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129話

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ジョウキside

昨日、ハヤセくんに話を聞いてもらって少しは心は楽になったが朝起きたら体が痛い…重たい…熱い…苦しい…

なんとかリハを終え控え室に戻り、ハヤセくんに甘えようと思ったのにハヤセくんは走ってどこかに行ってしまった。

とりあえず、本番ギリまで寝よう。

直前で声出しすればいいや。

俺はそう思い重たい瞼を閉じる。

そして久しぶりに夢をみた…

俺の前には楽しそうに笑うアナがいる。

俺が近づこうとすると…

アナはジョウキ~!っと何度も俺の名前をそう呼ぶ。

J「アナ…」  

ジョウキ!顔真っ赤だよ?そう言ってアナが俺のおでこに触れた… その瞬間っ!リアルな冷たさで俺は目が覚めた。

J「冷てぇ!」

T「ジョウキ…お前…熱あんじゃん!」

目を開けるとそこにはトウヤくんがいて、冷やしたタオルを俺の首に当てようとしてくれていたみたいだった。

J「大丈夫です…」

T「大丈夫って…本当に?でも、もう本番までちょっとしかないからどうしようもないけど…」

トウヤくんの言葉を聞いてチラっと時計をみると俺が眠ってから1時間半が過ぎていた。

SR「ジョウキさん…そろそろ本番の準備しないと間に合わない…いけます?」

サラにそう言われ俺は重い体をゆっくりと起こた。

そして、ふらつきながらもサラに手伝ってもいなんとか衣装へと着替えた。

そして、声出しをする暇もなく本番直前の控え場所へと案内された俺は何度か声を軽く出してみる。

うん…大丈夫そうだな…

あとはフラつく足元さえしっかり意識していれば20分程度のステージ。

なんとか持ちこたえれるだろう…

T「ジョウキ…マジで無理すんなよ?」

舞台に上がる直前、トウヤくんはハイタッチをしながらそう言ってきた。

J「大丈夫です…」

そう言って俺は登場場所へと向かった。

会場の熱気がここまで伝わってくる。

俺たちを紹介するアナウンスが流れると会場の声援がより大きくなるのが分かった。

そして、スタッフ達のカウントする声が大きくなり、俺たち7人は大きな音楽と同時に舞台の下から飛び出し俺たちの熱いステージがはじまった。

ステージに立った瞬間、眩しい光が俺の目に差し込み俺はふとスタンドの方でアナが笑ってるような気がした。

俺…とうとう幻覚まで見るようになっちゃったのかな?

アナ…俺は今お前に会いたくてたまらないよ…

俺はその想いを胸に歌声を響かせた。


つづく
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