17 / 55
17話
しおりを挟む
ジュンサクサイド
テイヤくんと付き合いはじめて1週間が過ぎた。
俺たちはあれから毎日一緒に屋上で昼飯を食べ、毎日一緒に登下校をした。
楽しみといえば帰り道にあの公園で2人並んでベンチに座り、お互いの好きな曲を共有して周りの目を盗みチュチュすること。
俺はテイヤくんの綺麗な手が目に入り、その手に指を絡めるとテイヤくんは俺の方を見る。
T「ねぇ、今日掃除当番もなかったし…まだこんな時間だけど…どっか行く?」
ベンチに並んで座っているとテイヤくんはイヤホンを取り俺にそう言った。
J「いいですけど…どこ行きます?」
T「う~ん。お金もないし…どうしよっか?」
テイヤくんは人差し指を顎に乗せて考えている。
その姿がまた、可愛くてつい俺の頬は緩み笑みが溢れてしまう。
俺の部屋に来る?って聞いたら…テイヤくんはどんな顔をするのだろう。
部屋に誘うのはまだ、早いのだろうか?
全ての事がはじめての俺にとってよく分からない。
ただ、ひとつだけ分かることは…
テイヤくんとひと目を気にせず2人で過ごす場所が欲しいだけ…それだけだった。
そして、俺はゴクリと生唾を飲み込み微かに震えそうな声を咳払いで誤魔化して言った。
J「じゃ…俺の家に…来る?」
テイヤくんの顔を見ず、真っ直ぐ前を見て言ったのはテイヤくんの表情を見るのが怖かったから。
なかなかテイヤくんからの返事が返ってこず、恐る恐るチラッとテイヤくんを見ると、テイヤくんは真っ赤な顔をして肩をすくめていた。
J「テイヤくん?」
T「うん…ジュンサクの家…行きたい…」
そう言ったテイヤくんの恥ずかしがり方があまりにも可愛すぎて、正直、俺はぶっ倒れるかと思った。
テイヤくんの手を取り、はやる気持ちの表れだろうか?
少し足早になりながら俺のマンションに入っていく。
J「テイヤくん…俺んちの暗証番号なんだけど〇〇〇〇だから…。」
ここに引っ越した当初は自分の誕生日だった。
でも、テイヤくんと出会ってクラスの女子からテイヤくんの誕生日を聞いてすぐ、俺はこの暗証番号に変えた。
T「え…恥ずかしいじゃん…ばかやろう…」
なんて言いながらもテイヤくんは嬉しそうな顔をして俺の腕をポンと殴るから、俺はテイヤくんの襟足を撫でながら扉を開けて部屋の中へと案内した。
つづく
テイヤくんと付き合いはじめて1週間が過ぎた。
俺たちはあれから毎日一緒に屋上で昼飯を食べ、毎日一緒に登下校をした。
楽しみといえば帰り道にあの公園で2人並んでベンチに座り、お互いの好きな曲を共有して周りの目を盗みチュチュすること。
俺はテイヤくんの綺麗な手が目に入り、その手に指を絡めるとテイヤくんは俺の方を見る。
T「ねぇ、今日掃除当番もなかったし…まだこんな時間だけど…どっか行く?」
ベンチに並んで座っているとテイヤくんはイヤホンを取り俺にそう言った。
J「いいですけど…どこ行きます?」
T「う~ん。お金もないし…どうしよっか?」
テイヤくんは人差し指を顎に乗せて考えている。
その姿がまた、可愛くてつい俺の頬は緩み笑みが溢れてしまう。
俺の部屋に来る?って聞いたら…テイヤくんはどんな顔をするのだろう。
部屋に誘うのはまだ、早いのだろうか?
全ての事がはじめての俺にとってよく分からない。
ただ、ひとつだけ分かることは…
テイヤくんとひと目を気にせず2人で過ごす場所が欲しいだけ…それだけだった。
そして、俺はゴクリと生唾を飲み込み微かに震えそうな声を咳払いで誤魔化して言った。
J「じゃ…俺の家に…来る?」
テイヤくんの顔を見ず、真っ直ぐ前を見て言ったのはテイヤくんの表情を見るのが怖かったから。
なかなかテイヤくんからの返事が返ってこず、恐る恐るチラッとテイヤくんを見ると、テイヤくんは真っ赤な顔をして肩をすくめていた。
J「テイヤくん?」
T「うん…ジュンサクの家…行きたい…」
そう言ったテイヤくんの恥ずかしがり方があまりにも可愛すぎて、正直、俺はぶっ倒れるかと思った。
テイヤくんの手を取り、はやる気持ちの表れだろうか?
少し足早になりながら俺のマンションに入っていく。
J「テイヤくん…俺んちの暗証番号なんだけど〇〇〇〇だから…。」
ここに引っ越した当初は自分の誕生日だった。
でも、テイヤくんと出会ってクラスの女子からテイヤくんの誕生日を聞いてすぐ、俺はこの暗証番号に変えた。
T「え…恥ずかしいじゃん…ばかやろう…」
なんて言いながらもテイヤくんは嬉しそうな顔をして俺の腕をポンと殴るから、俺はテイヤくんの襟足を撫でながら扉を開けて部屋の中へと案内した。
つづく
0
あなたにおすすめの小説
イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした
天埜鳩愛
BL
☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです!
元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。
持ち主は、顔面国宝の一年生。
なんで俺の写真? なんでロック画?
問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。
頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ!
☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。
楽な片恋
藍川 東
BL
蓮見早良(はすみ さわら)は恋をしていた。
ひとつ下の幼馴染、片桐優一朗(かたぎり ゆういちろう)に。
それは一方的で、実ることを望んでいないがゆえに、『楽な片恋』のはずだった……
早良と優一朗は、母親同士が親友ということもあり、幼馴染として育った。
ひとつ年上ということは、高校生までならばアドバンテージになる。
平々凡々な自分でも、年上の幼馴染、ということですべてに優秀な優一朗に対して兄貴ぶった優しさで接することができる。
高校三年生になった早良は、今年が最後になる『年上の幼馴染』としての立ち位置をかみしめて、その後は手の届かない存在になるであろう優一朗を、遠くから片恋していくつもりだった。
優一朗のひとことさえなければ…………
経理部の美人チーフは、イケメン新人営業に口説かれています――「凛さん、俺だけに甘くないですか?」年下の猛攻にツンデレ先輩が陥落寸前!
中岡 始
BL
社内一の“整いすぎた男”、阿波座凛(あわざりん)は経理部のチーフ。
無表情・無駄のない所作・隙のない資料――
完璧主義で知られる凛に、誰もが一歩距離を置いている。
けれど、新卒営業の谷町光だけは違った。
イケメン・人懐こい・書類はギリギリ不備、でも笑顔は無敵。
毎日のように経費精算の修正を理由に現れる彼は、
凛にだけ距離感がおかしい――そしてやたら甘い。
「また会えて嬉しいです。…書類ミスった甲斐ありました」
戸惑う凛をよそに、光の“攻略”は着実に進行中。
けれど凛は、自分だけに見せる光の視線に、
どこか“計算”を感じ始めていて……?
狙って懐くイケメン新人営業×こじらせツンデレ美人経理チーフ
業務上のやりとりから始まる、じわじわ甘くてときどき切ない“再計算不能”なオフィスラブ!
【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
完結|好きから一番遠いはずだった
七角@書籍化進行中!
BL
大学生の石田陽は、石ころみたいな自分に自信がない。酒の力を借りて恋愛のきっかけをつかもうと意気込む。
しかしサークル歴代最高イケメン・星川叶斗が邪魔してくる。恋愛なんて簡単そうなこの後輩、ずるいし、好きじゃない。
なのにあれこれ世話を焼かれる。いや利用されてるだけだ。恋愛相手として最も遠い後輩に、勘違いしない。
…はずだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる