【BL】花様年華〜僕たちの青春日記〜

樺純

文字の大きさ
18 / 55

18話

しおりを挟む
ジュンサクサイド

俺の部屋は少し大きめのワンルーム。


は部屋の中をキョロキョロと見渡し立ったままなので俺はクッションを取り、テイヤくんを座らせた。


J「ここに座ってて。飲み物入れるから。」

T「うん…」


大切なテイヤくんに何かをするにはまだ早い。


まだ付き合って1週間だぞ俺!!


なにをドキドキしてんだよ。


なに変なこと考えてだよお前は!!


そう自分に言い聞かせながらコーラをグラスに入れてテイヤくんの前に出すとテイヤくんはニコッと微笑んでコーラを飲んだ。


T「荷物少ないね?」

J「うん…必要なものは少しずつ買い足していこうと思ってて。」

T「そうなんだ…」


いつもなら公園で暗くなるまで話し込んで、マモルさんに怒られると慌てて帰る俺たちなのに…


なぜか急にぎこちない空気が漂いお互いの呼吸音がやたら大きく聞こえてる。


しばらく沈黙が続く中…


何か話をしなきゃと気持ちばかりが焦り話題なにも浮かばない。


とりあえずな…なんか…


話さなきゃ…


J「あの…」T「あの…」


か…かぶってしまった。


よくある少女漫画のように言葉がかぶってしまった。


そして、気まずさが倍増してしまった。


ど…どうすればいいんだろ…


焦る俺は暑くもないのに汗が噴き出しドキドキと動悸がする。


すると、俺の手にテイヤくんの温もりを感じ俺はゆっくりとテイヤくんの方を向いた。


T「なんかいつも学校と公園だけでしか会ってなかったから…緊張するね…」

J「う…うん…」

T「ゲームでもする?」

J「う…うん…」

T「やっぱりチュウにしよっか?」

J「う…うん…」


ん?え…いま…


T「えへへwもうジュンサクはうんばっかり~」


テイヤくんはそう言って笑いながらチュッと俺の唇に可愛いキスをした。


そして、テイヤくんは離れることなく至近距離のまま俺の顔をじっと見つめると…


テイヤくんの顔は笑顔から真顔に変わった。


T「もう一回…して…」


少し掠れた小さな声でそう呟いたテイヤくんの声に俺の胸はドキッと返事をし…


ゴクリと生唾を飲み込むとそっとテイヤくんの後頭部に手を回してゆっくりと唇を重ねる。


あの日…


出会ったあの日…夢中でしたキスとはまた違う味。


テイヤくんの唇が優しく俺の唇を包み込み、舌がお互いを確認するかのように探り合う。


お互いの唇から生々しい音が響き…


思わず俺がテイヤくんをグイッと抱き寄せそのまま押し倒すと…


テイヤくんは笑いながら俺の胸を押した。


T「まだ…ダメだろ…付き合って…1週間なのに…」


分かってる…分かってる…

分かってるんだけど…

俺はなんとかわずかに残っていた理性を保ち…


グッとテイヤくんの体に伸びた手を堪えて体勢を戻しテイヤくんを起き上がらせた。

 

T「怒った?」

J「え?」

T「まだダメって言ったから…」

J「怒らないよ…俺こそごめんなさい。調子に乗った。」

T「ううん。ジュンサクのキス…気持ちいいからキスはいっぱいしようね?」


テイヤくんはニコッと微笑み俺の腕に巻きつくとまた、俺の唇にチュッとキスをした。


俺…


こんなんで…いつまで我慢できるんだろう…?


そんな事を思いながら俺はまた…


テイヤくんの唇に夢中でキスをするんだ。


つづく
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛
BL
☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです! 元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。 持ち主は、顔面国宝の一年生。 なんで俺の写真? なんでロック画? 問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。 頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ! ☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。

平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)

優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。 本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

楽な片恋

藍川 東
BL
 蓮見早良(はすみ さわら)は恋をしていた。  ひとつ下の幼馴染、片桐優一朗(かたぎり ゆういちろう)に。  それは一方的で、実ることを望んでいないがゆえに、『楽な片恋』のはずだった……  早良と優一朗は、母親同士が親友ということもあり、幼馴染として育った。  ひとつ年上ということは、高校生までならばアドバンテージになる。  平々凡々な自分でも、年上の幼馴染、ということですべてに優秀な優一朗に対して兄貴ぶった優しさで接することができる。  高校三年生になった早良は、今年が最後になる『年上の幼馴染』としての立ち位置をかみしめて、その後は手の届かない存在になるであろう優一朗を、遠くから片恋していくつもりだった。  優一朗のひとことさえなければ…………

経理部の美人チーフは、イケメン新人営業に口説かれています――「凛さん、俺だけに甘くないですか?」年下の猛攻にツンデレ先輩が陥落寸前!

中岡 始
BL
社内一の“整いすぎた男”、阿波座凛(あわざりん)は経理部のチーフ。 無表情・無駄のない所作・隙のない資料―― 完璧主義で知られる凛に、誰もが一歩距離を置いている。 けれど、新卒営業の谷町光だけは違った。 イケメン・人懐こい・書類はギリギリ不備、でも笑顔は無敵。 毎日のように経費精算の修正を理由に現れる彼は、 凛にだけ距離感がおかしい――そしてやたら甘い。 「また会えて嬉しいです。…書類ミスった甲斐ありました」 戸惑う凛をよそに、光の“攻略”は着実に進行中。 けれど凛は、自分だけに見せる光の視線に、 どこか“計算”を感じ始めていて……? 狙って懐くイケメン新人営業×こじらせツンデレ美人経理チーフ 業務上のやりとりから始まる、じわじわ甘くてときどき切ない“再計算不能”なオフィスラブ!

オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?

中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」 そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。 しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は―― ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。 (……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ) ところが、初めての商談でその評価は一変する。 榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。 (仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな) ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり―― なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。 そして気づく。 「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」 煙草をくゆらせる仕草。 ネクタイを緩める無防備な姿。 そのたびに、陽翔の理性は削られていく。 「俺、もう待てないんで……」 ついに陽翔は榊を追い詰めるが―― 「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」 攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。 じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。 【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】 主任補佐として、ちゃんとせなあかん── そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。 春のすこし手前、まだ肌寒い季節。 新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。 風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。 何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。 拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。 年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。 これはまだ、恋になる“少し前”の物語。 関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。 (5月14日より連載開始)

イケメン大学生にナンパされているようですが、どうやらただのナンパ男ではないようです

市川
BL
会社帰り、突然声をかけてきたイケメン大学生。断ろうにもうまくいかず……

兄貴同士でキスしたら、何か問題でも?

perari
BL
挑戦として、イヤホンをつけたまま、相手の口の動きだけで会話を理解し、電話に答える――そんな遊びをしていた時のことだ。 その最中、俺の親友である理光が、なぜか俺の彼女に電話をかけた。 彼は俺のすぐそばに身を寄せ、薄い唇をわずかに結び、ひと言つぶやいた。 ……その瞬間、俺の頭は真っ白になった。 口の動きで読み取った言葉は、間違いなくこうだった。 ――「光希、俺はお前が好きだ。」 次の瞬間、電話の向こう側で彼女の怒りが炸裂したのだ。

処理中です...