キミのとなり

樺純

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第七十六話

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美沙サイド

美「あぁもう!アヨって女ほんとに腹立つ!あれであの女ホントにもう関わってこないよね!?」

S「そりゃ、あんな鬼みたいな顔して警察に行きたくなかったら二度と現れるな!なんて言われたら…もう現れないよ。」

アヨっていうクソ女が帰ったあと、私と誠司さん、そして純太くんの3人で一杯飲みながそう話していると、誠司さんが私の顔真似をしながら私を揶揄うから大好きだけどグーって思いっきり殴っておいた。

J「なんか…色々すいませんでした…」

美「ほんとバカだよ。そもそも、あんたが下心を出したから話がややこしくなったんでしょ!」

J「下心を出した訳じゃないけど…マジで…ごめんなさい…」

美「はぁ…本当におバカ。謝る相手が違うてましょ。マジで殴るよ?」

J「すいません。ユオに会ってちゃんと謝るよ…」

美「きっともう許してくれないだろな。なんか同い年の溺愛してくれる彼に告られたって言ってたし。」

私のひと言で純太くんと誠司さんが目を合わせてから私の方をまん丸な目で見つめる。

J.S「マジで!?」

美「マジマジ大マジ。早く行かなきゃあの同い年の溺愛くんと付き合っちゃうかもね。」

J「すいません…おれ…ちょっと…」

S「おっ!早く行ってこい!これは本気で手遅れになっちまう!」

美「あっ、プリン買って行ってあげて。だれかさんのせいでユオはあれ以来、トラウマで大好きなプリンが食べれなくなったんだからね。可哀想に…」

J「プリン……早く会いたい…いってきます!じゃ!」

純太くんは慌ただしく立ち上がると店を後にした。

S「あれじゃ、まるでプリンに会いたいみたいな言い方になるよな?」

誠司さんはそう言って笑いながらお酒を飲む。

 美「まぁ、間違ってないんじゃない?ユオの体はプリンで出来てると言っても過言ではないから。」

S「なんだそれ!じゃ、可愛い美沙ちゃんの体は何で出来てるの?」

誠司さんは私の肩をツンツンとしながらイタズラにそう問いかける。

美「そんなの知らない!ってかさ?あの作戦だけどさ?あんなに甘い言葉をあの女に言うとか、私…聞いてないけど?」

ずっとモヤモヤしていた。

こういう作戦でいくとは聞いていたが、まさかあの女にあんな甘いセリフをペラペラぬかす…あ!間違った!言うだなんて聞いていない。

S「いや、あれはさ?ほら話の流れでさ?そう言った方がいいかな~って…嫌…だったよね?」

美「すごい妬いた…めちゃくちゃ嫉妬した…しかもあのクズ女なんかに…」

J「ごめんごめん…。」

美「でも…かっこ良かったよ…」

私が少し拗ねながらそう言うと、返事のかわりに誠司さんは私のほっぺにキスをした。

ユオもうすぐだよ…

もうすぐユオの元へ幸せがやってくる…

純太…今度しくじったら…

本当にボコボコだからね。

つづく
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