上 下
128 / 196

128話

しおりを挟む
アナside

ハヤセと別れてからなぜか涙が止まらなくて公園で1人で泣いた。

正直、トウヤに彼女が出来たと聞いてちょっとホッとしてしまった自分がいた。

そして、その気持ちに気付いてしまった今、ジョウキに会いたい気持ちが止まらない。 

本当、私はどれだけわがままで自分勝手なんだろう。

私はそっと涙を拭いて店に戻った。

A「さっきはごめんね!このジャケットもう持って帰るね?」

私はレオにそう伝えショウケースを開ける。 

※「まさか…CHIERIの大切な人って…さっきの人!?」

レオは兄の友人であり私にとっても友人の1人だ。

兄以外で信頼できるのはレオとリツくらいだ。

A「ちがうよ。あの人は…お兄ちゃんみたいな存在かな?たぶん…」

※「そっか…でもこのジャケットを持って帰るって事は…」

A「うん。その人に今から会ってくるね。」 

※「やっと!ゴールドラビットを迎えに行くんだな!!そっか!頑張っておいで!」

そう言ってイギリスで生まれ育ったレオは私に熱い抱擁をした。

そして、ユナにも連絡をしてライブを見に行くと伝えておいた。

するとユナは…やっとだね…ってホッとしたような声をしていた。

私とユナは席を確認すると関係者席でユナと隣同士の席をチケットをハヤセが持ってきてくれていたことが分かった。

私はまた、ハヤセの優しさに涙が出そうになる。

そして、時間が迫り私は会場にゆっくりと向かった。

まさか、イギリスでUNoのステージを見に行くなんて思ってもみなかったな。 

会場となる競技場はファン達の熱気が漂っている。

会場は少し変わった作りをしていて関係者席でもしっかりとステージはみえていた。

私がステージを見つめているとユナとゴナがやってきた。

Y「アナ…!ハヤセのこと…ごめんね?」

A「ううん…私ねハヤセが会いに来てくれて嬉しかったの…」

Y「そう…カナリ説得されたんじゃない?」

A「そうでもないよ…でもね?私ハヤセのこと…一瞬誰だか分からなかった…。ユナと会ってる時までみんなの話ししてたのにね…。」

Y「え…あ…そ…そうなんだ…と…とりあえず今日は楽しもう?みんなが出てくるのトリだって!」

A「そっか…楽しみだな…」

すると私とユナの間にチョコンと座ったゴナが私の手を握りこう言った。

G「アナ?ジョウキのこと…ギュッてしてあげてね?」

そう言って無邪気に笑うゴナ。

私たちの事を理解しているのかどうかは分からないが、こんな小さな子にまで心配をかけていたんだと思ったら涙がまたこぼれそうになった。

ライブが始まり色んな有名アーティストが自分の音楽を披露していく。

そしていよいよ彼らの出番となった。

「UNo!!」

そのアナウンスと同時に会場のボルテージは最高潮となった。

ジョウキ…ごめんね…

私…会いにきたよ…

私のこと…許してくれる…?


つづく
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

【BL】僕の恋人2

BL / 完結 24h.ポイント:28pt お気に入り:2

腹黒上司が実は激甘だった件について。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:2,307pt お気に入り:140

アラフォー料理人が始める異世界スローライフ

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:3,415pt お気に入り:3,095

片思いの相手に偽装彼女を頼まれまして

恋愛 / 完結 24h.ポイント:3,976pt お気に入り:19

攻略対象5の俺が攻略対象1の婚約者になってました

BL / 完結 24h.ポイント:4,955pt お気に入り:2,630

[完結]王子に婚約を破棄されたら、完璧騎士様との結婚が決まりまして

恋愛 / 完結 24h.ポイント:347pt お気に入り:4,470

処理中です...