落ちるよ、何処までも

亜黒

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暇潰しにも限界があります。

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はぁーい!みんなのアイドル、僕だよー!

みんな元気してるー?僕はねー、今日も絶賛落下中だよー!

今日はねー、歌でも唄おうかなーって!

みんな、聞いてくれるー?わー、ありがとうー。

「………虚しい」

無理やり気持ちを盛り上げる為にハイテンションでやってみたけど、やっぱり虚しい。虚しすぎる。

幸い、携帯スマホにインストールされてた曲は流すことができたから、大音量でさっきからずっと流してる。電池も減らないしね。

時間が止まってる事が判明してから、体感にして数ヶ月。勿論、特に進展があるわけもなく仕方ないので暇潰しとして色々やった。

ずっと落ちてたら身体が鈍るから、ラジオ体操して腹筋背筋スクワット……etc.等の身体を動かす事から始めて、一通り終わったら次は自分や言葉を忘れないようにメール機能を使って日記とか小説を書いてみたり。で、最後に歌を唄って発声練習。

で、たまに、本当に、たまに漫画とかで読んだセリフやらポーズをとってます。だって、こんなワケわからん空間にいるんだよ!?普通に魔法とか、使えそうじゃんか!………できたことないけど。

とまぁ、いつこの生活が終わってもいいように、僕は今日も自分を見失わないように努力してます。もしどこか行っても、自分も何もわからないような狂人になってたりしたら嫌だしね。

でも、お願いです。

そろそろ暇潰しも限界です。

誰か、この状況をどうにかしてください。…切実に。

「さて、そろそろ寝ますかー。………ん?」

今日の日課(?)を終えて、そのまま横になろうとした時。目の端に何かが見えた気がした。

バッと起き上がり、そっちをガン見する。何だ?何が見えた?

「………何、あれ?」

ジッと静かに見ていると、何か白く光る点が見えた。初めはそれこそ点だったのが、どんどん大きさを増して確実に近づいて来る。

ここに落とされて(いや、今も落ちてるけど)初めての変化に、戸惑いやら歓喜やら悲壮やら恐怖やら安堵やらでなんだか良くわからない心境の僕。

でも、どうやらこれでナニかが進展したらしいということは、何故か確信を持ってわかった。

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