スパダリ様は、抱き潰されたい

きど

文字の大きさ
17 / 51
はじまりは、あの日

17.嗚呼、なんて…

しおりを挟む
「……キス…して。」

俺の耳元で、躊躇いがちに消え入りそうな声で言う。肩を押し顔を覗き込むと、さっき、自分からしようとしていたのに、言葉にするのは恥ずかしかったのか伏目がちで視線を合わせてくれない。

「キスね。」
川奈さんの下唇を親指で撫で

「…っふ、んぁ…」
唇を重ね、舌で唇をこじ開け、舌を蹂躙し、歯列をなぞる。

「ふっ…んっ!」
息継ぎで口をずらしたタイミングで人差し指を差し込み舌を押すと川奈さんの唾液が指を伝いたらりと垂れる。

「舐めて。」
と言えば、目を閉じて親指を唇で包み込む。

「んっ…ふぅ」
川奈さんは顔を動かして、指の根本から先端まで唇で扱き上げる。
時折くすぐる様に舌を指に這わす。

好きな人が自分の指を咥えている艶かしい光景に下半身はズキズキと痛むくらい主張をする。
指を抜くと、ちゅぱっと吸い付く音を立てる。

「っん…」
口の端からだらしなく垂れている唾液に舌を這わせると、困った表情で声を押し殺す。

「ねぇ、川奈さん、次はどこ触って欲しいの?」
唾液で濡れた指を見せつける様に、自分の唇に触れる。
膝に座る川奈さんがお尻に力を入れたのを感じ、ほくそ笑む。

「……うしろ。」
これまた消え入りそうな声で言うが、これでは満足できない。

「うしろって、どこ?教えてよ。」
意地悪く聞くと、目が潤む。

「分かってるくせに、意地悪」

「川奈さんの口から聞きたいなぁ」

「………」
切なく腰を動かしているが、そこを言うのは憚る様で何か言おうとしては閉じを繰り返す。

「言うの恥ずかしかったら、体で教えて。」

助け船でそう言うと、川奈さんはおずおずと俺の手を掴み双丘の割れ目に導き「ここ」と言う。

「ここね。」

「んっ…そうっ」
パンツの上から割れ目の一点をグリグリ撫でると、川奈さんは何度も頷く。

「よいしょっ」
膝に座る川奈さんを抱き抱え、ベッドに運ぶ。

「うしろ触ってあげたいけど、パンツあるから直接触れないなぁ」
ベッドに座らせた川奈さんに対面する様に腰掛け言う。

すると川奈さんはボクサーパンツに手をかけ、腰を上げゆっくりと下げる。
窮屈さから解放された屹立は勢いよく飛び出し頭を天井までもたげる。
足をパンツから引き抜くと、一糸纏わぬ姿になる。恥ずかしそうに目を逸らす。

「よく出来ました。ご褒美にいっぱい触ってあげるね。」

そう言うと、膝裏を掴み体を折りたたむ様に足を持ち上げる。

「いやっ…」川奈さんが恥ずかしがって、手で双丘の割れ目を隠そうとする。

「だぁめ。隠すと触らないよ。」
と言うと渋々、手を引く。

割れ目の奥が良く見える様に足を更に持ち上げると、口を窄め固く閉ざしたピンクの蕾が眼前に晒される。


「やだぁ。…ダメぇ。」

「嫌だって言ってるけど、ここはもう欲しがって、ひくひくしてるじゃん。」
バイブの先端を含んでいる蕾は、ひくつきもっと奥深くまで飲み込もうとする。

「ちがっ…ダメっ…っや…」

少し押し込むだけで、指と同じ細さのバイブを根本まで容易く飲み込む。

「それじゃあ、素直になろうねぇ。」

「いやぁ…やぁっ、…んあっ」

バイブをピストンさせると、グジュ、ズチュッと卑猥な音があがる。
ギリギリまで引き抜くと、離したくないと蕾が収縮しすぼまる。

「…これは、やばいな」

俺が足を割開いているから閉じることができず、普段は人目に晒されることの無い部分が全て曝け出されている。
その扇状的な姿は、目に毒なほど刺激的で自身の屹立が痛いほど張り詰める。

「やっ…ふっ…あっあっあっ」
バイブで奥を何度か突けば、それに合わせて甲高い声を上げ、屹立からも欲望が漏れ出て引き締まった腹を汚す。

「川奈さん、先走りこんなに漏らして、はしたないなぁ。」

蕾への刺激は辞めずに、欲望で先端をテラテラ光らせる屹立を握り先端を親指で押す。

「…言わっ…、ないでぇ」
恥ずかしがって顔を手で覆う。

「隠さない。やらしいこと言われて、恥ずかしがってる顔見たい。みせて。」

手を剥ぎ取り顔を覗き込む。
どんな顔も全部見たい。そんな顔を俺がさせてるって思わせて。

「かわいい。あぁ、ほんと好き。大好き。」

恥ずかしくて涙を溢しているのを見て、考える前に本音が溢れだす。

「んっ…!」
俺の言葉を聞いて川奈さんの蕾がバイブを締め付ける力が更に強くなる。

「川奈さん、ここ締め付けキツくなったけど、もうイキそう?こんな細いバイブでイッちゃうなんて淫乱だね。」

グジュグジュと、わざと音をたてる様にバイブを動かす。

「…ちがうっ…やぁ…いれてよぉ」
と俺を強請ってくる。

くそ、可愛いな。

とつい挿れそうになる衝動を抑え、バイブで前立腺をトントンと刺激する。

「今日は、バイブでイクとこ見せてね。」

気持ちを認めてもらうまでは、抱かない。
触るだけと自分にも言い聞かせる様に言
う。

「ひあっ…はぁっ、やぁっ…イク、イッちゃう。…ダメっ!」
声を合図に、そこをさらに刺激すると、川奈さんの屹立が欲望を爆ぜさせ、色白の胸元や腹に白濁を撒き散らす。

「っん…っあ」
バイブを深く飲み込むたびに、はしたなく屹立から残滓がこぼれる。

出し切った頃合いを見て、バイブをゆっくり抜くと名残り惜しそうに蕾がひくつき、俺を煽る。

誘って、強請って、無意識に欲しがる癖に気持ちは要らないと言う彼をどんな言葉で表わせばいいだろう。

酔っている状態で、達したことでアルコールが更に回った川奈さんは、そのまま寝入ってしまった。

今なら挿れてもバレないぞという悪魔の囁きに負けそうになりつつも、川奈さんの身なりを整える。
流石に、下半身が主張している状態では眠れないので、シャワーを浴びながら自分を慰める。シャワーを終えると、パジャマはないので下着だけつけてベッドに入り、これくらいは許されるかなと川奈さんを抱きしめる。
サラサラの黒髪を手で漉く様に撫でる。

すると川奈さんが寝言で、「りょうへい…」と他の男の名前を呼ぶ。

俺の腕の中で眠っているのに…なんて、残酷な人なんだろう。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる

水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。 「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」 過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。 ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。 孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。

ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学で逃げ出して後悔したのに、大人になって再会するなんて!?

灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。 オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。 ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー 獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。 そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。 だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。 話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。 そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。 みたいな、大学篇と、その後の社会人編。 BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!! ※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました! ※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました! 旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」

カメラ越しのシリウス イケメン俳優と俺が運命なんてありえない!

野原 耳子
BL
★執着溺愛系イケメン俳優α×平凡なカメラマンΩ 平凡なオメガである保(たもつ)は、ある日テレビで見たイケメン俳優が自分の『運命』だと気付くが、 どうせ結ばれない恋だと思って、速攻で諦めることにする。 数年後、テレビカメラマンとなった保は、生放送番組で運命である藍人(あいと)と初めて出会う。 きっと自分の存在に気付くことはないだろうと思っていたのに、 生放送中、藍人はカメラ越しに保を見据えて、こう言い放つ。 「やっと見つけた。もう絶対に逃がさない」 それから藍人は、混乱する保を囲い込もうと色々と動き始めて――

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

わがまま放題の悪役令息はイケメンの王に溺愛される

水ノ瀬 あおい
BL
 若くして王となった幼馴染のリューラと公爵令息として生まれた頃からチヤホヤされ、神童とも言われて調子に乗っていたサライド。  昔は泣き虫で気弱だったリューラだが、いつの間にか顔も性格も身体つきも政治手腕も剣の腕も……何もかも完璧で、手の届かない眩しい存在になっていた。  年下でもあるリューラに何一つ敵わず、不貞腐れていたサライド。  リューラが国民から愛され、称賛される度にサライドは少し憎らしく思っていた。  

嫁がされたと思ったら放置されたので、好きに暮らします。だから今さら構わないでください、辺境伯さま

中洲める
BL
錬金術をこよなく愛する転生者アッシュ・クロイツ。 両親の死をきっかけにクロイツ男爵領を乗っ取った叔父は、正統な後継者の僕を邪魔に思い取引相手の辺境伯へ婚約者として押し付けた。 故郷を追い出された僕が向かった先辺境グラフィカ領は、なんと薬草の楽園!!! 様々な種類の薬草が植えられた広い畑に、たくさんの未知の素材! 僕の錬金術師スイッチが入りテンションMAX! ワクワクした気持ちで屋敷に向かうと初対面を果たした辺境伯婚約者オリバーは、「忙しいから君に構ってる暇はない。好きにしろ」と、顔も上げずに冷たく言い放つ。 うむ、好きにしていいなら好きにさせて貰おうじゃないか! 僕は屋敷を飛び出し、素材豊富なこの土地で大好きな錬金術の腕を思い切り奮う。 そうしてニ年後。 領地でいい薬を作ると評判の錬金術師となった僕と辺境伯オリバーは再び対面する。 え? 辺境伯様、僕に惚れたの? 今更でしょ。 関係ここからやり直し?できる? Rには*ついてます。 後半に色々あるので注意事項がある時は前書きに入れておきます。 ムーンライトにも同時投稿中

【BL】正統派イケメンな幼馴染が僕だけに見せる顔が可愛いすぎる!

ひつじのめい
BL
αとΩの同性の両親を持つ相模 楓(さがみ かえで)は母似の容姿の為にΩと思われる事が多々あるが、説明するのが面倒くさいと放置した事でクラスメイトにはΩと認識されていたが楓のバース性はαである。  そんな楓が初恋を拗らせている相手はαの両親を持つ2つ年上の小野寺 翠(おのでら すい)だった。  翠に恋人が出来た時に気持ちも告げずに、接触を一切絶ちながらも、好みのタイプを観察しながら自分磨きに勤しんでいたが、実際は好みのタイプとは正反対の風貌へと自ら進んでいた。  実は翠も幼い頃の女の子の様な可愛い楓に心を惹かれていたのだった。  楓がΩだと信じていた翠は、自分の本当のバース性がβだと気づかれるのを恐れ、楓とは正反対の相手と付き合っていたのだった。  楓がその事を知った時に、翠に対して粘着系の溺愛が始まるとは、この頃の翠は微塵も考えてはいなかった。 ※作者の個人的な解釈が含まれています。 ※Rシーンがある回はタイトルに☆が付きます。

伯爵家次男は、女遊びの激しい(?)幼なじみ王子のことがずっと好き

メグエム
BL
 伯爵家次男のユリウス・ツェプラリトは、ずっと恋焦がれている人がいる。その相手は、幼なじみであり、王位継承権第三位の王子のレオン・ヴィルバードである。貴族と王族であるため、家や国が決めた相手と結婚しなければならない。しかも、レオンは女関係での噂が絶えず、女好きで有名だ。男の自分の想いなんて、叶うわけがない。この想いは、心の奥底にしまって、諦めるしかない。そう思っていた。

処理中です...