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【忍び寄る魔の手】⑧
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諸々の食事の準備も終わった頃、千秋が言った。
「あ、そういや新一君、久神君。1週間後って何か用事ある?」
「え、1週間後?特に何も無いけど…」
「うーん、俺も特には用事無いなぁ」
丁度今日から夏休みであり、今回の事もあって派手な行動は厳禁とされている。つまり、何時もの如く事件のお手伝い、とかも出来ないので基本暇なのだ。
快斗に至っては、そもそもターゲットとして狙われてる以上、何処にでも警官が着いてくるので現在怪盗業は休業中だし、それに向けて動くのも躊躇われる状態。
つまり、二人してかなり暇なのだ。
すると、それを聞いた千秋の顔がニヤァと不気味に笑った。
「そっかそっか、二人とも暇なのか。じゃあさ、新一君、久神君。1週間後、ちょっとあたし達に付き合ってくれない?」
「ん?別に用事も無いし、いいよ」
「え、俺も?うーん、まいっか」
千秋の笑みに何か不気味なものを感じつつ、特に用事がなかった二人は結局OKした。
「で、付き合うって何するんだ?荷物持ちか?」
「げっ」
「そんな嫌そうな顔しないでよ、久神君」
嫌そうな顔の快斗に笑いつつ、千秋は説明していく。
「あ、荷物持ちってのもあるけど、本当の狙いは違うわ。あのね、1週間後は新しく出来たプラネタリウム館の初観覧日なのよ!うちの家が出資した事もあって、そのプレミアムチケットが手に入ってさ。どうせなら皆で見に行こうって話になったの。だから、新一君達も一緒にどうかと思って」
「千秋から勧められてパンフレット見たけど、メインの夜空の星以外も、各国の日中の風景とかも見られるって学校でも話題だった場所なのよ」
「愛子も千秋ちゃんにチケット貰ったんだ。季節事の星座とか、日本じゃ中々見られない空の風景とかあって、すっごく綺麗なんだって!」
「私は用事で行けないけれど、楽しんできたら良いんじゃなくて?」
千秋はそう簡単に言うが、社長令嬢といえどプレミアチケットなんてそうそう取れるものではない。
どうやら、最近鬱屈しているであろう二人を見て、気晴らしにと態々チケットを取ってくれたらしい。
そんな気配り上手な彼女は学校でそれなりにモテるのだが、何故か彼氏を作らないと不思議がられている。
「へえ、プラネタリウムか。良いな、それ」
「俺も気になってた所だし、行く行く!」
そんな千秋に感謝しつつ、新一達もプラネタリウム館へ行くことになったのだ。
そこへ、凜が小さな声で新一に話し掛けた。
「ねえ、新一。その、お願いなんだけど…羽鳥君も呼んで欲しいんだ。私達が誘っても断られそうだし、新一なら来てくれるかもしれないから」
「羽鳥?別に良いけど……何で?」
凜のいきなりのお願いに、つい眉を潜めてしまう。
まさか、凜は羽鳥の事が……?
いきなり不機嫌になった新一に慌てたように、凜は理由を言った。
「あのね、多分なんだけど……千秋が羽鳥君の事気になってるのよ。私達の為にチケットも取ってくれたし、ちょっと驚かせたくて。内緒よ?」
「あの千秋が羽鳥の事を!?」
同い年とはいえ、見た目は完全に小学生だ。千秋は面食いだと思ってたのに。………あいつショタコンだったのか。
そんな新一の考えが顔に出ていたらしい。慌てて凜が否定する。
「違うわよ!千秋が面食いなの知ってるでしょ!そうじゃなくて、前に引ったくり犯から助けてくれたじゃない?『次あっても、俺が守ってやるよ』って言われて嬉しそうだったけど、その時から、異様に羽鳥君の話題が多くなって。だからもしかしてと思ったのよ。ほら、羽鳥君って千秋の回りにいないタイプだし」
確かに、可愛い見た目と違ってかなり男前な中身が違う羽鳥は、千秋の周りにはいないタイプだろ。
そっか、羽鳥のそのギャップに堕ちたのか。
まあ、悪い奴じゃないし千秋の恋心を応援しても良い相手だろうと、二つ返事で了承したのだった。
こんな面白そうな事、滅多に見れねぇだろうし。絶対に連れていかねぇとな。
そうウキウキの新一は気づかない。
端から見たら、完全にトリプルデートになっていることを。
それを計画した千秋が、にんまりと笑っていることを。
「あ、そういや新一君、久神君。1週間後って何か用事ある?」
「え、1週間後?特に何も無いけど…」
「うーん、俺も特には用事無いなぁ」
丁度今日から夏休みであり、今回の事もあって派手な行動は厳禁とされている。つまり、何時もの如く事件のお手伝い、とかも出来ないので基本暇なのだ。
快斗に至っては、そもそもターゲットとして狙われてる以上、何処にでも警官が着いてくるので現在怪盗業は休業中だし、それに向けて動くのも躊躇われる状態。
つまり、二人してかなり暇なのだ。
すると、それを聞いた千秋の顔がニヤァと不気味に笑った。
「そっかそっか、二人とも暇なのか。じゃあさ、新一君、久神君。1週間後、ちょっとあたし達に付き合ってくれない?」
「ん?別に用事も無いし、いいよ」
「え、俺も?うーん、まいっか」
千秋の笑みに何か不気味なものを感じつつ、特に用事がなかった二人は結局OKした。
「で、付き合うって何するんだ?荷物持ちか?」
「げっ」
「そんな嫌そうな顔しないでよ、久神君」
嫌そうな顔の快斗に笑いつつ、千秋は説明していく。
「あ、荷物持ちってのもあるけど、本当の狙いは違うわ。あのね、1週間後は新しく出来たプラネタリウム館の初観覧日なのよ!うちの家が出資した事もあって、そのプレミアムチケットが手に入ってさ。どうせなら皆で見に行こうって話になったの。だから、新一君達も一緒にどうかと思って」
「千秋から勧められてパンフレット見たけど、メインの夜空の星以外も、各国の日中の風景とかも見られるって学校でも話題だった場所なのよ」
「愛子も千秋ちゃんにチケット貰ったんだ。季節事の星座とか、日本じゃ中々見られない空の風景とかあって、すっごく綺麗なんだって!」
「私は用事で行けないけれど、楽しんできたら良いんじゃなくて?」
千秋はそう簡単に言うが、社長令嬢といえどプレミアチケットなんてそうそう取れるものではない。
どうやら、最近鬱屈しているであろう二人を見て、気晴らしにと態々チケットを取ってくれたらしい。
そんな気配り上手な彼女は学校でそれなりにモテるのだが、何故か彼氏を作らないと不思議がられている。
「へえ、プラネタリウムか。良いな、それ」
「俺も気になってた所だし、行く行く!」
そんな千秋に感謝しつつ、新一達もプラネタリウム館へ行くことになったのだ。
そこへ、凜が小さな声で新一に話し掛けた。
「ねえ、新一。その、お願いなんだけど…羽鳥君も呼んで欲しいんだ。私達が誘っても断られそうだし、新一なら来てくれるかもしれないから」
「羽鳥?別に良いけど……何で?」
凜のいきなりのお願いに、つい眉を潜めてしまう。
まさか、凜は羽鳥の事が……?
いきなり不機嫌になった新一に慌てたように、凜は理由を言った。
「あのね、多分なんだけど……千秋が羽鳥君の事気になってるのよ。私達の為にチケットも取ってくれたし、ちょっと驚かせたくて。内緒よ?」
「あの千秋が羽鳥の事を!?」
同い年とはいえ、見た目は完全に小学生だ。千秋は面食いだと思ってたのに。………あいつショタコンだったのか。
そんな新一の考えが顔に出ていたらしい。慌てて凜が否定する。
「違うわよ!千秋が面食いなの知ってるでしょ!そうじゃなくて、前に引ったくり犯から助けてくれたじゃない?『次あっても、俺が守ってやるよ』って言われて嬉しそうだったけど、その時から、異様に羽鳥君の話題が多くなって。だからもしかしてと思ったのよ。ほら、羽鳥君って千秋の回りにいないタイプだし」
確かに、可愛い見た目と違ってかなり男前な中身が違う羽鳥は、千秋の周りにはいないタイプだろ。
そっか、羽鳥のそのギャップに堕ちたのか。
まあ、悪い奴じゃないし千秋の恋心を応援しても良い相手だろうと、二つ返事で了承したのだった。
こんな面白そうな事、滅多に見れねぇだろうし。絶対に連れていかねぇとな。
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