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【ヤンデレβ×性悪α】 高慢αは手折られる
第二十二話
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リドールを目指し朝方にはエステートを出発したのだが、すでに日は傾いて西陽がキャビンの中をオレンジに染めている。
フェナーラと二人きりの馬車のキャビンは彼が紙をめくる音がはっきりと聞こえるほど静かで、その雰囲気に息が詰まりそうになる。
リドール行きを直談判した日から出立する今日までの数日間、フェナーラとまともに顔を合わせる機会がなかった。…というより、フェナーラに避けられていた。以前は、食事は一緒にとり、寝室も一緒。ここ最近はというと、フェナーラは書斎や商会の自室で食事を済ませ、書斎にベッドを運びいれたらしく寝室には来ないといった状況だった。ここまで徹底的に避けられるほど怒らせてしまったようだ。
向かいに座るフェナーラは私のことなど気にしない様子で誰かからの手紙に目を通しているが、眉間には深い皺が入り不機嫌なのが分かる。手紙の内容が不快なのか、それとも私と二人きりなのが不愉快なのか…。そんな考えが頭をよぎり、心がズキンと痛む。
「ちっ…」
フェナーラが舌打ちをして手紙から顔をあげた。私はフェナーラの姿を眺めていたので、自然と目が合う。
「……」
「……」
どちらも言葉を発さず、沈黙が重くのしかかる。そんな雰囲気を破るように御者の「リドール入りしました!日が暮れるまでには目的地に到着できそうです」という声が前方から響く。
「やっと着いたか…」
フェナーラは低く呟くと、腰を上げ私の両サイドに手をつき覗き込んでくる。
「約束、忘れてないよな?」
淡々とした口調で確認してくる。フェナーラの言う約束は、リドールに着いたら好きに抱かせるというあれのことだ。
「覚えていますが?」
この態勢で聞いてきたということは、ここで抱くつもりなのかと、つい身構えてしまい冷たい口調になった。
「それじゃあ…」
抱くからとフェナーラは顔を寄せ耳元で囁いた。
ーーー
「やっ…だめっ…いっ」
私を後ろから抱きかかえ、ブラウスの裾から手を入れ胸を執拗に愛撫してくるフェナーラから逃れようと身を捩る。けれどフェナーラはそれを許してくれず、私の胸の突起をわざと引っ張った。ピリピリした痛みの中に、快感が入り混じり私は声を漏らす。
「すごいな。少し痛くても感じるんだ?乳首そんなにいいんだ?」
私の耳を舐めながらフェナーラに囁かれ羞恥で目に涙が滲む。
「ちがっ…やっ」
「違わないじゃん。胸しか触ってないのに、勃ってんじゃん」
胸からウエストラインを撫でた手が、服の上から私の中心に触れる。そこは熱を帯び、頭をあげ存在を主張していた。
「んっ…なんっでっ…ひゃっ」
フェナーラはそこを指の背で軽く撫でると、そこから手を離してしまう。そして私の体を向き直らせ、ブラウスを託し上げるとピンと尖る胸の飾りを口に含む。
「あっ…フェ、フェナーラ…やだっ」
舌先で転がされ、歯で甘噛みをされキツく吸われる。もう片側は指でこね潰され、つめ先でひっかくように触られる。絶えず与えられる胸の刺激に体は切なく疼く。でもフェナーラに快感を教えられた体は、それだけでは満足できなくて、もっと強い刺激を欲しがる。
「やだじゃなくて、良いだろ?」
「んっ…あっ良いっ…良いからぁ!」
イかせてと言うのは気恥ずかしくて、濁したまま催促をする。
「じゃあ、このままでいいよな?」
「えっ…やぁっやだぁ」
「いやなのか?なら、どうして欲しいんだ?」
フェナーラは私の顔を覗き込んで聞く。何をして欲しいか分かりきっているはずなのに、それでも私に言わせようとする。かすかに残る理性が、答えることを躊躇わせる。でも、体に溜め込まれた熱が出口を求めてのたうち回り限界だった。
「ひあっ…い、イかせて」
羞恥で尻すぼみになりながらも、懇願するとフェナーラは満足気な笑を浮かべる。私の下半身を撫で、前側をくつろげ膨張し切った私自身を柔らかく握られる。そのまま上下にさすられる。
「いっ…あっあっ」
待ち望んでいた快楽に体が跳ね、無意識に腰が揺れる。フェナーラに親指で私の屹立の先端を撫でられれば、自身の先からカウパーが滲み出るのが分かった。胸の花もまたフェナーラの口に含まれ、甘噛みされると電流のように快感が駆け巡る。
「ひあっ…あっもうっ…フェナ、イッちゃっ」
「ああ。可愛くイく所、見せてくれ」
もう限界が近いことを告げると、フェナーラが私の耳介を甘噛みしながら淫靡に囁く。その声にすら興奮を覚えて、私は呆気なく達した。
* * *
キャビンでフェナーラにイかされた直後に、御者が申し訳なさそうなは「もうすぐ目的地に到着します」と言った。
目的地の伯爵邸に着くまでに急いで身なりを整えた。だが、情事の後で他人に見せられない顔になっていたのかフェナーラに「その顔を他のやつに見せるな」と言われ横抱きにされた。なので、私はフェナーラの胸に顔を埋めている。
「バナト待ってたぞ!」
私を抱え馬車から降りたフェナーラを歓迎する陽気な声が聞こえる。
「久しぶりだな、エイヴィアン。パーティーに招待してくれて、ありがとうな」
フェナーラの口調は砕けたものだったが、声はどことなく硬かった。
「まぁ、俺とお前の仲じゃないか!ところで、こちらの方は?」
エイヴィアンと呼ばれた男性がフェナーラの胸に顔を埋めている私に興味を移す。
「俺の伴侶のセラフだ。馬車に酔って体調を崩してしまって。明日のパーティーで改めて挨拶させてくれ」
フェナーラがさらりと嘘を吐く。馬車に酔ったのではなく、あなたがこんな状態にしたんじゃないですかと心の中で密かに毒づく。
「エステートからの長旅だし、気にしてないから気を遣わなくて大丈夫だ。それよりも、お前の伴侶ってあのセラフ様なのか?お前、すごいな」
どうやって口説き落としたのか明日教えろよ。とエイヴィアン伯爵がフェナーラに軽口を叩く。私に敬称をつけて呼ぶあたり、私がフェナーラの元にいる理由は知らないのだろう。
それにしても、伯爵の私を指す言い方は、好奇の色を感じた。
フェナーラは伯爵との話を丁度いい所で切り上げ、伯爵邸の執事に案内された客室に到着すると私を腕の中から解放した。
「随分と嘘がお上手で」
「商人だからな。嘘も方便って、嘘つかなきゃいけない場面なんて山ほどだからな」
私の嫌味をさらりと流し、そのまま言葉を続ける
「それより明日の日中、ご令嬢にネックガードを渡しに行く。その時にセラフの紹介もするから」
ご令嬢に私を紹介すると言われただけなのに、胸に抱えていたモヤモヤがすうっと晴れる。恋をすると人はこんなにも単純になるらしい。自分の単純さに呆れつつも、フェナーラに「分かりました」と返事をする。
「今日は疲れただろ?もう風呂に入って寝な」
フェナーラに頭を撫でられ、私の胸はトクンと高鳴った。
本当に、恋をすると人は単純になる。
頭を撫でられただけで、こんなにも幸せを感じるのだから。
フェナーラと二人きりの馬車のキャビンは彼が紙をめくる音がはっきりと聞こえるほど静かで、その雰囲気に息が詰まりそうになる。
リドール行きを直談判した日から出立する今日までの数日間、フェナーラとまともに顔を合わせる機会がなかった。…というより、フェナーラに避けられていた。以前は、食事は一緒にとり、寝室も一緒。ここ最近はというと、フェナーラは書斎や商会の自室で食事を済ませ、書斎にベッドを運びいれたらしく寝室には来ないといった状況だった。ここまで徹底的に避けられるほど怒らせてしまったようだ。
向かいに座るフェナーラは私のことなど気にしない様子で誰かからの手紙に目を通しているが、眉間には深い皺が入り不機嫌なのが分かる。手紙の内容が不快なのか、それとも私と二人きりなのが不愉快なのか…。そんな考えが頭をよぎり、心がズキンと痛む。
「ちっ…」
フェナーラが舌打ちをして手紙から顔をあげた。私はフェナーラの姿を眺めていたので、自然と目が合う。
「……」
「……」
どちらも言葉を発さず、沈黙が重くのしかかる。そんな雰囲気を破るように御者の「リドール入りしました!日が暮れるまでには目的地に到着できそうです」という声が前方から響く。
「やっと着いたか…」
フェナーラは低く呟くと、腰を上げ私の両サイドに手をつき覗き込んでくる。
「約束、忘れてないよな?」
淡々とした口調で確認してくる。フェナーラの言う約束は、リドールに着いたら好きに抱かせるというあれのことだ。
「覚えていますが?」
この態勢で聞いてきたということは、ここで抱くつもりなのかと、つい身構えてしまい冷たい口調になった。
「それじゃあ…」
抱くからとフェナーラは顔を寄せ耳元で囁いた。
ーーー
「やっ…だめっ…いっ」
私を後ろから抱きかかえ、ブラウスの裾から手を入れ胸を執拗に愛撫してくるフェナーラから逃れようと身を捩る。けれどフェナーラはそれを許してくれず、私の胸の突起をわざと引っ張った。ピリピリした痛みの中に、快感が入り混じり私は声を漏らす。
「すごいな。少し痛くても感じるんだ?乳首そんなにいいんだ?」
私の耳を舐めながらフェナーラに囁かれ羞恥で目に涙が滲む。
「ちがっ…やっ」
「違わないじゃん。胸しか触ってないのに、勃ってんじゃん」
胸からウエストラインを撫でた手が、服の上から私の中心に触れる。そこは熱を帯び、頭をあげ存在を主張していた。
「んっ…なんっでっ…ひゃっ」
フェナーラはそこを指の背で軽く撫でると、そこから手を離してしまう。そして私の体を向き直らせ、ブラウスを託し上げるとピンと尖る胸の飾りを口に含む。
「あっ…フェ、フェナーラ…やだっ」
舌先で転がされ、歯で甘噛みをされキツく吸われる。もう片側は指でこね潰され、つめ先でひっかくように触られる。絶えず与えられる胸の刺激に体は切なく疼く。でもフェナーラに快感を教えられた体は、それだけでは満足できなくて、もっと強い刺激を欲しがる。
「やだじゃなくて、良いだろ?」
「んっ…あっ良いっ…良いからぁ!」
イかせてと言うのは気恥ずかしくて、濁したまま催促をする。
「じゃあ、このままでいいよな?」
「えっ…やぁっやだぁ」
「いやなのか?なら、どうして欲しいんだ?」
フェナーラは私の顔を覗き込んで聞く。何をして欲しいか分かりきっているはずなのに、それでも私に言わせようとする。かすかに残る理性が、答えることを躊躇わせる。でも、体に溜め込まれた熱が出口を求めてのたうち回り限界だった。
「ひあっ…い、イかせて」
羞恥で尻すぼみになりながらも、懇願するとフェナーラは満足気な笑を浮かべる。私の下半身を撫で、前側をくつろげ膨張し切った私自身を柔らかく握られる。そのまま上下にさすられる。
「いっ…あっあっ」
待ち望んでいた快楽に体が跳ね、無意識に腰が揺れる。フェナーラに親指で私の屹立の先端を撫でられれば、自身の先からカウパーが滲み出るのが分かった。胸の花もまたフェナーラの口に含まれ、甘噛みされると電流のように快感が駆け巡る。
「ひあっ…あっもうっ…フェナ、イッちゃっ」
「ああ。可愛くイく所、見せてくれ」
もう限界が近いことを告げると、フェナーラが私の耳介を甘噛みしながら淫靡に囁く。その声にすら興奮を覚えて、私は呆気なく達した。
* * *
キャビンでフェナーラにイかされた直後に、御者が申し訳なさそうなは「もうすぐ目的地に到着します」と言った。
目的地の伯爵邸に着くまでに急いで身なりを整えた。だが、情事の後で他人に見せられない顔になっていたのかフェナーラに「その顔を他のやつに見せるな」と言われ横抱きにされた。なので、私はフェナーラの胸に顔を埋めている。
「バナト待ってたぞ!」
私を抱え馬車から降りたフェナーラを歓迎する陽気な声が聞こえる。
「久しぶりだな、エイヴィアン。パーティーに招待してくれて、ありがとうな」
フェナーラの口調は砕けたものだったが、声はどことなく硬かった。
「まぁ、俺とお前の仲じゃないか!ところで、こちらの方は?」
エイヴィアンと呼ばれた男性がフェナーラの胸に顔を埋めている私に興味を移す。
「俺の伴侶のセラフだ。馬車に酔って体調を崩してしまって。明日のパーティーで改めて挨拶させてくれ」
フェナーラがさらりと嘘を吐く。馬車に酔ったのではなく、あなたがこんな状態にしたんじゃないですかと心の中で密かに毒づく。
「エステートからの長旅だし、気にしてないから気を遣わなくて大丈夫だ。それよりも、お前の伴侶ってあのセラフ様なのか?お前、すごいな」
どうやって口説き落としたのか明日教えろよ。とエイヴィアン伯爵がフェナーラに軽口を叩く。私に敬称をつけて呼ぶあたり、私がフェナーラの元にいる理由は知らないのだろう。
それにしても、伯爵の私を指す言い方は、好奇の色を感じた。
フェナーラは伯爵との話を丁度いい所で切り上げ、伯爵邸の執事に案内された客室に到着すると私を腕の中から解放した。
「随分と嘘がお上手で」
「商人だからな。嘘も方便って、嘘つかなきゃいけない場面なんて山ほどだからな」
私の嫌味をさらりと流し、そのまま言葉を続ける
「それより明日の日中、ご令嬢にネックガードを渡しに行く。その時にセラフの紹介もするから」
ご令嬢に私を紹介すると言われただけなのに、胸に抱えていたモヤモヤがすうっと晴れる。恋をすると人はこんなにも単純になるらしい。自分の単純さに呆れつつも、フェナーラに「分かりました」と返事をする。
「今日は疲れただろ?もう風呂に入って寝な」
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