に申し訳ないって気持ちもあったんだと思う。でも、申し訳ないって思う方が申し訳ないって…そんな事を言ってた。だから感謝しかないって。」
黙って聞いてた竜沢の口が開く。
「母さん、そんなこと言ってたんだ。」
「うん。…私も、あんたにゃ感謝してる。こう見えてもな。」
いつもの竜沢みたいにニカっと笑う暮巴。
「あんたは自分を犠牲にしてでも誰かを守る事が出来る…私の自慢の弟だよ。」
「姉ちゃん…」
「けどな…間違うんじゃないよ?自分を犠牲にしたって喜ばない奴らだっているんだ。お前なら私が言うまでもなく…分かってるんだろ?」
うつむいて、何かを考える竜沢。
「…神、何を悩んでるか知らないが、お前は相手の事を考え過ぎる。考え過ぎは判断を鈍らせる。自分の思いを伝える事は…大切な事だ。怖がるんじゃないよ。」
まるで自分の気持ちを見透かしているような暮巴の言葉は、竜沢の心にじわりと沁みて来る。
「神、私が知ってるあんたの友達は皆、あんたが自分の気持ちを抑えて黙ってるより、ちゃんと伝えてくれる方が嬉しいんじゃないかと思うけど…違うか?」
「姉ちゃん、俺…」
やっと暮巴の方を向く竜沢。
「…そうやって悩んでる時間は、後で困る時間じゃないのか?考えるより行動した方が後悔しない事もあるんじゃないのか?どうなんだ、神。」
竜沢の顔を見て軽く微笑み、立て続けに話す暮巴。
「俺は…」
暮巴をジッと見る竜沢。
「その顔…なるほど分かった。」
ニカッとする暮巴。
「え?」
「行け、神!」
バシィッ!と、竜沢の背中を思いっ切り叩く暮巴。
「いってぇっ!」
想像以上に強く叩かれ、涙目になって立ち上がる竜沢。
「く~、マジで痛ぇ!普通もうちょい手加減とかない?!」
「何だか分かんないけど、さっさと行動しなっ。」
暮巴に言われ、家を飛び出して行く竜沢。しかし次の瞬間しまったという顔になった。
「じ、自転車パンクしてんの忘れてた…。」
で、ある。やはりシマらない男であった
ここは学園都市の最果てにある『学園の南駅』という名の駅。
「甲くん。」
「ふん。…奴は来ていないのか。」
既に駅に到着していた鏡達と合流する甲。
「ええ。昨夜、時間は伝えたんですが…まぁ、こうなると予想はしてましたがね。」
少しため息混じりに言う鏡。
「むぅ。」
周囲を見渡す甲。そこには鏡、流香、高瀬、咲子の四人が居た。
「隆正も居ないのか。」
「ですね。」
「困った奴らだ。」
「ですね。」
二人はそう言って、駅コンコースの窓から外を見た。
竜沢は駅までの道を走っていた。自転車がパンクしていた為である。
〝この辺はバスもあんま無いし走るしかないが…〟
竜沢は心の中で、駅までの到着時間を計算していた。
〝ちょっと……ヤバい〟
焦っていた竜沢の前方に、二人の男達が居た。
「ん?」
竜沢は立ち止まり、男達に声を掛けた。
「お前ら…どういう組み合わせだ?」
隆正と、自転車にまたがったブリオであった。
「つーか隆正、お前何でこんな所に?見送りに行かなかったのか?」
「…お前を待ってたんや、神侍。」
いつになく、おとなしめの隆正。
「俺を?隆正、本当にどうしたんだ?」
竜沢は、隆正のいつもと違う雰囲気に困惑した。
「神侍、勝負や。…七月さんを賭けてな!」
「はぁ?!」
咲子対七月の早朝テニスに似ている展開。かまぼこ型の目を大きく見開く竜沢であった。
「ミーは荷届人ネ!」
「どこに何を届けんねん!見届人や!」
ブリオにツッコむ隆正。
「オー!フォーターとはまた違うフォロー!気持ち良いネ!」
「これが日本の文化や!」
「いや違うだろ。」
二人があまりにうるさいので冷静になる竜沢。
「とにかく…勝負や、神侍!」
竜沢を指差して吠える隆正であった。
GCSAはそれを返り討ちにしたのだが、その戦いの中で咲子を庇った竜沢を目の当たりにした七月は、竜沢に告白する決心をしていた気持ちに迷いが生まれた。
それは竜沢が誰に対しても優しいという事と、竜沢が自分の事を好きであると聞いたのは咲子からであり、竜沢本人から直接聞いた訳ではなく、決して自分が特別な存在じゃないのでは…という不安からであった。
また、引っ越していく自分が竜沢に想いを伝えたところで、ただ辛くなるだけだという考えが心をよぎったからだった。
それでも本当は竜沢に想いを伝えたい…しかし七月は、引っ越す事だけを竜沢に告げて走り去ってしまう。
そして、七月が学園都市から居なくなる…その事にショックを受けた竜沢は、呆然と立ち尽くすのであった。
そして七月が引っ越す…その日が来た。
「ぼー…」
竜沢は朝から家でぼーっとしていた。
手の平には、デフォルメされた犬の飾りが付いた小さなストラップを乗せていた。七月に渡された小箱に入っていたものだ。
竜沢は鏡からの電話で、七月が乗る電車の時間等の詳細は聞いていたのだが…何故か体が動かなかった。
「ん?何だよあんた、冬休みだってのにずいぶん早起きだな。」
居間に来た暮巴が、ぼーっとしている竜沢を見て声を掛けた。
「ぼー…」
竜沢に反応はない。
「あー、次の仕事何すっかなー。」
暮巴は黒点塾の食堂を辞めた後、まだ職に就いてなかった。
「ぼー…」
それでもやはり、ぼーっとしている竜沢。暮巴は横に黙って座った。
「…また何かやらかしたか?」
静かに話しかける暮巴。それでも竜沢に反応は無い。しばらくして、暮巴は真顔になって再び話し出した。
「昔…あんたは私とお母さんを助ける為に、自分を犠牲にしようとした。」
暮巴のその言葉に、竜沢の体が一瞬強張った。
「あの男がお母さんに手を上げ、何度も殴っていたのを私らは必死で止めようとした。けど…あの男は、そんな私らにも平気で暴力をふるった。」
黙って聞く竜沢に、暮巴は話しを続ける。
「そしてあんたは…
〝母さんと姉ちゃんを守りたいのに…〟
毎日のように酒に酔って母親を殴り、止めようとした姉や自分にまで殴りかかる父親に対しての怒りを、いつしか竜沢は自分に向けていた。
〝何で俺はこんなに弱いんだ…強く…強くなりたい〟
殴られて畳の上に倒れ、父親に暴力を受けて泣いている母親や姉の声を聞いている事しか出来なかった竜沢。
悔しい…弱い自分に腹が立つ。
〝どうすれば…〟
竜沢は考えた。どうすれば二人を守れるのか…。
〝そうだ、倒れなきゃいいんだ!けど、じゃあどうすれば…〟
竜沢はこの時まだ八歳。幼いながらも有りっ丈の知恵を絞り、考えた。そしてふと思い付いた…笑う事を。
笑う事で新陳代謝が高まる…それは何かの本だったのか、それともテレビで見たのか…どうだったか自分でも覚えていない竜沢。だが、笑っていれば傷が癒え、殴られても倒れる事はない…そうすれば母さん達を守れると考えた。それは、とんでもない間違った思い込み。
しかしその後、竜沢は笑う。
父親が暴れ出したら母親と姉を守る為に笑った。両手を広げ、笑いながら父親の前に立ち塞がった。
殴られる。痛い。けど…何故か耐えられた。どれだけ殴られても立っていられた。傷の治りも何故か早くなった。吊り上がる眉、怒りの目…それでも口元には笑みを浮かべ、声を出して笑う。そして遂には笑っていなくても驚異的な回復力を発揮するようになった。笑えば更に回復力は増し、殴られて血を流していても直ぐに止まる程だった。
そんな竜沢に、いつしか父親は恐怖を感じた。
そして、何度殴り飛ばされても自分達の為に立ち上がる…そんな竜沢の姿を見て、ついに母親も姉も恐怖に打ち勝ち、力を振り絞って父親に反発したのだった。すると父親は暴力を振るわなくなり、そして…家を出て行ったきり戻って来なかった。
…しばらくして母さんは亡くなっちゃったけど…ずっとあんたに感謝してたよ。あんたや私に申し訳ないって気持ちもあったんだと思う。でも、申し訳ないって思う方が申し訳ないって…そんな事を言ってた。だから感謝しかないって。」
黙って聞いてた竜沢の口が開く。
「母さん、そんなこと言ってたんだ。」
「うん。…私も、あんたにゃ感謝してる。こう見えてもな。」
いつもの竜沢みたいにニカっと笑う暮巴。
「あんたは自分を犠牲にしてでも誰かを守る事が出来る…私の自慢の弟だよ。」
「姉ちゃん…」
「けどな…間違うんじゃないよ?自分を犠牲にしたって喜ばない奴らだっているんだ。お前なら私が言うまでもなく…分かってるんだろ?」
うつむいて、何かを考える竜沢。
「…神、何を悩んでるか知らないが、お前は相手の事を考え過ぎる。考え過ぎは判断を鈍らせる。自分の思いを伝える事は…大切な事だ。怖がるんじゃないよ。」
まるで自分の気持ちを見透かしているような暮巴の言葉は、竜沢の心にじわりと沁みて来る。
「神、私が知ってるあんたの友達は皆、あんたが自分の気持ちを抑えて黙ってるより、ちゃんと伝えてくれる方が嬉しいんじゃないかと思うけど…違うか?」
「姉ちゃん、俺…」
やっと暮巴の方を向く竜沢。
「…そうやって悩んでる時間は、後で困る時間じゃないのか?考えるより行動した方が後悔しない事もあるんじゃないのか?どうなんだ、神。」
竜沢の顔を見て軽く微笑み、立て続けに話す暮巴。
「俺は…」
暮巴をジッと見る竜沢。
「その顔…なるほど分かった。」
ニカッとする暮巴。
「え?」
「行け、神!」
バシィッ!と、竜沢の背中を思いっ切り叩く暮巴。
「いってぇっ!」
想像以上に強く叩かれ、涙目になって立ち上がる竜沢。
「く~、マジで痛ぇ!普通もうちょい手加減とかない?!」
「何だか分かんないけど、さっさと行動しなっ。」
暮巴に言われ、家を飛び出して行く竜沢。しかし次の瞬間しまったという顔になった。
「じ、自転車パンクしてんの忘れてた…。」
で、ある。やはりシマらない男であった
ここは学園都市の最果てにある『学園の南駅』という名の駅。
「甲くん。」
「ふん。…奴は来ていないのか。」
既に駅に到着していた鏡達と合流する甲。
「ええ。昨夜、時間は伝えたんですが…まぁ、こうなると予想はしてましたがね。」
少しため息混じりに言う鏡。
「むぅ。」
周囲を見渡す甲。そこには鏡、流香、高瀬、咲子の四人が居た。
「隆正も居ないのか。」
「ですね。」
「困った奴らだ。」
「ですね。」
二人はそう言って、駅コンコースの窓から外を見た。
竜沢は駅までの道を走っていた。自転車がパンクしていた為である。
〝この辺はバスもあんま無いし走るしかないが…〟
竜沢は心の中で、駅までの到着時間を計算していた。
〝ちょっと……ヤバい〟
焦っていた竜沢の前方に、二人の男達が居た。
「ん?」
竜沢は立ち止まり、男達に声を掛けた。
「お前ら…どういう組み合わせだ?」
隆正と、自転車にまたがったブリオであった。
「つーか隆正、お前何でこんな所に?見送りに行かなかったのか?」
「…お前を待ってたんや、神侍。」
いつになく、おとなしめの隆正。
「俺を?隆正、本当にどうしたんだ?」
竜沢は、隆正のいつもと違う雰囲気に困惑した。
「神侍、勝負や。…七月さんを賭けてな!」
「はぁ?!」
咲子対七月の早朝テニスに似ている展開。かまぼこ型の目を大きく見開く竜沢であった。
「ミーは荷届人ネ!」
「どこに何を届けんねん!見届人や!」
ブリオにツッコむ隆正。
「オー!フォーターとはまた違うフォロー!気持ち良いネ!」
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