【BL】花様年華〜僕たちの青春日記〜

樺純

文字の大きさ
44 / 55

42話

しおりを挟む
ジュンサクサイド


テイヤくんが出て行った後…


感情的になり、あんなことをを言ってしまった後悔に襲われ、冷静さを取り戻した俺はすぐにテイヤくんの事を追いかけた。


ハイツの階段を駆け下り、テイヤくんの家の前に向かおうとすると前からマモルさんが歩いてきた。


J「こんばんは…」

M「あれ?テイヤと一緒じゃないの?」

J「はい…ちょっと…」

M「俺に呼んでこいって?」

J「お願いします。」


そう俺たちが話しているとマモルさんの足元に何かが落ちてるのが目に入った。


マモルさんもそれに気づき、拾い上げるとそれはテイヤくんのスマホだった。


M「あいつこんなとこにスマホ落として…とりあえず呼んでくるわ。」

J「はい…お願いします。」


マモルさんはそう言って家の中に入って行った。


俺は家の門の前でテイヤくんが出てくるのを待つ。


素直に謝ろ…


素直にこの前、あいつらに言われたことをテイヤくんに伝えよう…


そう心の中で俺は決めていた。


すると、マモルさんが慌てた顔をして玄関から飛び出してきた。


M「テイヤ、部屋にいないけど…お前らなんかあったのか…!?」


マモルさんの言葉に俺は思わず目を逸らし下を向く。


すると、マモルさんは俺の目の前に立ち胸ぐらを掴んだ。


M「言え。今すぐ言え。」


俺はマモルさんにそう言われ全ての出来事を話した。


同じ高校の2年生の不良たちに絡まれてテイヤくんの事で脅され…


それのせいでテイヤくんを縛り付け、テイヤくんとその2年生たちの関係を知りたくて問い詰め喧嘩をしたと。


すると、マモルさんはその話を聞いて顔色が真っ青になっていく。


M「とりあえず…テイヤを探せ…」

K「はい…」

M「はいじゃねぇんだよ!?命かけて探せ!!テイヤにもしもの事があったら…俺はお前を…」


マモルさんのその目はいつもの脅しとは比べものにならないほどの圧力で、俺は思わず後退りをする。


J「でも俺どこを探したらいいか…」

M「テイヤは1年前!!あいつらにイタズラされそうになったんだよ!!!!」


マモルさんのその言葉を聞いて、俺の身体からは血の気が引きことの重大さを今更になって気づく。


J「え……」

M「ジュンサク、頼むから…死ぬ気で探してくれ…テイヤがスマホを手離して消えるなんて…あの日以来ありえないんだよ…もしもの時、GPSで探す約束だから…」

J「……うそ…だろ……」


マモルさんはバイクに跨り俺はチャリに跨ってテイヤくんを探し回った。


俺は何も知らなかった…


テイヤくんが心にそんな大きな傷を抱えている事すら気付いてあげられなかった。


テイヤくんの気持ちも考えずにただ、無神経にテイヤくんに迫り続けた俺は…


テイヤくんの事を犯そうとした最低な奴らと同じじゃねぇか。


なんでテイヤくんがあと少しの所で震えて拒んでいたのか…


俺のことを分かりやすいほどに愛してくれていたのに、それよりも先になぜ進む事が出来なかったのか…


後になって考えればすぐに勘付くことは出来たはずなのに…


俺はきっとテイヤくんに夢中になりすぎて、自分のことしか見えなくなっていたんだろう。


涙で滲み歪んで見える風景を俺は袖口で荒っぽく拭きペダルを深く踏み込む。


テイヤくん…ごめん…


俺の頭の中にはもうその言葉しか思い浮かばなかった。


汗だくになりながらチャリを漕ぎ、当てもなくテイヤくんを探し回っているとスマホが慌ただしく鳴った。


それはマモルさんからで俺は恐る恐るその着信を取る。


J「もしもし…」

M「〇〇公園の裏にある物置き小屋に来い…」


俺はその時のマモルさんの声は一生忘れる事が出来ないと思う…


俺はその声を聞いて…


まるで死の宣告をされたような気がした。


つづく
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

楽な片恋

藍川 東
BL
 蓮見早良(はすみ さわら)は恋をしていた。  ひとつ下の幼馴染、片桐優一朗(かたぎり ゆういちろう)に。  それは一方的で、実ることを望んでいないがゆえに、『楽な片恋』のはずだった……  早良と優一朗は、母親同士が親友ということもあり、幼馴染として育った。  ひとつ年上ということは、高校生までならばアドバンテージになる。  平々凡々な自分でも、年上の幼馴染、ということですべてに優秀な優一朗に対して兄貴ぶった優しさで接することができる。  高校三年生になった早良は、今年が最後になる『年上の幼馴染』としての立ち位置をかみしめて、その後は手の届かない存在になるであろう優一朗を、遠くから片恋していくつもりだった。  優一朗のひとことさえなければ…………

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

だって、君は210日のポラリス

大庭和香
BL
モテ属性過多男 × モブ要素しかない俺 モテ属性過多の理央は、地味で凡庸な俺を平然と「恋人」と呼ぶ。大学の履修登録も丸かぶりで、いつも一緒。 一方、平凡な小市民の俺は、旅行先で両親が事故死したという連絡を受け、 突然人生の岐路に立たされた。 ――立春から210日、夏休みの終わる頃。 それでも理央は、変わらず俺のそばにいてくれて―― 📌別サイトで読み切りの形で投稿した作品を、連載形式に切り替えて投稿しています。  エピローグまで公開いたしました。14,000字程度になりました。読み切りの形のときより短くなりました……1000文字ぐらい書き足したのになぁ。 📌本編モブ視点による、番外エピソード 「君はポラリス ― アンコール!:2年後の二人と俺と」を追加しました。

【完結】I adore you

ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。 そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。 ※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。

【完結】後悔は再会の果てへ

関鷹親
BL
日々仕事で疲労困憊の松沢月人は、通勤中に倒れてしまう。 その時に助けてくれたのは、自らが縁を切ったはずの青柳晃成だった。 数年ぶりの再会に戸惑いながらも、変わらず接してくれる晃成に強く惹かれてしまう。 小さい頃から育ててきた独占欲は、縁を切ったくらいではなくなりはしない。 そうして再び始まった交流の中で、二人は一つの答えに辿り着く。 末っ子気質の甘ん坊大型犬×しっかり者の男前

どうせ全部、知ってるくせに。

楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】 親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。 飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。 ※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。

箱入りオメガの受難

おもちDX
BL
社会人の瑠璃は突然の発情期を知らないアルファの男と過ごしてしまう。記憶にないが瑠璃は大学生の地味系男子、琥珀と致してしまったらしい。 元の生活に戻ろうとするも、琥珀はストーカーのように付きまといだし、なぜか瑠璃はだんだん絆されていってしまう。 ある日瑠璃は、発情期を見知らぬイケメンと過ごす夢を見て混乱に陥る。これはあの日の記憶?知らない相手は誰? 不器用なアルファとオメガのドタバタ勘違いラブストーリー。 現代オメガバース ※R要素は限りなく薄いです。 この作品は『KADOKAWA×pixiv ノベル大賞2024』の「BL部門」お題イラストから着想し、創作したものです。ありがたいことに、グローバルコミック賞をいただきました。 https://www.pixiv.net/novel/contest/kadokawapixivnovel24

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

処理中です...