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第二十一話
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ユオサイド
今日は仕事休み。
昨日は突然の撮影会なんて慣れない事しちゃったもんだから体はクタクタで限界。
でも、美沙さんからのご褒美で昼間っから私のお家で一緒に美沙さんと仲良くワインを飲んでいる。
美「ホント昨日は撮影会お疲れだったね。よく頑張ったよ。私なんて嬉しくて…泣けてきたよ…」
美沙さんはもうすでに酔っ払ているのか私の肩を組んで顔を真っ赤にしながらそう熱く語る。
y「美沙さんは私が綺麗になって嬉しかった?」
美「私はもう、あんな色っぽいユオを見る日はないと思ってたよ…全くオシャレに興味はないし髪だってずっとボサボサだったし…なにしろあいつと別れてから人間との距離置きすぎてたじゃん。だから、純太くんと連絡先交換してるの見て泣けてきた。今だって…ちゃんとパックしてるし。」
そう私は今、ワインを飲みながら昨日、純太くんがプレゼントしてくれたパックを顔に貼っている。
y「あぁ~これ?帰りに純太くんがくれた。なんかニキビでブツブツだったから早く治しなよ~って。」
あれ?なんかまた私の胸がモヤモヤとする。
そのモヤモヤはいつも純太くんの名前を呼んだり純太くんのことを考えた時に起こる。
このモヤモヤの正体は一体、なんなんだろ。
そんな事を考え込んでいると美沙さんが少し口を尖らせながら言った。
美「私が最高級のパックあげてもしなかったのにさ。」
y「それはだって…たまたまそういう気分だったから…」
私がそう答えると美沙さんは真っ赤な顔して私ことをじーっと見つめながら近づいてくる。
私は思わず仰反るようにして後退りをするが美沙さんにガシっと腕を掴まれた。
美「ユオ…もしかして…」
y「え……なに…」
美「純太くんのこと…す…」
ピロン♪
美沙さんの言葉を遮るように私のスマホにメッセージが届いた。
チラッと私がスマホを見るとそこには純太くんの名前が表示されていてまた、私の胸の奥がモヤモヤする。
私は美沙さんの肩を押して距離をとるとスマホを開いた。
【トーク 純太くん】
ユオちゃんこれからはずっと俺が髪切ってあげるからね。
他のやつに切らせたら許さないよ。
あと、試験受かった!本当にありがとう。
飯いつ行こっか?
そのメッセージを見た私の胸にはさらにモヤモヤ募り息苦しい。
やばい…どうしよう。
昼間っからワイン飲み過ぎたかな!?
モヤモヤが止まらない私がテンパっていると美沙さんが横目でチラッと私を見て言った。
美「ちゃんと純太くんに返信しなよ?」
ほら…また純太くんの名前を聞いたら私の胸がモヤモヤする…
もぉ…純太くんの話やだ…
私の心臓つぶれちゃう…
純太くんの名前が聞こえるたびに私の胸はどうなってしまうんじゃないかと思うほど苦しくて泣きそうになった。
私は膝を抱えてスマホを眺めたままボソボソと言った。
y「なんて返せばいいかわかんないし…今…私…酔ってるし…」
美「え?まだひと口しか飲んでないのに酔ったとか言ってんの?そんな言い訳してないで早く返信しなって…純太くんが返信待ってるんじゃないの?」
私が返信するのを引き伸ばそうとしている言い訳だということは美沙さんからしたら見え透いていたようで、美沙さんに急かされた私の胸はもうモヤモヤが溜まりすぎて爆発してしまいそうだ。
y「じゅ…純太くんがそんな私からの返信なんて待ってるわけないじゃん!!ないない!!絶対ないっ!!」
私は必死でそう否定すると何故かさっきまでモヤモヤとしていた胸が今度はチクチクに変わり、私はなにか悪い病気なのかと戸惑いながら胸をギュッと押さえる。
今すぐ病院行って検査してもらったほうがいいのかな…そんな不安を抱えながら私は言った。
y「美沙さん…実は…私…昨日、美容室から帰ってきてから調子悪いんですよ…」
私が覇気のない声でそう言うと、メッセージの返信しろと冷たく言い放っていた美沙さんは顔色を変えて私のそばに心配そうに近づいてきてくれた。
美「え!?なんでもっと早く言わなかったの…調子悪いのにワインなんか飲んで大丈夫なの!?」
美沙さんは慌てた顔をして横にあるグラスに水を入れて私の手に持たせてひと口飲ませてくれた。
y「うん…わかんない…なんか、美容室行ってから…純太くんの名前を聞いたり、ふと頭に純太くんの事がよぎったら、この胸の辺りがこうモヤモヤ~っとして…気持ち悪いの…そしたらさっき、そのモヤモヤがチクチクにかわって痛いたくなって…もっと苦しくなって…ねぇ…美沙さん…私…病気なのかな…?」
私は不安から泣き出しそうになるのをグッと堪え、そう話すと私の話を聞きた美沙さんはなぜか、心配し焦っていた表情から急にニヤニヤとほころんでグラスに入ったワインをグイッと飲み干した。
美「それで、そのモヤモヤがチクチクにかわったのはいつなの?」
y「えっ?純太くんが私からの返信を待ってる待ってないで美沙さんと言い合ってる時…」
美「ほぉ~なるほどね~そりゃ重症だね。」
y「えぇ!?私…そんな悪い病気なの!?」
美「そうだね…ユオ…それはね?」
y「うん…」
美「恋…!!恋の病だよ!!」
y「うん…だよね…これが恋の病だよね…うん…うん……え!?えぇえぇ~っ!!恋の病!!!?」
私はあまりの驚きでそう叫ぶと何故か美沙さんはめちゃくちゃ嬉しそうな顔をして微笑んでいた。
美「これは今すぐ純太くんに返信しなきゃだね。」
そう言いながら美沙さんは赤ワインを飲んでいた。
これが…恋?
このモヤモヤやチクチクは純太くんを想って感じていた気持ちだったの!?
自分の気持ちに気づいた私の胸はその瞬間、チクチクからドキドキに変わった。
つづく
今日は仕事休み。
昨日は突然の撮影会なんて慣れない事しちゃったもんだから体はクタクタで限界。
でも、美沙さんからのご褒美で昼間っから私のお家で一緒に美沙さんと仲良くワインを飲んでいる。
美「ホント昨日は撮影会お疲れだったね。よく頑張ったよ。私なんて嬉しくて…泣けてきたよ…」
美沙さんはもうすでに酔っ払ているのか私の肩を組んで顔を真っ赤にしながらそう熱く語る。
y「美沙さんは私が綺麗になって嬉しかった?」
美「私はもう、あんな色っぽいユオを見る日はないと思ってたよ…全くオシャレに興味はないし髪だってずっとボサボサだったし…なにしろあいつと別れてから人間との距離置きすぎてたじゃん。だから、純太くんと連絡先交換してるの見て泣けてきた。今だって…ちゃんとパックしてるし。」
そう私は今、ワインを飲みながら昨日、純太くんがプレゼントしてくれたパックを顔に貼っている。
y「あぁ~これ?帰りに純太くんがくれた。なんかニキビでブツブツだったから早く治しなよ~って。」
あれ?なんかまた私の胸がモヤモヤとする。
そのモヤモヤはいつも純太くんの名前を呼んだり純太くんのことを考えた時に起こる。
このモヤモヤの正体は一体、なんなんだろ。
そんな事を考え込んでいると美沙さんが少し口を尖らせながら言った。
美「私が最高級のパックあげてもしなかったのにさ。」
y「それはだって…たまたまそういう気分だったから…」
私がそう答えると美沙さんは真っ赤な顔して私ことをじーっと見つめながら近づいてくる。
私は思わず仰反るようにして後退りをするが美沙さんにガシっと腕を掴まれた。
美「ユオ…もしかして…」
y「え……なに…」
美「純太くんのこと…す…」
ピロン♪
美沙さんの言葉を遮るように私のスマホにメッセージが届いた。
チラッと私がスマホを見るとそこには純太くんの名前が表示されていてまた、私の胸の奥がモヤモヤする。
私は美沙さんの肩を押して距離をとるとスマホを開いた。
【トーク 純太くん】
ユオちゃんこれからはずっと俺が髪切ってあげるからね。
他のやつに切らせたら許さないよ。
あと、試験受かった!本当にありがとう。
飯いつ行こっか?
そのメッセージを見た私の胸にはさらにモヤモヤ募り息苦しい。
やばい…どうしよう。
昼間っからワイン飲み過ぎたかな!?
モヤモヤが止まらない私がテンパっていると美沙さんが横目でチラッと私を見て言った。
美「ちゃんと純太くんに返信しなよ?」
ほら…また純太くんの名前を聞いたら私の胸がモヤモヤする…
もぉ…純太くんの話やだ…
私の心臓つぶれちゃう…
純太くんの名前が聞こえるたびに私の胸はどうなってしまうんじゃないかと思うほど苦しくて泣きそうになった。
私は膝を抱えてスマホを眺めたままボソボソと言った。
y「なんて返せばいいかわかんないし…今…私…酔ってるし…」
美「え?まだひと口しか飲んでないのに酔ったとか言ってんの?そんな言い訳してないで早く返信しなって…純太くんが返信待ってるんじゃないの?」
私が返信するのを引き伸ばそうとしている言い訳だということは美沙さんからしたら見え透いていたようで、美沙さんに急かされた私の胸はもうモヤモヤが溜まりすぎて爆発してしまいそうだ。
y「じゅ…純太くんがそんな私からの返信なんて待ってるわけないじゃん!!ないない!!絶対ないっ!!」
私は必死でそう否定すると何故かさっきまでモヤモヤとしていた胸が今度はチクチクに変わり、私はなにか悪い病気なのかと戸惑いながら胸をギュッと押さえる。
今すぐ病院行って検査してもらったほうがいいのかな…そんな不安を抱えながら私は言った。
y「美沙さん…実は…私…昨日、美容室から帰ってきてから調子悪いんですよ…」
私が覇気のない声でそう言うと、メッセージの返信しろと冷たく言い放っていた美沙さんは顔色を変えて私のそばに心配そうに近づいてきてくれた。
美「え!?なんでもっと早く言わなかったの…調子悪いのにワインなんか飲んで大丈夫なの!?」
美沙さんは慌てた顔をして横にあるグラスに水を入れて私の手に持たせてひと口飲ませてくれた。
y「うん…わかんない…なんか、美容室行ってから…純太くんの名前を聞いたり、ふと頭に純太くんの事がよぎったら、この胸の辺りがこうモヤモヤ~っとして…気持ち悪いの…そしたらさっき、そのモヤモヤがチクチクにかわって痛いたくなって…もっと苦しくなって…ねぇ…美沙さん…私…病気なのかな…?」
私は不安から泣き出しそうになるのをグッと堪え、そう話すと私の話を聞きた美沙さんはなぜか、心配し焦っていた表情から急にニヤニヤとほころんでグラスに入ったワインをグイッと飲み干した。
美「それで、そのモヤモヤがチクチクにかわったのはいつなの?」
y「えっ?純太くんが私からの返信を待ってる待ってないで美沙さんと言い合ってる時…」
美「ほぉ~なるほどね~そりゃ重症だね。」
y「えぇ!?私…そんな悪い病気なの!?」
美「そうだね…ユオ…それはね?」
y「うん…」
美「恋…!!恋の病だよ!!」
y「うん…だよね…これが恋の病だよね…うん…うん……え!?えぇえぇ~っ!!恋の病!!!?」
私はあまりの驚きでそう叫ぶと何故か美沙さんはめちゃくちゃ嬉しそうな顔をして微笑んでいた。
美「これは今すぐ純太くんに返信しなきゃだね。」
そう言いながら美沙さんは赤ワインを飲んでいた。
これが…恋?
このモヤモヤやチクチクは純太くんを想って感じていた気持ちだったの!?
自分の気持ちに気づいた私の胸はその瞬間、チクチクからドキドキに変わった。
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