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第十九話

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そしてアーシュは僕を横抱きにすると執務室から出て早足で歩く。

「どこに行くんだアーシュ。それに人に見られているから降ろして」

「ヴィルの私室に向かってる。それに見られているのではなく、ヴィルは俺のものだって皆に見せつけてるの」

アーシュがサラリと言う内容に顔が熱くなり、使用人や他の貴族にみっともない顔をみられたくなくて、アーシュの胸元に顔をうずめた。

* * *
私室のベッドサイドに腰掛ける姿勢になる様に降ろされる。アーシュはその正面に跪くと僕の靴を脱がせ足の甲に口付けを落とす。そして立ち上がり、僕の肩を押してそのまま覆い被さると、額、頬、瞼にも口付けを落としていき、最後に唇に触れるだけのキスを何度か落とす。
でもそれだけだと物足りなくて、アーシュの顔に手を添え唇を舌で割開くと、アーシュもそれに応えて、舌を絡ませ、口腔内を舌先でなぞられると体がゾクリと粟立つ。

「んっ…んう…はっ」

「ヴィルに負担をかけない様に今日は、ゆっくり優しくしていきたいから、あんまり煽らないで。抑えがきかなくなるから」

アーシュの瞳に欲情の色が見えれば、それが嬉しくて堪らなくなる。
もっと僕を欲しがって。僕に溺れて。

「抑えなくていい。アーシュの欲望のままに抱いて。全部受け止めるから」

「あぁ、可愛い。そんなこと言われたら、もう手加減できないから。」

僕の言葉を聞いてアーシュがそう言うと僕の首筋に唇を寄せ吸い付き、跡をつけていく。チクリとした痛みが走る度、アーシュのものになる実感が湧いて胸が疼く。

「んっ…」

アーシュはいつの間にか僕のコートのボタンを外し終え、ブラウスの上から胸の突起を引っ掻く。体の奥から湧き上がる疼きを抑える様に声を押し殺すと、アーシュは突起を摘みさらに強い刺激を僕に与える。

「声我慢しないで。聞かせて」

「やっ…あっダメ」

布越しのもどかしい感覚だけじゃなく突起にブラウスの生地が擦れる感覚も刺激となり体はどんどん熱を帯びていく。



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