5 / 9
第二章『魔女の店』
第二章 その①
しおりを挟む
【一週間前】
あの箱と紙を手に入れた日、どうしてあの店に入ったのか、今でもよくわからない。真夏の熱に浮かされていたのか、それとも、あの女が言うような「魔法」に掛けられていたのか。
「なんだか期待外れでしたね」
「そうだな。正直まずかった」
僕と先輩は、商店街の近くにある中華料理屋で昼食を摂った。
フリーペーパーのガイドブックに、「大人気!」と書かれていたから期待して行ったのに、麻婆豆腐は辛みが足りないし、餃子もニンニクが足りない。チャーハンに至っては「炊いたんじゃないか?」って思うくらい米がべちゃっとしていて、付属の中華スープはぬるかった。
腹八分目で終わらせた僕たちは、肩を落としながら店を出た。
物足りなさを感じながら背伸びをする。
「どうします? 先輩。どこか行きますか? まだ金に余裕あるんで、コーヒーでも飲みます? サンドイッチくらいは付けられますけど」
「ああ……、悪いな。でも、今から仕事なんだよ」
先輩は気まずそうに言うと、胸の前で手を合わせた。
「だから、また今度な」
「いやまあ、お金使わなくて済むんで良いんですけど……」
僕はさっきのレシートを財布に仕舞うと、ポケットにねじ込んだ。
「ってか、先輩ってバイトしてたんですね」
「ああ、いや、パチンコだ」
「……………………」
感心して損した。
「なんなら、水無瀬も来るか? バイク後ろ、乗せてやるけど。一緒に風を感じよう」
「いや、いいです。今日は気分じゃないので」
散財して、拗ねて僕を蹴ってくる先輩を想像した僕は、首を横に振った。
先輩は「ちぇ」と言うと、足元の小石を蹴り飛ばした。
「じゃあ、私一人で行ってくるよ。当たっても知らんぞ」
「当たったなら金返せこら」
そう言い合って、僕たちは別れた。先輩はパチンコ屋の方に。僕は商店街の方に。
今日の夕飯はカレーにしようと思い、その食材を買うべく、八百屋に向かった。
だが、普段商店街で買い物をしないせいか、僕は道を間違え、いつの間にか、人気の無い路地を歩いていた。
「あれ……? ここどこだ?」
頭上の太陽が、雲に隠れる。
心なしか湿度が増したような気がして、頬に汗が滲んだ。
どうやって商店街の方に戻ろうか……? と辺りを見渡していると、僕の目が、ある看板を捉えた。
『魔法屋』……。
看板には、そう書いてあった。
奇妙な看板を掲げるその店は、蒸し暑い路地の陰に隠れるようにして、ひっそりと佇んでいた。
魔法屋……などという、日常生活を送っていればまず目にしないような、メルヘンチックな名前に、僕は一瞬思考を鈍らせる。
魔法屋……? 魔法の、店? 何を売っている店なんだ?
もしかして……ちょっとエッチな店か?
そう、淡い期待を覚えた僕だったが、その予想は、今に重力に押しつぶされそうな撓んだ屋根瓦を見て否定された。
風俗……ではない。としたら、なんなんだ?
「………………」
少しだけ余裕の残った胃袋に、好奇心が流れ込む。
我慢ならなくなった僕は、一歩踏み出し、ぼろぼろの引き戸のノブを掴んだ。
ガラガラ……と、建付けの悪い音と共に、戸が開く。
中に入ると、そこには六畳ほどの空間があった。それは、低い天井、駄菓子屋のように所狭しと並んだ商品棚と相まって、閉所恐怖症でなくとも嫌悪を抱いてしまうような場所だった。
とはいえ、床には埃一つなく、店全体に、フローラルのような香りが漂い、どこか妖艶な雰囲気がある。
くらっとする感覚に襲われながら店を見渡していると、奥にあるレジの方から声が聴こえた。
『いらっしゃい』
入った時点で、そこに黒いローブを纏った女が座っているのはわかっていた。それなのに、思わず驚いた声が出る。
後ずさった僕を見て、華奢な女は、ふふっと笑った。
『驚かせてごめんね。魔法屋をやってる身、気配を消すのが癖になってて……』
「あ……、え……」
僕が震えた声を洩らすのを見て、店主の女は「おや……」と、なぞるような口調で首を傾げた。
『君はこの店が何の店かわからないまま、立ち入ったのかな?』
鈴を鳴らすような、幼稚園児に話しかけるような、甘ったるい声。
僕は逃げ出したい気持ちになりながら頷いた。
「はい。気がついたら、ここに辿り着いていて……、気になって……」
『ああ、なるほど』
女はそう洩らし、下唇を湿らせた。
『ごめんね。多分、私の魔法のせいだ』
そう言うと、すっ……と背筋を伸ばし、机についていた腕を動かした。その拍子に、静かに漂っていた空気が揺れ、心なしか香りが変わる。埃が、窓から差し込む光を反射して、キラキラと輝いた。
まるで「私は怪しいものじゃないよ」とでも言うように、女は、黒いネイルが輝く指でフードを取り払い、銀色の髪の隙間から、吸い込まれるような金色の瞳で僕に微笑みかけた。
『軒先にね、魔法をかけていたの。願いを持つ者を呼び寄せる魔法』
は?
「願いを持つものを、呼び寄せる、魔法?」
『うん、集客には便利な魔法だね』
心なしか自虐気味に笑った店主は、俯きつつ、目元に掛かる銀色の髪を爪で梳く。
『願いを叶えたいと思っている人のみが……、この店に引き寄せられるの……』
その言葉に、心臓にちくっとした感覚が宿るのが分かった。
確かに、この女の言う通り、僕は「願い」を持っている。確かに、心当たりがある。
『恋心ってのは、純粋なものなんだよ』
女はふふっと笑うと、そう言った。
「…………はあ」
脳裏に、ギャンブルで大損して、部屋の隅でしょんぼりとしている先輩の姿が浮かんだ。
僕の顔を見て、女は何を思ったのか、また笑い、そのしなやかな指で店全体を指した。
『どうかな? これも何かの縁だよ。何か買っていかない?』
「あ、はあ……」
なるほど、こうやって客を集めて商品を買わせているのか。よくよく考えたら、願いなんて、人間なら大体が持っているものじゃないか。
バーナム効果って奴だっけ?
商いの匂いをぷんぷんと感じた僕は、今すぐにでもこの店から出たい気持ちに駆られた。
とは言え、商品棚に並んだ商品は、どれも煌びやかだった。見るくらいなら、損は無いと思った。
「じゃあ、ちょっと、何か、見てみようかな」
確かめるように言うと、店主はにこっと、美しく微笑んだ。
『好きなだけ見ていってね』
「は、はい」
金色の視線を浴びながら、僕は商品棚を見渡す。
香水のような小瓶や、ラムネ粒が入った瓶、何やら魔法陣のようなものが描かれた紙に、動物の形を模した人形、本物かどうかわからない髪の毛の束に、凝った意匠の指輪。
時々変なものが混ざっているものの、パッと見た時の印象は、ショッピングモールの一角にあるお洒落な雑貨屋のような商品だ。
なんとなく、ペアルックのペンダントに触れる。
指にはめるにはやや太いリング。そこに、重厚感のある銀色のチェーンが通されている。不思議なことに、その表面はラメが施されたかのように七色に煌めいていた。
値段は……いくらだ?
「あの、このペンダント、いくらですか?」
そう言って振り返ると、店主は笑みを浮かべたまま、指を五本立てた。
「あ、五千円、くらいかな?」
『ううん、五十万円』
「え……」
ぎくり……と心臓が跳ねる感覚。
まさか、ぼったくり? いやでも、このチェーン、なんか重いというか、手に吸い付いてくる感覚があるし、もしかしたら、本物の銀を使っているのかも……。
「あははは、ですよね」
まるで、わかってました。とでも言うみたいに、ペンダントを商品棚に戻す。
すると、店主が言った。
『そのペンダントには、恋の魔法がかけられているんだよ』
「え……」
思わず振り返る。
店主は僕の方を見ながら続けた。
『使い方は簡単で、意中の人に、そのペンダントを送るだけでいい。装着しなくとも、その人は君に惹かれるようになる。そして、装着すれば、完全に結ばれることとなる』
「へ、へえ」
脳裏に、東雲先輩の横顔が浮かんだ。
再び、商品棚のペンダントに目を向けた時、リングに埋め込まれた宝石が、熱した鉄のように光るのがわかった。
つまり、このペンダントを彼女にプレゼントさえすれば、いつも僕に金を集り、顎で使い、従順な犬のようにしか思っていない彼女は、僕に心を惹かれるようになるわけだ。
気になる。めちゃくちゃ気になる。ほしい。
「でも……、高すぎますね」
僕は肩を竦めた。
『じゃあ、一つ値段を落として、五万円の恋の魔法はどうかな?』
店主は首を傾げ、そう提案した。
『ほら、棚の下……、そこに、瓶があるでしょう?』
そう言われて目を向けると、確かに、手のひらに収まるくらいの小瓶が置いてあって、きつく栓がされたその中には、真っ黒な……泥水のような液体が揺らめいていた。
「こ、これは?」
『それも恋の魔法だよ。もう少し噛み砕いて言えば、惚れ薬だね』
「惚れ薬……」
ということは、この液体を意中の相手に飲ませるのか? いろいろ危なそうだが……。
『値段は五万円。相手に飲ませるだけで、その人は君に惚れるよ?』
「いやあ……」
ペンダント同様気になりはしたが、やはり五万は高い。
「それに、魔法なんて信用してませんから」
冷静になって考えれば、この店主が勧めてくるものはすべて、たまに会った知り合いに勧められる「幸運になれる壺」のようなものの可能性があった。
あの箱と紙を手に入れた日、どうしてあの店に入ったのか、今でもよくわからない。真夏の熱に浮かされていたのか、それとも、あの女が言うような「魔法」に掛けられていたのか。
「なんだか期待外れでしたね」
「そうだな。正直まずかった」
僕と先輩は、商店街の近くにある中華料理屋で昼食を摂った。
フリーペーパーのガイドブックに、「大人気!」と書かれていたから期待して行ったのに、麻婆豆腐は辛みが足りないし、餃子もニンニクが足りない。チャーハンに至っては「炊いたんじゃないか?」って思うくらい米がべちゃっとしていて、付属の中華スープはぬるかった。
腹八分目で終わらせた僕たちは、肩を落としながら店を出た。
物足りなさを感じながら背伸びをする。
「どうします? 先輩。どこか行きますか? まだ金に余裕あるんで、コーヒーでも飲みます? サンドイッチくらいは付けられますけど」
「ああ……、悪いな。でも、今から仕事なんだよ」
先輩は気まずそうに言うと、胸の前で手を合わせた。
「だから、また今度な」
「いやまあ、お金使わなくて済むんで良いんですけど……」
僕はさっきのレシートを財布に仕舞うと、ポケットにねじ込んだ。
「ってか、先輩ってバイトしてたんですね」
「ああ、いや、パチンコだ」
「……………………」
感心して損した。
「なんなら、水無瀬も来るか? バイク後ろ、乗せてやるけど。一緒に風を感じよう」
「いや、いいです。今日は気分じゃないので」
散財して、拗ねて僕を蹴ってくる先輩を想像した僕は、首を横に振った。
先輩は「ちぇ」と言うと、足元の小石を蹴り飛ばした。
「じゃあ、私一人で行ってくるよ。当たっても知らんぞ」
「当たったなら金返せこら」
そう言い合って、僕たちは別れた。先輩はパチンコ屋の方に。僕は商店街の方に。
今日の夕飯はカレーにしようと思い、その食材を買うべく、八百屋に向かった。
だが、普段商店街で買い物をしないせいか、僕は道を間違え、いつの間にか、人気の無い路地を歩いていた。
「あれ……? ここどこだ?」
頭上の太陽が、雲に隠れる。
心なしか湿度が増したような気がして、頬に汗が滲んだ。
どうやって商店街の方に戻ろうか……? と辺りを見渡していると、僕の目が、ある看板を捉えた。
『魔法屋』……。
看板には、そう書いてあった。
奇妙な看板を掲げるその店は、蒸し暑い路地の陰に隠れるようにして、ひっそりと佇んでいた。
魔法屋……などという、日常生活を送っていればまず目にしないような、メルヘンチックな名前に、僕は一瞬思考を鈍らせる。
魔法屋……? 魔法の、店? 何を売っている店なんだ?
もしかして……ちょっとエッチな店か?
そう、淡い期待を覚えた僕だったが、その予想は、今に重力に押しつぶされそうな撓んだ屋根瓦を見て否定された。
風俗……ではない。としたら、なんなんだ?
「………………」
少しだけ余裕の残った胃袋に、好奇心が流れ込む。
我慢ならなくなった僕は、一歩踏み出し、ぼろぼろの引き戸のノブを掴んだ。
ガラガラ……と、建付けの悪い音と共に、戸が開く。
中に入ると、そこには六畳ほどの空間があった。それは、低い天井、駄菓子屋のように所狭しと並んだ商品棚と相まって、閉所恐怖症でなくとも嫌悪を抱いてしまうような場所だった。
とはいえ、床には埃一つなく、店全体に、フローラルのような香りが漂い、どこか妖艶な雰囲気がある。
くらっとする感覚に襲われながら店を見渡していると、奥にあるレジの方から声が聴こえた。
『いらっしゃい』
入った時点で、そこに黒いローブを纏った女が座っているのはわかっていた。それなのに、思わず驚いた声が出る。
後ずさった僕を見て、華奢な女は、ふふっと笑った。
『驚かせてごめんね。魔法屋をやってる身、気配を消すのが癖になってて……』
「あ……、え……」
僕が震えた声を洩らすのを見て、店主の女は「おや……」と、なぞるような口調で首を傾げた。
『君はこの店が何の店かわからないまま、立ち入ったのかな?』
鈴を鳴らすような、幼稚園児に話しかけるような、甘ったるい声。
僕は逃げ出したい気持ちになりながら頷いた。
「はい。気がついたら、ここに辿り着いていて……、気になって……」
『ああ、なるほど』
女はそう洩らし、下唇を湿らせた。
『ごめんね。多分、私の魔法のせいだ』
そう言うと、すっ……と背筋を伸ばし、机についていた腕を動かした。その拍子に、静かに漂っていた空気が揺れ、心なしか香りが変わる。埃が、窓から差し込む光を反射して、キラキラと輝いた。
まるで「私は怪しいものじゃないよ」とでも言うように、女は、黒いネイルが輝く指でフードを取り払い、銀色の髪の隙間から、吸い込まれるような金色の瞳で僕に微笑みかけた。
『軒先にね、魔法をかけていたの。願いを持つ者を呼び寄せる魔法』
は?
「願いを持つものを、呼び寄せる、魔法?」
『うん、集客には便利な魔法だね』
心なしか自虐気味に笑った店主は、俯きつつ、目元に掛かる銀色の髪を爪で梳く。
『願いを叶えたいと思っている人のみが……、この店に引き寄せられるの……』
その言葉に、心臓にちくっとした感覚が宿るのが分かった。
確かに、この女の言う通り、僕は「願い」を持っている。確かに、心当たりがある。
『恋心ってのは、純粋なものなんだよ』
女はふふっと笑うと、そう言った。
「…………はあ」
脳裏に、ギャンブルで大損して、部屋の隅でしょんぼりとしている先輩の姿が浮かんだ。
僕の顔を見て、女は何を思ったのか、また笑い、そのしなやかな指で店全体を指した。
『どうかな? これも何かの縁だよ。何か買っていかない?』
「あ、はあ……」
なるほど、こうやって客を集めて商品を買わせているのか。よくよく考えたら、願いなんて、人間なら大体が持っているものじゃないか。
バーナム効果って奴だっけ?
商いの匂いをぷんぷんと感じた僕は、今すぐにでもこの店から出たい気持ちに駆られた。
とは言え、商品棚に並んだ商品は、どれも煌びやかだった。見るくらいなら、損は無いと思った。
「じゃあ、ちょっと、何か、見てみようかな」
確かめるように言うと、店主はにこっと、美しく微笑んだ。
『好きなだけ見ていってね』
「は、はい」
金色の視線を浴びながら、僕は商品棚を見渡す。
香水のような小瓶や、ラムネ粒が入った瓶、何やら魔法陣のようなものが描かれた紙に、動物の形を模した人形、本物かどうかわからない髪の毛の束に、凝った意匠の指輪。
時々変なものが混ざっているものの、パッと見た時の印象は、ショッピングモールの一角にあるお洒落な雑貨屋のような商品だ。
なんとなく、ペアルックのペンダントに触れる。
指にはめるにはやや太いリング。そこに、重厚感のある銀色のチェーンが通されている。不思議なことに、その表面はラメが施されたかのように七色に煌めいていた。
値段は……いくらだ?
「あの、このペンダント、いくらですか?」
そう言って振り返ると、店主は笑みを浮かべたまま、指を五本立てた。
「あ、五千円、くらいかな?」
『ううん、五十万円』
「え……」
ぎくり……と心臓が跳ねる感覚。
まさか、ぼったくり? いやでも、このチェーン、なんか重いというか、手に吸い付いてくる感覚があるし、もしかしたら、本物の銀を使っているのかも……。
「あははは、ですよね」
まるで、わかってました。とでも言うみたいに、ペンダントを商品棚に戻す。
すると、店主が言った。
『そのペンダントには、恋の魔法がかけられているんだよ』
「え……」
思わず振り返る。
店主は僕の方を見ながら続けた。
『使い方は簡単で、意中の人に、そのペンダントを送るだけでいい。装着しなくとも、その人は君に惹かれるようになる。そして、装着すれば、完全に結ばれることとなる』
「へ、へえ」
脳裏に、東雲先輩の横顔が浮かんだ。
再び、商品棚のペンダントに目を向けた時、リングに埋め込まれた宝石が、熱した鉄のように光るのがわかった。
つまり、このペンダントを彼女にプレゼントさえすれば、いつも僕に金を集り、顎で使い、従順な犬のようにしか思っていない彼女は、僕に心を惹かれるようになるわけだ。
気になる。めちゃくちゃ気になる。ほしい。
「でも……、高すぎますね」
僕は肩を竦めた。
『じゃあ、一つ値段を落として、五万円の恋の魔法はどうかな?』
店主は首を傾げ、そう提案した。
『ほら、棚の下……、そこに、瓶があるでしょう?』
そう言われて目を向けると、確かに、手のひらに収まるくらいの小瓶が置いてあって、きつく栓がされたその中には、真っ黒な……泥水のような液体が揺らめいていた。
「こ、これは?」
『それも恋の魔法だよ。もう少し噛み砕いて言えば、惚れ薬だね』
「惚れ薬……」
ということは、この液体を意中の相手に飲ませるのか? いろいろ危なそうだが……。
『値段は五万円。相手に飲ませるだけで、その人は君に惚れるよ?』
「いやあ……」
ペンダント同様気になりはしたが、やはり五万は高い。
「それに、魔法なんて信用してませんから」
冷静になって考えれば、この店主が勧めてくるものはすべて、たまに会った知り合いに勧められる「幸運になれる壺」のようなものの可能性があった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる