高貴なオメガは、ただ愛を囁かれたい【本編完結】

きど

文字の大きさ
20 / 85

第二十話

しおりを挟む
「やっ…ひあっ」

「敏感で可愛い」

ブラウスの裾から手を差し込まれウェストラインを指先でなぞられ嬌声があがる。そんな僕を満足気に見るアーシュは、そのまま直接胸の頂きに触れる。

「あっ…やだぁっ」

触れるか触れないかのフェザータッチで、頂きの輪郭をなぞられる。時折、突起に指を掠めても、それ以上はなく体はもっと強い刺激を期待し腹の奥が疼く。それなのに焦らされ、もどかしいばかりで。

「やだじゃなくて、こういうの好きでしょ?」

「やっ…いきなりっ…ふあっ、やぁっ」

アーシュは意地悪く笑うと、今まで散々焦らした胸の突起を指で弾き弄ぶ
指先で引っ掻き、ぷくりと膨らむそこを指の腹で潰す様に弄られたと思えば、強く摘まれれば、強い快感が電流の様に走り体がのけ反る。

発情期 ヒートの時と同じで乳首弱いんだね」

「ちがっ…あっやぁ」

いつの間にかブラウスのボタンが外されていて、はだけた胸に吸いつかれ言葉が紡げなくなる。片方の突起を甘噛みされ、先端を舌先でくすぐられ、もう片方は指で攻めたてられる。とめどない刺激に下半身は熱くなり、腹の奥深くを満たして欲しいと後孔はひくつき愛液が漏れ出る。

「もうやだぁ…くるしい。ねぇっ…アーシュ。」

快楽に体は昂り、溜まる熱は出口を求めのたうち回る。そして強すぎる快感で腹の奥の疼きは限界を超え苦しいと脳が錯覚をする。
それを楽にして欲しくてアーシュに縋りつく。

「乳首じゃまだイけなくて辛いよね。どこ触って欲しいの?」

「ふっ…もうっ意地悪しないで」

限界まで焦らされた上に、聞かなくても分かっているはずなのにわざと意地悪をされて、苦しい程の快楽に耐えられなくなり涙が溢れる。瞳からポロポロ流れる涙を指で掬いとるみたいに目尻を撫でられる。

「ごめん。可愛いくてついやりすぎた。すぐに楽にしてあげる」

アーシュは僕の下半身から服を剥ぎ取ると、自分の服も脱ぎ捨てる。

「ふっ…」

この間は恥ずかしくて直視できなかったアーシュの体躯を目の当たりにして興奮し全身が粟立つ。彫刻の様に均整がとれた筋肉に、乱れた呼吸で上下する胸板、そこから視線を下げると存在を主張し臍に届きそうな程いきりたった屹立、どれも艶かしくてアーシュが欲しくて堪らなくなる。

「ヴィル、エッチ。前も後ろももうグズグズになってる」

「あっ…ひあっ」
 
いきり立つ前を緩く握られ、ひくつく後ろを指でなぞられ体が弓形になる。

「カウパーでグチャグチャになってる。聞こえる?」

「やぁっ…だめぇ…んっ」

先走りで濡れる僕の屹立を、わざと音を立てて上下に擦る。グチッグチュと卑猥な音が響き羞恥が掻き立てられる。快楽に堕ちた頭はそれにさえ興奮を覚えてしまう。

「もっと乱れて。俺だけしか知らないヴィルを見せて」

「あっ…両方っ…あ"っ…はあっ」

前への刺激を続けたまま、後孔をなぞっていた指が中にゆっくり差し込まれ内壁を摩られる。

「腫れてぱんぱん。もうイきそうだね」

「うんっ…もうっ…あ"っ…はあっイくっ、イっちゃう」

前と後ろを同時に攻めたてられ、屹立は今にも爆ぜそうな程膨張している。グジュックチュッジュブッと卑猥な音を鳴らしながら前を擦り上げられ、後ろに指を出し入れされれば体は高みへと昇る。そして暴れ狂っていた熱が全身を駆け巡り、屹立から欲望が爆ぜ白濁を漏らす。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

流れる星、どうかお願い

ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる) オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年 高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼 そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ ”要が幸せになりますように” オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ 王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに! 一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが お付き合いください!

ただ愛されたいと願う

藤雪たすく
BL
自分の居場所を求めながら、劣等感に苛まれているオメガの清末 海里。 やっと側にいたいと思える人を見つけたけれど、その人は……

婚約破棄を提案したら優しかった婚約者に手篭めにされました

多崎リクト
BL
ケイは物心着く前からユキと婚約していたが、優しくて綺麗で人気者のユキと平凡な自分では釣り合わないのではないかとずっと考えていた。 ついに婚約破棄を申し出たところ、ユキに手篭めにされてしまう。 ケイはまだ、ユキがどれだけ自分に執着しているのか知らなかった。 攻め ユキ(23) 会社員。綺麗で性格も良くて完璧だと崇められていた人。ファンクラブも存在するらしい。 受け ケイ(18) 高校生。平凡でユキと自分は釣り合わないとずっと気にしていた。ユキのことが大好き。 pixiv、ムーンライトノベルズにも掲載中

当たり前の幸せ

ヒイロ
BL
結婚4年目で別れを決意する。長い間愛があると思っていた結婚だったが嫌われてるとは気付かずいたから。すれ違いからのハッピーエンド。オメガバース。よくある話。 初投稿なので色々矛盾などご容赦を。 ゆっくり更新します。 すみません名前変えました。

俺はつがいに憎まれている

Q矢(Q.➽)
BL
最愛のベータの恋人がいながら矢崎 衛というアルファと体の関係を持ってしまったオメガ・三村圭(みむら けい)。 それは、出会った瞬間に互いが運命の相手だと本能で嗅ぎ分け、強烈に惹かれ合ってしまったゆえの事だった。 圭は犯してしまった"一夜の過ち"と恋人への罪悪感に悩むが、彼を傷つける事を恐れ、全てを自分の胸の奥に封印する事にし、二度と矢崎とは会わないと決めた。 しかし、一度出会ってしまった運命の番同士を、天は見逃してはくれなかった。 心ならずも逢瀬を繰り返す内、圭はとうとう運命に陥落してしまう。 しかし、その後に待っていたのは最愛の恋人との別れと、番になった矢崎の 『君と出会いさえしなければ…』 という心無い言葉。 実は矢崎も、圭と出会ってしまった事で、最愛の妻との番を解除せざるを得なかったという傷を抱えていた。 ※この作品は、『運命だとか、番とか、俺には関係ないけれど』という作品の冒頭に登場する、主人公斗真の元恋人・三村 圭sideのショートストーリーです。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

すべてはてのひらで踊る、きみと

おしゃべりマドレーヌ
BL
この国一番の美人の母のもとに産まれたリネーは、父親に言われた通り、婚約者アルベルトを誘惑して自分の思い通りに動かそうと画策する。すべては父の命令で、従わなければ生きていけないと思っていたのに、アルベルトと過ごすうちにリネーは自分の本当に望むことに気が付いてしまう。 「……実は、恥ずかしながら、一目惚れで。リネー……は覚えてないと思いますが、一度俺に声を掛けてくれたことがあるんです」 「え」 「随分と昔の事なので……王家の主催ダンスパーティーで一緒に踊らないかと声を掛けてくれて、それですっかり」 純朴で気高く、清々しい青年を前にして、リネーは自身の策略にアルベルトを巻き込んでしまうことに日に日に罪悪感を覚えるようになる。 けれど実はアルベルトにはある思惑がありーーーーー。

借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる

水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。 「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」 過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。 ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。 孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。

処理中です...