21 / 92
第二十一話
しおりを挟む
ユオサイド
今日は仕事休み。
昨日は突然の撮影会なんて慣れない事しちゃったもんだから体はクタクタで限界。
でも、美沙さんからのご褒美で昼間っから私のお家で一緒に美沙さんと仲良くワインを飲んでいる。
美「ホント昨日は撮影会お疲れだったね。よく頑張ったよ。私なんて嬉しくて…泣けてきたよ…」
美沙さんはもうすでに酔っ払ているのか私の肩を組んで顔を真っ赤にしながらそう熱く語る。
y「美沙さんは私が綺麗になって嬉しかった?」
美「私はもう、あんな色っぽいユオを見る日はないと思ってたよ…全くオシャレに興味はないし髪だってずっとボサボサだったし…なにしろあいつと別れてから人間との距離置きすぎてたじゃん。だから、純太くんと連絡先交換してるの見て泣けてきた。今だって…ちゃんとパックしてるし。」
そう私は今、ワインを飲みながら昨日、純太くんがプレゼントしてくれたパックを顔に貼っている。
y「あぁ~これ?帰りに純太くんがくれた。なんかニキビでブツブツだったから早く治しなよ~って。」
あれ?なんかまた私の胸がモヤモヤとする。
そのモヤモヤはいつも純太くんの名前を呼んだり純太くんのことを考えた時に起こる。
このモヤモヤの正体は一体、なんなんだろ。
そんな事を考え込んでいると美沙さんが少し口を尖らせながら言った。
美「私が最高級のパックあげてもしなかったのにさ。」
y「それはだって…たまたまそういう気分だったから…」
私がそう答えると美沙さんは真っ赤な顔して私ことをじーっと見つめながら近づいてくる。
私は思わず仰反るようにして後退りをするが美沙さんにガシっと腕を掴まれた。
美「ユオ…もしかして…」
y「え……なに…」
美「純太くんのこと…す…」
ピロン♪
美沙さんの言葉を遮るように私のスマホにメッセージが届いた。
チラッと私がスマホを見るとそこには純太くんの名前が表示されていてまた、私の胸の奥がモヤモヤする。
私は美沙さんの肩を押して距離をとるとスマホを開いた。
【トーク 純太くん】
ユオちゃんこれからはずっと俺が髪切ってあげるからね。
他のやつに切らせたら許さないよ。
あと、試験受かった!本当にありがとう。
飯いつ行こっか?
そのメッセージを見た私の胸にはさらにモヤモヤ募り息苦しい。
やばい…どうしよう。
昼間っからワイン飲み過ぎたかな!?
モヤモヤが止まらない私がテンパっていると美沙さんが横目でチラッと私を見て言った。
美「ちゃんと純太くんに返信しなよ?」
ほら…また純太くんの名前を聞いたら私の胸がモヤモヤする…
もぉ…純太くんの話やだ…
私の心臓つぶれちゃう…
純太くんの名前が聞こえるたびに私の胸はどうなってしまうんじゃないかと思うほど苦しくて泣きそうになった。
私は膝を抱えてスマホを眺めたままボソボソと言った。
y「なんて返せばいいかわかんないし…今…私…酔ってるし…」
美「え?まだひと口しか飲んでないのに酔ったとか言ってんの?そんな言い訳してないで早く返信しなって…純太くんが返信待ってるんじゃないの?」
私が返信するのを引き伸ばそうとしている言い訳だということは美沙さんからしたら見え透いていたようで、美沙さんに急かされた私の胸はもうモヤモヤが溜まりすぎて爆発してしまいそうだ。
y「じゅ…純太くんがそんな私からの返信なんて待ってるわけないじゃん!!ないない!!絶対ないっ!!」
私は必死でそう否定すると何故かさっきまでモヤモヤとしていた胸が今度はチクチクに変わり、私はなにか悪い病気なのかと戸惑いながら胸をギュッと押さえる。
今すぐ病院行って検査してもらったほうがいいのかな…そんな不安を抱えながら私は言った。
y「美沙さん…実は…私…昨日、美容室から帰ってきてから調子悪いんですよ…」
私が覇気のない声でそう言うと、メッセージの返信しろと冷たく言い放っていた美沙さんは顔色を変えて私のそばに心配そうに近づいてきてくれた。
美「え!?なんでもっと早く言わなかったの…調子悪いのにワインなんか飲んで大丈夫なの!?」
美沙さんは慌てた顔をして横にあるグラスに水を入れて私の手に持たせてひと口飲ませてくれた。
y「うん…わかんない…なんか、美容室行ってから…純太くんの名前を聞いたり、ふと頭に純太くんの事がよぎったら、この胸の辺りがこうモヤモヤ~っとして…気持ち悪いの…そしたらさっき、そのモヤモヤがチクチクにかわって痛いたくなって…もっと苦しくなって…ねぇ…美沙さん…私…病気なのかな…?」
私は不安から泣き出しそうになるのをグッと堪え、そう話すと私の話を聞きた美沙さんはなぜか、心配し焦っていた表情から急にニヤニヤとほころんでグラスに入ったワインをグイッと飲み干した。
美「それで、そのモヤモヤがチクチクにかわったのはいつなの?」
y「えっ?純太くんが私からの返信を待ってる待ってないで美沙さんと言い合ってる時…」
美「ほぉ~なるほどね~そりゃ重症だね。」
y「えぇ!?私…そんな悪い病気なの!?」
美「そうだね…ユオ…それはね?」
y「うん…」
美「恋…!!恋の病だよ!!」
y「うん…だよね…これが恋の病だよね…うん…うん……え!?えぇえぇ~っ!!恋の病!!!?」
私はあまりの驚きでそう叫ぶと何故か美沙さんはめちゃくちゃ嬉しそうな顔をして微笑んでいた。
美「これは今すぐ純太くんに返信しなきゃだね。」
そう言いながら美沙さんは赤ワインを飲んでいた。
これが…恋?
このモヤモヤやチクチクは純太くんを想って感じていた気持ちだったの!?
自分の気持ちに気づいた私の胸はその瞬間、チクチクからドキドキに変わった。
つづく
今日は仕事休み。
昨日は突然の撮影会なんて慣れない事しちゃったもんだから体はクタクタで限界。
でも、美沙さんからのご褒美で昼間っから私のお家で一緒に美沙さんと仲良くワインを飲んでいる。
美「ホント昨日は撮影会お疲れだったね。よく頑張ったよ。私なんて嬉しくて…泣けてきたよ…」
美沙さんはもうすでに酔っ払ているのか私の肩を組んで顔を真っ赤にしながらそう熱く語る。
y「美沙さんは私が綺麗になって嬉しかった?」
美「私はもう、あんな色っぽいユオを見る日はないと思ってたよ…全くオシャレに興味はないし髪だってずっとボサボサだったし…なにしろあいつと別れてから人間との距離置きすぎてたじゃん。だから、純太くんと連絡先交換してるの見て泣けてきた。今だって…ちゃんとパックしてるし。」
そう私は今、ワインを飲みながら昨日、純太くんがプレゼントしてくれたパックを顔に貼っている。
y「あぁ~これ?帰りに純太くんがくれた。なんかニキビでブツブツだったから早く治しなよ~って。」
あれ?なんかまた私の胸がモヤモヤとする。
そのモヤモヤはいつも純太くんの名前を呼んだり純太くんのことを考えた時に起こる。
このモヤモヤの正体は一体、なんなんだろ。
そんな事を考え込んでいると美沙さんが少し口を尖らせながら言った。
美「私が最高級のパックあげてもしなかったのにさ。」
y「それはだって…たまたまそういう気分だったから…」
私がそう答えると美沙さんは真っ赤な顔して私ことをじーっと見つめながら近づいてくる。
私は思わず仰反るようにして後退りをするが美沙さんにガシっと腕を掴まれた。
美「ユオ…もしかして…」
y「え……なに…」
美「純太くんのこと…す…」
ピロン♪
美沙さんの言葉を遮るように私のスマホにメッセージが届いた。
チラッと私がスマホを見るとそこには純太くんの名前が表示されていてまた、私の胸の奥がモヤモヤする。
私は美沙さんの肩を押して距離をとるとスマホを開いた。
【トーク 純太くん】
ユオちゃんこれからはずっと俺が髪切ってあげるからね。
他のやつに切らせたら許さないよ。
あと、試験受かった!本当にありがとう。
飯いつ行こっか?
そのメッセージを見た私の胸にはさらにモヤモヤ募り息苦しい。
やばい…どうしよう。
昼間っからワイン飲み過ぎたかな!?
モヤモヤが止まらない私がテンパっていると美沙さんが横目でチラッと私を見て言った。
美「ちゃんと純太くんに返信しなよ?」
ほら…また純太くんの名前を聞いたら私の胸がモヤモヤする…
もぉ…純太くんの話やだ…
私の心臓つぶれちゃう…
純太くんの名前が聞こえるたびに私の胸はどうなってしまうんじゃないかと思うほど苦しくて泣きそうになった。
私は膝を抱えてスマホを眺めたままボソボソと言った。
y「なんて返せばいいかわかんないし…今…私…酔ってるし…」
美「え?まだひと口しか飲んでないのに酔ったとか言ってんの?そんな言い訳してないで早く返信しなって…純太くんが返信待ってるんじゃないの?」
私が返信するのを引き伸ばそうとしている言い訳だということは美沙さんからしたら見え透いていたようで、美沙さんに急かされた私の胸はもうモヤモヤが溜まりすぎて爆発してしまいそうだ。
y「じゅ…純太くんがそんな私からの返信なんて待ってるわけないじゃん!!ないない!!絶対ないっ!!」
私は必死でそう否定すると何故かさっきまでモヤモヤとしていた胸が今度はチクチクに変わり、私はなにか悪い病気なのかと戸惑いながら胸をギュッと押さえる。
今すぐ病院行って検査してもらったほうがいいのかな…そんな不安を抱えながら私は言った。
y「美沙さん…実は…私…昨日、美容室から帰ってきてから調子悪いんですよ…」
私が覇気のない声でそう言うと、メッセージの返信しろと冷たく言い放っていた美沙さんは顔色を変えて私のそばに心配そうに近づいてきてくれた。
美「え!?なんでもっと早く言わなかったの…調子悪いのにワインなんか飲んで大丈夫なの!?」
美沙さんは慌てた顔をして横にあるグラスに水を入れて私の手に持たせてひと口飲ませてくれた。
y「うん…わかんない…なんか、美容室行ってから…純太くんの名前を聞いたり、ふと頭に純太くんの事がよぎったら、この胸の辺りがこうモヤモヤ~っとして…気持ち悪いの…そしたらさっき、そのモヤモヤがチクチクにかわって痛いたくなって…もっと苦しくなって…ねぇ…美沙さん…私…病気なのかな…?」
私は不安から泣き出しそうになるのをグッと堪え、そう話すと私の話を聞きた美沙さんはなぜか、心配し焦っていた表情から急にニヤニヤとほころんでグラスに入ったワインをグイッと飲み干した。
美「それで、そのモヤモヤがチクチクにかわったのはいつなの?」
y「えっ?純太くんが私からの返信を待ってる待ってないで美沙さんと言い合ってる時…」
美「ほぉ~なるほどね~そりゃ重症だね。」
y「えぇ!?私…そんな悪い病気なの!?」
美「そうだね…ユオ…それはね?」
y「うん…」
美「恋…!!恋の病だよ!!」
y「うん…だよね…これが恋の病だよね…うん…うん……え!?えぇえぇ~っ!!恋の病!!!?」
私はあまりの驚きでそう叫ぶと何故か美沙さんはめちゃくちゃ嬉しそうな顔をして微笑んでいた。
美「これは今すぐ純太くんに返信しなきゃだね。」
そう言いながら美沙さんは赤ワインを飲んでいた。
これが…恋?
このモヤモヤやチクチクは純太くんを想って感じていた気持ちだったの!?
自分の気持ちに気づいた私の胸はその瞬間、チクチクからドキドキに変わった。
つづく
0
あなたにおすすめの小説
【完結】指先が触れる距離
山田森湖
恋愛
オフィスの隣の席に座る彼女、田中美咲。
必要最低限の会話しか交わさない同僚――そのはずなのに、いつしか彼女の小さな仕草や変化に心を奪われていく。
「おはようございます」の一言、資料を受け渡すときの指先の触れ合い、ふと香るシャンプーの匂い……。
手を伸ばせば届く距離なのに、簡単には踏み込めない関係。
近いようで遠い「隣の席」から始まる、ささやかで切ないオフィスラブストーリー。
極上の彼女と最愛の彼 Vol.3
葉月 まい
恋愛
『極上の彼女と最愛の彼』第3弾
メンバーが結婚ラッシュの中、未だ独り身の吾郎
果たして彼にも幸せの女神は微笑むのか?
そして瞳子や大河、メンバー達のその後は?
解けない魔法を このキスで
葉月 まい
恋愛
『さめない夢が叶う場所』
そこで出逢った二人は、
お互いを認識しないまま
同じ場所で再会する。
『自分の作ったドレスで女の子達をプリンセスに』
その想いでドレスを作る『ソルシエール』(魔法使い)
そんな彼女に、彼がかける魔法とは?
═•-⊰❉⊱•登場人物 •⊰❉⊱•-═
白石 美蘭 Miran Shiraishi(27歳)…ドレスブランド『ソルシエール』代表
新海 高良 Takara Shinkai(32歳)…リゾートホテル運営会社『新海ホテル&リゾート』 副社長
ヒ・ミ・ツ~許嫁は兄の親友~(旧:遠回りして気付いた想い)[完]
麻沙綺
恋愛
ごく普通の家庭で育っている女の子のはずが、実は……。
お兄ちゃんの親友に溺愛されるが、それを煩わしいとさえ感じてる主人公。いつしかそれが当たり前に……。
視線がコロコロ変わります。
なろうでもあげていますが、改稿しつつあげていきますので、なろうとは多少異なる部分もあると思いますが、宜しくお願い致します。
友達婚~5年もあいつに片想い~
日下奈緒
恋愛
求人サイトの作成の仕事をしている梨衣は
同僚の大樹に5年も片想いしている
5年前にした
「お互い30歳になっても独身だったら結婚するか」
梨衣は今30歳
その約束を大樹は覚えているのか
隠れオタクの女子社員は若社長に溺愛される
永久保セツナ
恋愛
【最終話まで毎日20時更新】
「少女趣味」ならぬ「少年趣味」(プラモデルやカードゲームなど男性的な趣味)を隠して暮らしていた女子社員・能登原こずえは、ある日勤めている会社のイケメン若社長・藤井スバルに趣味がバレてしまう。
しかしそこから二人は意気投合し、やがて恋愛関係に発展する――?
肝心のターゲット層である女性に理解できるか分からない異色の女性向け恋愛小説!
羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。
泉野あおい
恋愛
人の気持ちに重い軽いがあるなんて変だと思ってた。
でも今、確かに思ってる。
―――この愛は、重い。
------------------------------------------
羽柴健人(30)
羽柴法律事務所所長 鳳凰グループ法律顧問
座右の銘『危ない橋ほど渡りたい。』
好き:柊みゆ
嫌い:褒められること
×
柊 みゆ(28)
弱小飲料メーカー→鳳凰グループ・ホウオウ総務部
座右の銘『石橋は叩いて渡りたい。』
好き:走ること
苦手:羽柴健人
------------------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる