落ちるよ、何処までも

亜黒

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基礎って大事ですよね。

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さて、修行…もとい特訓開始となったが、まず始めに行ったのは今現在の僕のスペックを知ることだった。これがわからないと、何をどう鍛えるかの指数がなく鍛えようがないから当然だよね。

《ピィ。じゃあ、これからキミのステータスを視るでしゅよ。それを元に、色々鍛えましゅからね》

「うん、よろしく」

ゲーム等ではお馴染みの、僕にとっては人生初の魔法だが、残念ながら今の僕には出来ないらしい。コッコさんいわく、『まだ人間辞めてないでしょ?』だそうだ。………魔法使いって人間枠じゃないんですか?

《それじゃ、いくでしゅよ。……我は視る。汝が歩んだみちを『人生公開ステータス・オープン』》

「………何か意味が恐ろしい!」

え、なに、今の呪文!?今、コッコさん僕の送ってきた人生とか視てるんですか!?じゃあ、あの事とかあの事とか……プライバシーの侵害です!!

《…何か変なこと考えてましゅね?別に、本当にキミの人生を覗いてる訳じゃないでしゅよ。言ったと思うでしゅが、これはキミの今のスペックを視る魔法でしゅ》

「あ、はい。ごめんなさい」

騒いだら、冷たい目で静かに説明されました。冷めた目がちょっと怖かった。

以下、コッコさんが表示してくれた簡単な僕のスペック。

ーーー

攻撃力:100
防御力:5000
素早さ:5000
器用さ:10000
魔力:10
魔法攻撃力:10
魔法防御力:3000
スタミナ:B
集中力:A
特記事項:『神々の被害者』『善神達の加護』『悪神達の執着』『逃亡者』『先祖の守護』『母の御守り』

ーーー

あ、英語じゃなくて、この表示なんですね。昔ながらって感じ。それにしても、特記事項がもろ神様関係!

《………防御とかは群を抜いてるんでしゅが、攻撃力ほとんど無いでしゅね。こんなに防御面に偏ったステータス視るの、初めてでしゅよ》

「うん、確かに。これ見る限り、完全に防御よりだよね。防御力5000なのに攻撃力100とか。差が酷すぎだよ…。僕、逃げたりとかは得意だったからかな?」

コッコさんが言うには、地球の神様が止めるまでにも悪戯の神様がかなり僕にちょっかいを掛けていたらしい。だが、御先祖の守りが強く尽く阻止されたそうだ。それが、悪戯の神様のプライドに火を着けたみたいだが。

今まで神様から逃げられたのも、ご先祖様とかが必死に守ってくれてたからか。墓参りとかきちんとしてて良かった!そして、神様相手にやってのけるとか、ご先祖様めっちゃ強い!

そんなこともあり、僕のスペックは逃げと防御が特別高いのだそうだ。

《防御面はまあ大丈夫でしゅが、攻撃面が壊滅的でしゅからそこ鍛えましょうか》

「その理屈はわかるけど…やっぱり攻撃面を鍛えなきゃダメ?」

《必要でしゅ。攻撃がわからなきゃ、逃げも防御もできないでしゅ。つまり、両方のバランスが取れてないと、結局防御も何もかも台無しになりましゅから嫌でも鍛えましゅよ》

あー、やっぱりやらなきゃダメかぁ。僕、ゲームとかでも僧侶とか狩人とかそういうサブばっかりやってたからなぁ。攻撃職って苦手なんだよね。

…でも、そうもいってられないか。

「わかったよ。苦手だけど、僕、頑張る」

《ピィ。その粋でしゅ。じゃ、まずは基礎中の基礎の体術からいきましゅよ》

「はーい」

それから、みっちり足さばきから順番に、コッコさんが満足するまで体術を仕込まれました。……時間が無限だからって、やり過ぎな気がするのは僕だけ?
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