彼氏欲しいだけなの!

亜黒

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3話

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 明日、ゲームを一緒にやろうということになり、本日はそのまま家に帰宅。遊里はこの後彼氏とデートするそうだ。羨ましい。こっちは一人だっての。

「ただいまー。…誰もいないけど」

一応帰宅の挨拶をして玄関から中へ入る。別にしなくてもいいんだけど、言わないのはなんとなくそれはそれで寂しいので。大学に入ってからは気ままな一人暮らしをしていた。それなりに裕福な家系だったので、小さい頃からお小遣いを溜めに貯めたあたしの貯金と、たまにやるアルバイトでどうにか生活している。

「さってと、今日は何にしようかな」

来ている衣服を脱いで洗濯機を回し、キッチンで今晩の夕食を物色する。うん、面倒だし、昨日の残りにしよう。確か、煮物があったはず。冷蔵庫から昨日の残り物を取り出し、温めて一人でモシャモシャ食べる。こう見えて、料理はできる方だ。味にうるさい兄妹がいたので。兄は調理師、妹はパティシエ。あたしは目下、自分のやりたいことを探し中だ。…いや、彼氏を作るのが今の目標に変わりつつあるかも。

「彼氏、欲しいなぁ…」

食べ終わった食器を洗いつつ、小さく溜め息をついた。

女の子に異常なまでにモテてるけど、あたしはノーマルだ。確かに女の子は可愛いがソッチの趣味はない。そう公言しているのに、告白してくる子達は後を絶たず。仕方なく振って、泣かれるを繰り返している。いい加減、あたしも告白される側じゃなくて、する側になりたい。恋がしたい。せめて今年中には、好きな人を見つけたい。遊里みたいにラブラブしたい。

「洗い物終了っと。さぁて…何しよう」

洗い物をちゃちゃっと終らせ、コーヒーの入ったお気に入りのカップを片手にリビングのソファーに座る。テレビを付けてみるが、特に面白い番組もやっていなかったので結局消した。課題は全部終わらせてあるし、買った本も昨日全て読んだ。洗濯機はまだ回ってるし、風呂には早い……することがない。

「あ、そうだ。遊里が言ってたゲームについて調べようか」

明日一緒にやるんだし、事前情報として最低限のものくらいは知っておこう。始めて直ぐにもたつくの嫌だし。

そうと決まれば、いそいそとPCを机に取り出し検索していく。

「えーと、『Strange of Glory』だっけ?………お、あった。うわぁ、凄い。発売開始から即売り切れになった幻のゲーム。次回発売まで半年以上の予約がって…これ結構人気あったんだ。本当、遊里の強運に感謝だね。なになに………」

早速ゲームの公式サイトを開いて説明文を読む。そこには、こう書かれていた。

【これは゛もう一人の自分と会える゛をテーマにしたVRMMOゲームです。ですので、年齢以外の種族、職業、もし、ここではない違うところで生まれていたら。自分のなりたかったものに、今とは違う人生を歩けたら。そんな皆様の夢を叶えたゲームです。さあ、皆さま。今とは違う、もう一人の自分に会いに行きましょう】

どうやら、法律的な年齢制限の関係で年齢は弄れないが、その他は自分で自由に変えることが出来るらしい。種族も王道からマイナーまで多種多様に用意されており、職業も、それぞれ師匠を見つけて師事を仰げば、色々と出来るみたいだ。…真にやろうと思えば、本気でなりたい自分になれる。これは確かに人気が出るのも頷ける。

「今とは違う、もう一人の自分…もし、あたしが女じゃなくて。もしかしたら、そこに今の状況を脱却できるヒントがあるかも…!」

そしてあたしは決意する。

「このゲーム、プレイして、男性の気持ちを理解してやる!それを使えば、今度こそあたしにも彼氏が…!よーし、やってやるぞーー!!」

端から見たらかなりおかしな考えだが、あたしはその時は真剣にそう思っていた。




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