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【Doll Master】⑩
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そのDoll Masterの狂気を孕んだ眼に思わず心が挫けかけたが、そっと幕の奥で動く影にハッと意識を集中させる。
(…そうだった。今回、俺は一人じゃない。俺には頼もし過ぎる仲間がいたんだったな。“あいつ”が動いてるなら――俺は俺に出来る事をするだけだ!)
逃げ出したがる心を何とか立て直し、半ばやけくそ気味に、挑むように睨み付ける。
そんな快斗に少し驚いた表情を見せたDoll Masterだったが、すぐにそれは嬉しそうな笑みへと変わった。
「ふふふ…良いね。最高だ!今までの『doll』達は、私を前にすると皆一様に私に怯え、逃げ惑う者ばかりだった。だが、君は彼らとは違う。怯えるどころか、立ち向かってくるその瞳…私の眼に狂いは無かったようだ。喜びたまえ、君は私のお気に入りになるだろう」
「ふんっ!それは光栄だことで。だが、俺はそう簡単にはお前の物にはならねぇぜ。Doll Master…今日がお前の最後だ!」
タイミングを誤らぬよう、慎重に所定の場所にそうとは気づかせないスピードでゆっくりと下がって行く。
「その強気な態度も気に入った。ああ、今から待ち遠しいよ。君をどう飾ろうか――」
快斗の様子に気づく事なく、Doll Masterは嬉々として話を続けている。
Doll Masterはひとしきり賛辞を述べていたが、やがて満足したのか漸く快斗の様子に気づいた。
「ふむ…先程と少しだけ立ち位置が違っているね。ふふふ、私を捕らえる為の何かを企んでいるのかな?」
「っ!…あんたの気色悪い冗談にも飽きてきたんでね。あんまり長いもんだから、帰ろうかと思ったぜ。ったく、相手を退屈させるなんて紳士失格だな」
もう少し話していれば良いものを…と内心、舌打ちでもしたい快斗だったが、それを相手に気付かれぬように疲れたように首を降る。
一方のDoll Masterは、快斗の皮肉を交えた言葉にも意を返さず機嫌良く笑う。
「ああ、それは失礼した。君があまりに素晴らしかったもので、私も興奮していたみたいだ。残りは、君を連れ帰ってからにしよう」
「だから、気色悪い事言うな!それに俺は行かねぇって!」
そう快斗が叫ぶが、Doll Masterの中では決定事項らしく全く取り合ってもらえない。
若干イライラしていると、Doll Masterが店の壁に掛かっている時計を見ているのに気づいた。
「ああ、君の最後の足掻きを見てみたいが、そうだな。時間もないことだし…遊びはここまでにしよう」
そう言うと、Doll Masterはおもむろに右手を快斗の方へ向けてくる。たったそれだけなのに、快斗はDoll Masterからとんでもない威圧感を感じた。
それと同時に、快斗の身体が何かとても強い力に押さえつけられたかのように動かなくなる。
「ぐっ…」
「ああ、君は自我が強いみたいだから、今の状態は苦痛だろう。少し手荒な真似になる事を許してくれ。だが、心配することはない。私が触れれば――その苦痛もなくなる」
そしてDoll Masterは怪しい笑みを浮かべ、ゆっくりと右手を快斗に向けたまま近づいてくる。
「く…そ…」
「さぁ、行こうか。君の居場所へ。私の新しい『Doll』?」
どうにか逃れようともがく快斗に、Doll Masterが触れようとした、その時――。
「ああ、連れていってやるよ…。冷たい監獄へな!!」
どこか快斗に似ている、清涼感のある凛とした声が響いた。
(…そうだった。今回、俺は一人じゃない。俺には頼もし過ぎる仲間がいたんだったな。“あいつ”が動いてるなら――俺は俺に出来る事をするだけだ!)
逃げ出したがる心を何とか立て直し、半ばやけくそ気味に、挑むように睨み付ける。
そんな快斗に少し驚いた表情を見せたDoll Masterだったが、すぐにそれは嬉しそうな笑みへと変わった。
「ふふふ…良いね。最高だ!今までの『doll』達は、私を前にすると皆一様に私に怯え、逃げ惑う者ばかりだった。だが、君は彼らとは違う。怯えるどころか、立ち向かってくるその瞳…私の眼に狂いは無かったようだ。喜びたまえ、君は私のお気に入りになるだろう」
「ふんっ!それは光栄だことで。だが、俺はそう簡単にはお前の物にはならねぇぜ。Doll Master…今日がお前の最後だ!」
タイミングを誤らぬよう、慎重に所定の場所にそうとは気づかせないスピードでゆっくりと下がって行く。
「その強気な態度も気に入った。ああ、今から待ち遠しいよ。君をどう飾ろうか――」
快斗の様子に気づく事なく、Doll Masterは嬉々として話を続けている。
Doll Masterはひとしきり賛辞を述べていたが、やがて満足したのか漸く快斗の様子に気づいた。
「ふむ…先程と少しだけ立ち位置が違っているね。ふふふ、私を捕らえる為の何かを企んでいるのかな?」
「っ!…あんたの気色悪い冗談にも飽きてきたんでね。あんまり長いもんだから、帰ろうかと思ったぜ。ったく、相手を退屈させるなんて紳士失格だな」
もう少し話していれば良いものを…と内心、舌打ちでもしたい快斗だったが、それを相手に気付かれぬように疲れたように首を降る。
一方のDoll Masterは、快斗の皮肉を交えた言葉にも意を返さず機嫌良く笑う。
「ああ、それは失礼した。君があまりに素晴らしかったもので、私も興奮していたみたいだ。残りは、君を連れ帰ってからにしよう」
「だから、気色悪い事言うな!それに俺は行かねぇって!」
そう快斗が叫ぶが、Doll Masterの中では決定事項らしく全く取り合ってもらえない。
若干イライラしていると、Doll Masterが店の壁に掛かっている時計を見ているのに気づいた。
「ああ、君の最後の足掻きを見てみたいが、そうだな。時間もないことだし…遊びはここまでにしよう」
そう言うと、Doll Masterはおもむろに右手を快斗の方へ向けてくる。たったそれだけなのに、快斗はDoll Masterからとんでもない威圧感を感じた。
それと同時に、快斗の身体が何かとても強い力に押さえつけられたかのように動かなくなる。
「ぐっ…」
「ああ、君は自我が強いみたいだから、今の状態は苦痛だろう。少し手荒な真似になる事を許してくれ。だが、心配することはない。私が触れれば――その苦痛もなくなる」
そしてDoll Masterは怪しい笑みを浮かべ、ゆっくりと右手を快斗に向けたまま近づいてくる。
「く…そ…」
「さぁ、行こうか。君の居場所へ。私の新しい『Doll』?」
どうにか逃れようともがく快斗に、Doll Masterが触れようとした、その時――。
「ああ、連れていってやるよ…。冷たい監獄へな!!」
どこか快斗に似ている、清涼感のある凛とした声が響いた。
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