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はじまりは、あの日
18.辛い仮説
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ぼんやりと室内が徐々に明るくなり朝がきたことを告げる。
川奈さんの寝顔をずっと眺めていたい欲求を断ち切り、二日酔いでも食べられそうな、おかゆを朝ごはん用に作り置きをしてから仕事のために帰路についた。
りょうへいって誰だ?
昨晩からずっと答えの出ない疑問が頭をグルグル巡り一睡もできなかった。
「はぁ…」気づいたら溜め息が出ていた。
「随分大きい溜め息だね。何かあった?」支店長が心配そうに聞いてくる。
本当に、この人は、面倒見がいい。
「昨日、寝付きがよくなくて、体が少し重怠くて。心配してくれてありがとうございます。…そういえば、一昨日多田くんと揉めてたみたいですけど、何かあったんですか?」
流石に上司に、
好きな人が他の男の名前呼んでてナーバスです。
なんて相談はできないので、別の話題に切り替える。
「あー、あの時は迷惑かけてごめんね。」
一昨日、多田君を追った支店長は結局戻ってこなくて、俺がスペアキーで店舗の鍵を閉めたことを言っているのだろう。
「うーん、なんていうか生活指導でキツく言い過ぎちゃったみたいでさ。」
と支店長は、少し言い辛そうに話す。
面倒見がいいと思っていたが、まさか学校の先生みたいなことをしているとは驚きだ。
「支店長、本当いい人ですよね。」
と素直に思ったことを口に出すと
「そんなことないよ。」
と支店長はぶんぶん手を振り、何故か否定する。
よくわからないが、あんまり追及して欲しくはなさそうなので、そっとしておくことにした。
仕事で動いていたら、多少は気が紛れるから今日が出勤日で良かった。
休みだったら、考えすぎて負のループにはまっていただろう。
自宅のベッドで横になり、そう思った。
とりあえず、俺なりに、"りょうへい"について仮説をたててみた。
1.友達もしくは知り合い、
2.元カレ
3.セフレ
願わくば1か2であって欲しい。
でも、恋人は作らないと言っていた事を考えると、川奈さんだって性欲はあるから3の可能性も否定できない。
もしそうだとしたら、嫉妬で狂う。と自分の仮説に凹み、はたと思った。
俺と川奈さんの関係性って?と。
仕事の関係者?でも、プライベートでも会ってるし、なんなら肉体関係もある。
恋人ではないのは確かだけど。
うーんと考え、嫌な結論に達しそうになり頭を振り思考を飛ばす。
とりあえず、その結論を肯定しないためにも、川奈さんと爛れた関係にならない様にしようと改めて心に決めた。
そして、普通のデートに誘おうと思い携帯を手に取ると通知が入る。
「明後日会えない?」と俺を悩ませ、翻弄する愛しい人からのお誘いだった。
川奈さんの寝顔をずっと眺めていたい欲求を断ち切り、二日酔いでも食べられそうな、おかゆを朝ごはん用に作り置きをしてから仕事のために帰路についた。
りょうへいって誰だ?
昨晩からずっと答えの出ない疑問が頭をグルグル巡り一睡もできなかった。
「はぁ…」気づいたら溜め息が出ていた。
「随分大きい溜め息だね。何かあった?」支店長が心配そうに聞いてくる。
本当に、この人は、面倒見がいい。
「昨日、寝付きがよくなくて、体が少し重怠くて。心配してくれてありがとうございます。…そういえば、一昨日多田くんと揉めてたみたいですけど、何かあったんですか?」
流石に上司に、
好きな人が他の男の名前呼んでてナーバスです。
なんて相談はできないので、別の話題に切り替える。
「あー、あの時は迷惑かけてごめんね。」
一昨日、多田君を追った支店長は結局戻ってこなくて、俺がスペアキーで店舗の鍵を閉めたことを言っているのだろう。
「うーん、なんていうか生活指導でキツく言い過ぎちゃったみたいでさ。」
と支店長は、少し言い辛そうに話す。
面倒見がいいと思っていたが、まさか学校の先生みたいなことをしているとは驚きだ。
「支店長、本当いい人ですよね。」
と素直に思ったことを口に出すと
「そんなことないよ。」
と支店長はぶんぶん手を振り、何故か否定する。
よくわからないが、あんまり追及して欲しくはなさそうなので、そっとしておくことにした。
仕事で動いていたら、多少は気が紛れるから今日が出勤日で良かった。
休みだったら、考えすぎて負のループにはまっていただろう。
自宅のベッドで横になり、そう思った。
とりあえず、俺なりに、"りょうへい"について仮説をたててみた。
1.友達もしくは知り合い、
2.元カレ
3.セフレ
願わくば1か2であって欲しい。
でも、恋人は作らないと言っていた事を考えると、川奈さんだって性欲はあるから3の可能性も否定できない。
もしそうだとしたら、嫉妬で狂う。と自分の仮説に凹み、はたと思った。
俺と川奈さんの関係性って?と。
仕事の関係者?でも、プライベートでも会ってるし、なんなら肉体関係もある。
恋人ではないのは確かだけど。
うーんと考え、嫌な結論に達しそうになり頭を振り思考を飛ばす。
とりあえず、その結論を肯定しないためにも、川奈さんと爛れた関係にならない様にしようと改めて心に決めた。
そして、普通のデートに誘おうと思い携帯を手に取ると通知が入る。
「明後日会えない?」と俺を悩ませ、翻弄する愛しい人からのお誘いだった。
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