スパダリ様は、抱き潰されたい

きど

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はじまりは、あの日

19.可愛い嫉妬 ※1/22 追加

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悩んでモヤモヤしてても、好きな人からの誘いを断れない俺の意思の弱さが憎い。

先程まで仕事で来ていた川奈さんの自宅に、今度はプライベートでお邪魔している。
川奈さんもついさっき帰ってきたばかりで、まだスーツ姿だ。

「はい、これ」
とネクタイを緩める川奈さんから服を渡される。ひろげると、川奈さんのパーカーとスウェットと同じものだけど、サイズが少し大き目のものだった。

「川奈さんのサイズにしては大きくないですか?」と聞くと

「それ、田浦くん用だよ。」と返される。

「俺用?」

「うん。この間泊まったとき寝巻きなかったでしょ?だからね。」

前回あれだけ泥酔していたのに、そういうとこきちんと見てるあたり、さすが出来る男だよな。と思う。

「ありがとうございます!早速着てもいいですか?」

「うん。」

返事を聞いてから、私服のカットソーとジーンズを脱ぐ。
着替えている最中、川奈さんも自分の身なりを整えていく。

二人とも同じ格好になり、これってお揃いじゃん。なんか、カップルっぽい。
と心の中ではしゃぐ。

緩みそうになる顔に力を入れて
「夜ご飯まだですよね?何か作りますよ」
と声をかける。

「折角だからゆっくりしたいから、冷蔵庫の中の作り置き温めるかな。田浦くんもご飯まだでしょ?一緒に食べよう。」
そう答え、冷蔵庫からタッパーを取り出した。

「意外でした。川奈さんって人参嫌いなんですね。」

食事の時、肉じゃがの人参を全部俺の皿に盛り付けていたのが、意外な一面を見られた気がして嬉しくなる。声が弾んでいるのが自分でも分かった。

「うん。カレーとか人参の味がわからなかったら食べられるけど、それ以外はちょっとね。」
と川奈さんに膝枕してもらっている俺の頭を撫でながらいう。

時折、顎のラインや耳をサラリとなぞられ、ズクンと体がうずきそうになる。
それを誤魔化すみたいにテレビに流れる映画を見ているフリをする。

「川奈さん、こういう映画好きなんですか?」
内容はありきたりな恋愛ものだが、激しめのベッドシーンがあることで上映当時は話題になっていた。

「あんまり、恋愛系のジャンルは見ないかな。これは、職場の同期にオススメされたんだよね。にしても、激しいね。」

いつもと変わらぬ口調で淡々と言う。
画面一杯に激しく愛し合うシーンが映る。
女性の半裸が惜しげもなく晒されている映像は、少し前の俺なら釘付けになっていただろう。

でも、今は川奈さんの匂いや、手の感触ばかりに気がいってしまい、正直映画の内容なんて分かっていない。

スウェットに着替えていて良かった。
ジーンズだったら下半身が反応していることがバレたに違いない。

「職場の人もすごい映画勧めてきますね。」

「俺に浮ついた話がないから忙しくて性欲死んでるって勘違いしてるみたいで、これ見たら元気になるぞって言ってたんだ。でも、これじゃ性欲湧かないけどね。」
顔は見えないけど、苦笑いしていることが想像できた。

「これだけ濡れ場があったら、大抵の男は元気になりますね。」

「……」
俺の言葉に川奈さんが黙ってしまい、不思議に思い下から伺うと、冷ややかな視線が向けられていた。

え?俺、何か地雷踏んだか?と焦っていると

「田浦くんも元気になってるもんね。」
と面白くなさそうに言う。

いつもなら、ここぞとばかりに揶揄ってこっちの反応を見て楽しみそうなのに。

「…これは、生理現象なので。」
と川奈さんに欲情していたことを悟られない様に取り繕い、体を起こす。

「生理現象ね…。」
と呟くと、川奈さんはソファに座る俺の足元に移動する。

そして、俺のスウェットとパンツを引き下ろす。ゆるく勃ちあがっていたものが、川奈さんの眼前に晒される。

「川奈さん、ちょっと待って」
と俺の静止を無視して、川奈さんが俺のものを口に含む。

ジュルッヂュプッと音をたてながら頭を上下に動かし、裏筋や、先端の傘の部分に舌が這わされる。

しかも、「…ん、っふ」口に含みながら声を漏らし、サイドの髪を耳にかけて首を傾げ咥えているのを見せつけてくる。

物理的刺激と、視聴覚への煽りによって、屹立は膨張し、完全に勃ちあがってしまう。

「…んっ…ふうっ」

漏れ出る川奈さんの声とヂュプッヂュプッという卑猥な音が鼓膜を震わせ、俺の息遣いもどんどん荒くなる。

「くっ…川奈さん、離して、ねぇ」

と顔を離そうとすると、ジュルッとわざと音を上げ吸いつかれる。そして、ゆっくりと口からこぼれ落とし、顔をあげると

「俺にされるの嫌?」
と何故か不機嫌に聞かれる。

「嫌じゃない。むしろ、嬉しいけどっ…つっ」

俺が言いおわる前にまた口に含まれる。

「…んっんっ」

ヂュプッヂュプッと煽情的な音が室内に響く。
川奈さんの唾液と俺の先走りで根本の陰毛が濡れテラテラと光っている。
生暖かい口内で柔らかな舌が弱い部分を的確に刺激していけば、屹立の限界まで膨れ上がった熱が出口を求め暴れ回る。

「っは…川奈さん、もうイきそうだから、口離して。」そう言うと、

「んっ…ふっ」更に激しく舐め扱かれ、

「くっ…」川奈さんの口内に熱を放つ。

残滓を絞り出す様に口を窄め根本から先端まで扱き上げてから、顔を上げ俺の白濁の欲望をごくりと飲み下した。

「…飲んだの?」
まさか飲むとは思わず唖然として聞く。

「うん。」
と返事をすると舌を出して、達したばかりで立ち上がったままのそれに、這わせる。

キレイに舐めとるみたいに根本から先端にむかって舐めてから、上目遣いでこちらを見て

「気持ちよかった?」と満足気に質問をしてくる。
どうやら、機嫌は直った様だ。

「気持ちよかったよ。」

上手くてムカついたという言葉は飲み込む。
初めてじゃないことは抱いた時から分かっていたが、いざ経験値の高さを見せつけられると、過去の男達への嫉妬がとめられない。

足元の川奈さんを抱き上げ背中に手を回しギュッと力を入れる。

「どうしたの?」と優しく聞かれ

「少し甘えさせて。」と首筋に顔を埋めた。

「うん。珍しいね」くすぐったそうに笑い、
俺の腕の中にすっぽり収まっている。

「田浦くんも女の裸を見ると、やっぱり興奮するんだね。」と俺の胸あたりを指でツンツンしながら見当違いのことを言う。

あれ?もしかして、不機嫌だったのって濡れ場のシーンで勃ったと思ったから?

と思うと妬いてくれた事が嬉しくて、腕の中にいる川奈さんがますます愛おしくなる。

「そりゃ男ですから。でも、今日は女体なんか気にしてる余裕なかったよ。」
素直に告げると、 

「誤魔化さなくても、大丈夫だよ。」とあまり取り合ってくれない。

「好きな人の膝枕で気持ちが昂りすぎて、女優の裸なんて目に入らなかった。」敢えてオブラートに包まず言えば

「……よかった。」と蚊の鳴くような声で安堵した様にポツリと漏らす。

そして微妙に腰をムズムズさせているのに気づき、俺の気持ちは更に昂る。

「ねえ、俺の舐めて興奮したの?」
と股の間に触れて耳元で囁く。

「ちがっ…生理現象だから。」
俺と同じ苦しい言い訳をするので、

「まあ、そういうことにしといてあげる。」と言い川奈さんをソファに横たえる。

「今日は、最後までする?」
と川奈さんが色っぽく上気した顔で誘ってくる。

最後までしたい。抱きたくて堪らない。
が、体の繋がりだけが欲しい訳じゃない。
心も全部俺に向けて欲しい。

「さっき川奈さんがフェラしてくれたから、俺もするね。」

川奈さんのスウェットを下着ごと剥ぎ取り膝裏を持ち上げ足を開く。
そうすると、双丘の割れ目から鮮やかなピンク色をした蕾が顔を出す。
これは、抜きあいっこで触るだけと自分に見苦しい言い訳をして、舌先でそこの輪郭をなぞる。

「やっ…待って。んっ…そんなとこダメ」

と川奈さんが頭を押し返そうと抵抗するが、舌を尖らせて蕾の口を押し開くと、

「やっ…やぁ」と抵抗が少し弱まる。

「あっ…っはぁ」
少しずつ開いてきた蕾の中に舌先を差し込み、形に沿って舌を動かす。

すると、より強い刺激が欲しいと、蕾がひきつき舌を締め付けようとする。

「ふっ…あっ、あっ」

欲しがる蕾に中指をゆっくり埋めていく。すんなり根本まで飲み込み指をみっちり締め付ける。
壁を指の腹で擦り、円を描く様に動かし少しずつ解していく。
刺激に従順な川奈さんの屹立もしっかり硬くなり腹につきそうな程反り返っている。

「川奈さん、好きだよ。」と目を見て伝え、

「あっ…えっ…やぁ」

そのままゆっくり頭を下半身の方へもっていき、視線を合わせたまま屹立を口に含む。

「くっ…うあっ、はあ」

青臭さを味わいながら、川奈さんがやった様に口を窄め扱き、舌で傘の窪み部分や、膨張して浮き出た血管をなぞると声がどんどん甘くなる。

「ひっ…あっ…やぁ」手も止めず、蕾の中の掻き回し、川奈さんが弱い部分わトントンと刺激すれば、口の中の屹立がピクリと反応し先走りが垂れる。先端の凹みを舌先でつつくと、更に溢れだしてくる。

「やぁ、…イく…イッちゃう…あっあ"っ」

弱い部分を執拗に刺激すると、指を締め付けより深く飲み込もうとする。
また足もビクビクと痙攣し限界が近いことを教える。屹立に吸い付き、

頭を激しく動かせば溜め込んだ熱を爆ぜさせる。顔を上向きにし、口内にある欲望を喉元に落としてから飲み下す。
粘性の体液が、ゆっくり喉を通っていくのが分かった。

「…マズイ…でしょ?」
と肩で息をした川奈さんが聞いてくる。

「うん。でも、川奈さんのなら大丈夫」
チュッと頬にキスをする。

「なにそれ」
と川奈さんが可笑しそうにいい顔を横向きにして、俺の唇に啄むキスをする。

「川奈さんの事、大好きだからね。」と伝え、角度を変え何度も何度もキスをした。





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