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70話

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マハロside

俺はアナの話し声が聞こえて薄っすらと意識が現実に戻り目を閉じたまま2人の会話を聞いてしまった。

A「あのさ…ユナ…?マハロの事なんだけど…」

Y「ないよ。私は今を楽しんでるだけ…私にはゴナがいれば何もいらない…だからマハロとは…ない…。」

分かってた。

ユナがそんな風に俺の事を思っていること。

あの時、ゴナの為に泣いていたユナは間違いなくママの目で、どんなに俺が頑張ってもユナの瞳には俺が映ることはないって悟った。

そのユナの目はあの日のサラと同じ目をしていた。

なんで俺は自分に振り向いてくれる事のない人ばかりを好きになってしまうんだろって、悲劇のヒーローぶったりしたりもしたけどセナの場合とユナの場合は違う。

あの時のセナの心には違う男がいて、俺がいなくても支えてくれる男がいた。

まぁ、それがまさかジョウキだったなんてつい最近まで俺は知らなかったけど。

2人が別れたと聞いてもセナに対して特別な感情はもう湧かなかった。

でも、ユナは俺が支えてあげなきゃ、きっとユナの心が壊れてしまう。

ユナの心に俺がいなかったとしても彼女を支えてあげたい。

寄り添ってあげたい。

どんなに拒まれたとしても俺はユナのそばから離れたらダメな気がした。というよりも…

きっと俺自身ががダメになっちゃいそうだから…

ユナの言葉を聞いて落ち込まないわけじゃないけどその言葉を聞いて思ったんだ。

もし、ユナの元にゴナが戻ってきたら俺は全力で2人のサポートをしようって。

ユナの元にゴナが戻る為には一体どうしたらいいんだろって。

とある事が気になって仕方ない俺は居ても立っても居られなくて、アナの誘いを断りユナを置いて1人でアナの部屋を後にした。

あの時…ゴナが楽屋に来たとき… 

俺の他に近くにいたのは確かレンくんだった。

レンくんに1度確認してからユナに話そう。

俺の見間違いってこともあるし。

そう思った俺はすぐにレンくんに電話した。

M「お疲れ様です!レンくん休みにすいません!どうしても聞きたいことがあって…」

R「お疲れ!聞きたいことって?」

M「あの…ユナが楽屋に来た日、息子のゴナもいたじゃないですか?あの子なんですが…………………………。」

俺が全て話し終えるとレンくんは小さなため息をついた。

R「関わるな…って言いたいとこだけど…もうムリそうだね?」

M「すいません…」

そうして俺は色々とレンくんと話し終えると電話を切った。


つづく
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