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意識が浮上する。ベッドで寝ていたこと違和感を感じ、辺りを見渡す。すぐ横にルヴァインの寝顔があり、昨日のことを思いだす。
そうだ、昨日コイツに抱かれたんだ。
そっと上体を起こそうと動くと、腰に痛みが走る。ビクリと体が跳ね、腰を擦りながら上体を起こした。最後にキスをした後の記憶がないことから、気を失ったんだと思う。汗でべたついていた体は綺麗に清められており、ルヴァインがどうにかしてくれたのだろうと伺えた。
「……」
ふと、昨日のことを思いだしてしまう。最後、険しいような、苦しそうな表情で名を呼んだルヴァイン。あの時の顔が、頭から離れない。
もう、俺はルヴァインのものになったんだ。
そっと、横で眠るルヴァインの寝顔を見やる。静かに寝息を立てている姿は、発情期の翌日に見た顔と同じだ。そっとベッドから抜け出そうとする。だが、咄嗟に伸びてきた腕に阻まれ、そのままベッドに引き摺り戻された。
「うわっ」
「……何処に行く」
掠れた声が耳元で囁かれ、ぞくりと背筋に甘い痺れが奔る。裸の体に密着され、思わず体を浮かしてしまう。
「此処に居ろ」
「わ、わかったからっ、わかったから離せよ!」
背中から伝わるルヴァインの温もりに耐え切れず、腕の拘束から逃れようとするリューイ。だが、ルヴァインは離すつもりはないらしい。
「断る」
「はあ!? ちょ、おいってば!」
更に密着され、身動きが取れなくなってしまった。仕方なく、リューイは諦めて寝直すことにした。
「……なあ」
声を掛けるが、返事はない。小さな寝息が聞こえることから、再び寝てしまったのだろう。リューイは抱き締めるルヴァインの手にそっと手を添え、軽く腕を握り締めた。
「俺……お前のこと、好きになっちまったみたいだ……」
聞かれていないことを良いことに、リューイは己の気持を吐露する。言葉にしてから気恥ずかしくなり、ルヴァインの腕を握り締めていた手で顔を覆い目を瞑った。起きてませんように――。そう願うばかりだった。
日が昇り、カーテンの隙間から差し込ん出来た朝日の眩しさに目が覚める。既にベッドどころか部屋からルヴァインの姿はなく、リューイ一人だった。ベッドから抜け出し、鞄の中から服を取り出す。ミアサはクローゼットを使っていいと言ってくれたが、どうしても使う気にはなれなかった。下着を履き服に袖を通すと、部屋から出ようとドアに近付く。するとタイミングよくドアがノックされ、静かにドアが開かれた。
「リューイ、起きていたのか」
「……ついさっきな」
昨日のこともあり、ルヴァインの顔を直視できない。恥ずかしさに顔を俯かせると、ルヴァインの視線がリューイのつむじに向けられている気がした。
「……昨日は済まなかった」
「え?」
思わず顔を上げてしまう。ルヴァインはリューイの頭に手を乗せると、静かに言葉を続けた。
「俺のものになれと言ったが、あれは忘れろ」
「は? んだよ、そしたら俺は抱かれ損だったってことになるだろうが」
険しい顔で睨み付ける。
此処に居られる理由を作ってやると、お前が言い出したんだろうが。
「この屋敷には好きにいていい」
「ふざけんな! お前が言い出したことなのに、今更忘れろとか調子良すぎだろうが!」
リューイは怒りを露わにする。
お前のものになるなら、それもいいと思って抱かれたのに、俺の気持ちは無視かよ!
「兎に角、もう俺はお前のもんだ。騎士なら一度言葉にしたことは守れ」
「だが……」
「だがも糞もねえ! お前が此処にいる理由として俺をものにするって言いだしておいて、今更ポイだ? 馬鹿にするのもいい加減にしろ!!」
荒い息遣いで捲し立て、リューイは肩で呼吸する。ルヴァインを睨み付けると、ルヴァインは「……そうだな」と静かに目を瞑った。
「俺が言い出したことだ。責任は持つ。先程の発言、撤回させて貰う」
「おう」
ふう、と大きく溜息を吐くリューイ。
今更だが、今俺はとんでもないことを言っていなかったか?
手を掴まれ、そっとルヴァインの胸に抱き締められる。急なことで咄嗟に避けられなかった。
「……言葉の通り、お前は俺のものだ」
「ああ」
「本当に、それでいいんだな?」
再三訊ねられ、リューイはやれやれと息を吐く。ルヴァインの背に腕を回し、ぎゅっと抱き着いた。
「それでいいよ。此処にいていい理由を、お前はくれたんだから」
リューイの言葉に、ルヴァインは小さく微笑みリューイを強く抱き締め返した。
そうだ、昨日コイツに抱かれたんだ。
そっと上体を起こそうと動くと、腰に痛みが走る。ビクリと体が跳ね、腰を擦りながら上体を起こした。最後にキスをした後の記憶がないことから、気を失ったんだと思う。汗でべたついていた体は綺麗に清められており、ルヴァインがどうにかしてくれたのだろうと伺えた。
「……」
ふと、昨日のことを思いだしてしまう。最後、険しいような、苦しそうな表情で名を呼んだルヴァイン。あの時の顔が、頭から離れない。
もう、俺はルヴァインのものになったんだ。
そっと、横で眠るルヴァインの寝顔を見やる。静かに寝息を立てている姿は、発情期の翌日に見た顔と同じだ。そっとベッドから抜け出そうとする。だが、咄嗟に伸びてきた腕に阻まれ、そのままベッドに引き摺り戻された。
「うわっ」
「……何処に行く」
掠れた声が耳元で囁かれ、ぞくりと背筋に甘い痺れが奔る。裸の体に密着され、思わず体を浮かしてしまう。
「此処に居ろ」
「わ、わかったからっ、わかったから離せよ!」
背中から伝わるルヴァインの温もりに耐え切れず、腕の拘束から逃れようとするリューイ。だが、ルヴァインは離すつもりはないらしい。
「断る」
「はあ!? ちょ、おいってば!」
更に密着され、身動きが取れなくなってしまった。仕方なく、リューイは諦めて寝直すことにした。
「……なあ」
声を掛けるが、返事はない。小さな寝息が聞こえることから、再び寝てしまったのだろう。リューイは抱き締めるルヴァインの手にそっと手を添え、軽く腕を握り締めた。
「俺……お前のこと、好きになっちまったみたいだ……」
聞かれていないことを良いことに、リューイは己の気持を吐露する。言葉にしてから気恥ずかしくなり、ルヴァインの腕を握り締めていた手で顔を覆い目を瞑った。起きてませんように――。そう願うばかりだった。
日が昇り、カーテンの隙間から差し込ん出来た朝日の眩しさに目が覚める。既にベッドどころか部屋からルヴァインの姿はなく、リューイ一人だった。ベッドから抜け出し、鞄の中から服を取り出す。ミアサはクローゼットを使っていいと言ってくれたが、どうしても使う気にはなれなかった。下着を履き服に袖を通すと、部屋から出ようとドアに近付く。するとタイミングよくドアがノックされ、静かにドアが開かれた。
「リューイ、起きていたのか」
「……ついさっきな」
昨日のこともあり、ルヴァインの顔を直視できない。恥ずかしさに顔を俯かせると、ルヴァインの視線がリューイのつむじに向けられている気がした。
「……昨日は済まなかった」
「え?」
思わず顔を上げてしまう。ルヴァインはリューイの頭に手を乗せると、静かに言葉を続けた。
「俺のものになれと言ったが、あれは忘れろ」
「は? んだよ、そしたら俺は抱かれ損だったってことになるだろうが」
険しい顔で睨み付ける。
此処に居られる理由を作ってやると、お前が言い出したんだろうが。
「この屋敷には好きにいていい」
「ふざけんな! お前が言い出したことなのに、今更忘れろとか調子良すぎだろうが!」
リューイは怒りを露わにする。
お前のものになるなら、それもいいと思って抱かれたのに、俺の気持ちは無視かよ!
「兎に角、もう俺はお前のもんだ。騎士なら一度言葉にしたことは守れ」
「だが……」
「だがも糞もねえ! お前が此処にいる理由として俺をものにするって言いだしておいて、今更ポイだ? 馬鹿にするのもいい加減にしろ!!」
荒い息遣いで捲し立て、リューイは肩で呼吸する。ルヴァインを睨み付けると、ルヴァインは「……そうだな」と静かに目を瞑った。
「俺が言い出したことだ。責任は持つ。先程の発言、撤回させて貰う」
「おう」
ふう、と大きく溜息を吐くリューイ。
今更だが、今俺はとんでもないことを言っていなかったか?
手を掴まれ、そっとルヴァインの胸に抱き締められる。急なことで咄嗟に避けられなかった。
「……言葉の通り、お前は俺のものだ」
「ああ」
「本当に、それでいいんだな?」
再三訊ねられ、リューイはやれやれと息を吐く。ルヴァインの背に腕を回し、ぎゅっと抱き着いた。
「それでいいよ。此処にいていい理由を、お前はくれたんだから」
リューイの言葉に、ルヴァインは小さく微笑みリューイを強く抱き締め返した。
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