11 / 13
こ、こんなはずでは……。
しおりを挟む
さて、衝撃の事実については目を背け、文字通り新世界を探索してみよう!ということになった。まずは、先程から見えてる生物を見に行ってみる。
ちょっと近づいたお陰で、のんびりしている生物の全容が見えてきた。形で言うと、長い耳をした小型生物ーーウサギっぽいフォルムのヤツがいた。だけど、地球のと少し違って、額に角が生えてたり、首が2つだったり、羽根が生えてたりと様々だった。
…うわぁ、まさしくファンタジーな光景。羽根とか角はまだ良いけど、首2つとかはちょっと…。
しかも、赤い口元から牙っぽいの見えてるし。こいつ、ウサギなのに肉食なのか?
若干引きつつ、まずは近づいてみる。
草原をテクテク歩いて行くと、さっきまでのんびりしてたのがどこへいったやら、皆一様に一瞬で警戒して一斉にざっ!と此方から距離を取るウサギ達。
……あれ?
テクテク。ざっ!テクテク。ざっ!テクテク。ざっ!テクテク。ざっ!テクテク。ざっ!テクテク。ざっ!
………全然近づけない。近くで見たいのに、一定の距離で皆逃げてしまう。
「……こうなったら!」ダッ!
『ビクゥ!』ダダダダッ!
軽く走ったら、皆まるで天敵に見つかってしまった!とばかりに凄い必死(マジで必死がピッタリな)の形相で逃げ出してしまった。……何故に!?
ダダダダッ……コケッ!?『キャウ!?』
「あ、転けた」
途中で転けたらしいウサギ(羽根あり)なんかは、近づいた僕を見て、絶望の表情で恐怖からかひっくり返って失神してるし。
え、なにこれ。ピクピクしてるし…そんなに僕が怖いの!?ちょっとショックです。
「…コッコさん、僕ってそんなに怖い?」
《ピィ。大丈夫、大丈夫、怖くないでしゅよ。ただ単に、相手が悪いだけでしゅから。こいつらは『クリティラビット』っといって、凄く臆病なんでしゅ。特にキミは、この辺では見たことがない生物でしゅからね。だから、見慣れないキミを見て逃げたんでしゅよ》
えー、近づいただけで気絶するとか、臆病にも程があると思うんだけど。
《ちなみに、クリティラビットは目がとても良いでしゅから、遠くから仲間がどうなるか見てましゅよ。ここでザックリ倒しちゃうと、二度と近づけないでしゅね》
「何言ってんですか、コッコさん。いくら僕のテンション高いからって、倒したりしませんよ!僕は、ただ見たかっただけなんです。だから、このまま逃がしますよ!コッコさんも倒そうとしないでくださいね!」
だって、目の前に気絶してるのは、クリティラビットの中でも可愛い羽根ありだし。そんな愛玩動物を虐待なんかしません!
全力で拒否したら、コッコさんは何故か柔らかく微笑んだ。
《そうでしゅか。やっぱり優しいでしゅね。キミならそういうと思ってたでしゅよ。でも…》
「でも?」
首を傾げると、コッコさんは翼で気絶したクリティラビットを指して言った。
《こいつらのお肉って凄く美味しいでしゅから、ちょっと残念でしゅ》
「はい!コッコさん向こう行こう!うん、そうしよう!いやー、僕、向こうも見てみたかったんだー」
よ、予想外。お肉が美味しいって…コッコさんって雑食なんですね。
結局、その後、クリティラビットを介抱することも出来ずに、残念がるコッコさんを気絶したクリティラビットから遠ざけるべく奮闘することになった。
仲良くなりたかったのに。可愛かったのに。
こ、こんなはずでは…。
ちょっと近づいたお陰で、のんびりしている生物の全容が見えてきた。形で言うと、長い耳をした小型生物ーーウサギっぽいフォルムのヤツがいた。だけど、地球のと少し違って、額に角が生えてたり、首が2つだったり、羽根が生えてたりと様々だった。
…うわぁ、まさしくファンタジーな光景。羽根とか角はまだ良いけど、首2つとかはちょっと…。
しかも、赤い口元から牙っぽいの見えてるし。こいつ、ウサギなのに肉食なのか?
若干引きつつ、まずは近づいてみる。
草原をテクテク歩いて行くと、さっきまでのんびりしてたのがどこへいったやら、皆一様に一瞬で警戒して一斉にざっ!と此方から距離を取るウサギ達。
……あれ?
テクテク。ざっ!テクテク。ざっ!テクテク。ざっ!テクテク。ざっ!テクテク。ざっ!テクテク。ざっ!
………全然近づけない。近くで見たいのに、一定の距離で皆逃げてしまう。
「……こうなったら!」ダッ!
『ビクゥ!』ダダダダッ!
軽く走ったら、皆まるで天敵に見つかってしまった!とばかりに凄い必死(マジで必死がピッタリな)の形相で逃げ出してしまった。……何故に!?
ダダダダッ……コケッ!?『キャウ!?』
「あ、転けた」
途中で転けたらしいウサギ(羽根あり)なんかは、近づいた僕を見て、絶望の表情で恐怖からかひっくり返って失神してるし。
え、なにこれ。ピクピクしてるし…そんなに僕が怖いの!?ちょっとショックです。
「…コッコさん、僕ってそんなに怖い?」
《ピィ。大丈夫、大丈夫、怖くないでしゅよ。ただ単に、相手が悪いだけでしゅから。こいつらは『クリティラビット』っといって、凄く臆病なんでしゅ。特にキミは、この辺では見たことがない生物でしゅからね。だから、見慣れないキミを見て逃げたんでしゅよ》
えー、近づいただけで気絶するとか、臆病にも程があると思うんだけど。
《ちなみに、クリティラビットは目がとても良いでしゅから、遠くから仲間がどうなるか見てましゅよ。ここでザックリ倒しちゃうと、二度と近づけないでしゅね》
「何言ってんですか、コッコさん。いくら僕のテンション高いからって、倒したりしませんよ!僕は、ただ見たかっただけなんです。だから、このまま逃がしますよ!コッコさんも倒そうとしないでくださいね!」
だって、目の前に気絶してるのは、クリティラビットの中でも可愛い羽根ありだし。そんな愛玩動物を虐待なんかしません!
全力で拒否したら、コッコさんは何故か柔らかく微笑んだ。
《そうでしゅか。やっぱり優しいでしゅね。キミならそういうと思ってたでしゅよ。でも…》
「でも?」
首を傾げると、コッコさんは翼で気絶したクリティラビットを指して言った。
《こいつらのお肉って凄く美味しいでしゅから、ちょっと残念でしゅ》
「はい!コッコさん向こう行こう!うん、そうしよう!いやー、僕、向こうも見てみたかったんだー」
よ、予想外。お肉が美味しいって…コッコさんって雑食なんですね。
結局、その後、クリティラビットを介抱することも出来ずに、残念がるコッコさんを気絶したクリティラビットから遠ざけるべく奮闘することになった。
仲良くなりたかったのに。可愛かったのに。
こ、こんなはずでは…。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
婚約破棄したら食べられました(物理)
かぜかおる
恋愛
人族のリサは竜種のアレンに出会った時からいい匂いがするから食べたいと言われ続けている。
婚約者もいるから無理と言い続けるも、アレンもしつこく食べたいと言ってくる。
そんな日々が日常と化していたある日
リサは婚約者から婚約破棄を突きつけられる
グロは無し
繰り返しのその先は
みなせ
ファンタジー
婚約者がある女性をそばに置くようになってから、
私は悪女と呼ばれるようになった。
私が声を上げると、彼女は涙を流す。
そのたびに私の居場所はなくなっていく。
そして、とうとう命を落とした。
そう、死んでしまったはずだった。
なのに死んだと思ったのに、目を覚ます。
婚約が決まったあの日の朝に。
主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから
渡里あずま
ファンタジー
安藤舞は、専業主婦である。ちなみに現在、三十二歳だ。
朝、夫と幼稚園児の子供を見送り、さて掃除と洗濯をしようとしたところで――気づけば、石造りの知らない部屋で座り込んでいた。そして映画で見たような古めかしいコスプレをした、外国人集団に囲まれていた。
「我々が召喚したかったのは、そちらの世界での『学者』や『医者』だ。それを『主婦』だと!? そんなごく潰しが、聖女になどなれるものか! 役立たずなどいらんっ」
「いや、理不尽!」
初対面の見た目だけ美青年に暴言を吐かれ、舞はそのまま無一文で追い出されてしまう。腹を立てながらも、舞は何としても元の世界に戻ることを決意する。
「主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから」
※※※
専業主婦の舞が、主婦力・大人力を駆使して元の世界に戻ろうとする話です(ざまぁあり)
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
女神様、もっと早く祝福が欲しかった。
しゃーりん
ファンタジー
アルーサル王国には、女神様からの祝福を授かる者がいる。…ごくたまに。
今回、授かったのは6歳の王女であり、血縁の判定ができる魔力だった。
女神様は国に役立つ魔力を授けてくれる。ということは、血縁が乱れてるってことか?
一人の倫理観が異常な男によって、国中の貴族が混乱するお話です。ご注意下さい。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる