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9ー2 訪ねる為に
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母と共にブティックへ買い物を終えたフィーリア。ルンルンと鼻歌を歌いながら帰る途中、アーデルの姿を発見する。
「あ、アーデルさま!」
声を掛けると、アーデルは振り返った。恰好と手荷物の大きさからして、何処かに出かけるようだった。
「ああ、フィーリアか……」
「あら、アーデルさん、何処かに出かけるのですか?」
母が訊ねると、アーデルは困った表情を向けながら「ええ」と答える。何処に行くのかしら? 場所によっては、私もついて行きたい。だって婚約者だもの!
「何処に行くのです?」
「ティファニアを探しに……思い当たるふしは一つしかありませんが」
また、姉の名前……父もアーデルも、ティファニア、ティファニアと、私よりも姉のことばかり。ムッと不機嫌を露わにするフィーリアを余所に、母はアーデルに詰め寄る。
「ティファニアの居場所に心当りがあるの? 何処です?」
「母方の祖父母とは今も手紙のやり取りをしていると、前に聞いたので……取り敢えずお宅を訪問してみようかと」
「父たちと手紙のやり取りを? 知らなかったわ……」
アーデルの言葉を聞き、暫く考える母。絶対に、お姉さまはそこに隠れてる!
「アーデルさま、私達も一緒に行くわ!」
「え?」
驚愕するアーデルを余所に、フィーリアは母に振り替える。
「一緒に行って、迎えに行きましょう! ね、お母さま」
「そうね、アーデルさん、一緒に行きましょう。すぐに帰って支度をしますから」
「え、ええ……」
ぎこちなく答えるアーデルの手を引っ張り、フィーリアは母と共に屋敷に向かう。待っていて、お姉さま。見つけたらもう絶対に逃がさないから。
「あ、アーデルさま!」
声を掛けると、アーデルは振り返った。恰好と手荷物の大きさからして、何処かに出かけるようだった。
「ああ、フィーリアか……」
「あら、アーデルさん、何処かに出かけるのですか?」
母が訊ねると、アーデルは困った表情を向けながら「ええ」と答える。何処に行くのかしら? 場所によっては、私もついて行きたい。だって婚約者だもの!
「何処に行くのです?」
「ティファニアを探しに……思い当たるふしは一つしかありませんが」
また、姉の名前……父もアーデルも、ティファニア、ティファニアと、私よりも姉のことばかり。ムッと不機嫌を露わにするフィーリアを余所に、母はアーデルに詰め寄る。
「ティファニアの居場所に心当りがあるの? 何処です?」
「母方の祖父母とは今も手紙のやり取りをしていると、前に聞いたので……取り敢えずお宅を訪問してみようかと」
「父たちと手紙のやり取りを? 知らなかったわ……」
アーデルの言葉を聞き、暫く考える母。絶対に、お姉さまはそこに隠れてる!
「アーデルさま、私達も一緒に行くわ!」
「え?」
驚愕するアーデルを余所に、フィーリアは母に振り替える。
「一緒に行って、迎えに行きましょう! ね、お母さま」
「そうね、アーデルさん、一緒に行きましょう。すぐに帰って支度をしますから」
「え、ええ……」
ぎこちなく答えるアーデルの手を引っ張り、フィーリアは母と共に屋敷に向かう。待っていて、お姉さま。見つけたらもう絶対に逃がさないから。
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