【BL】花様年華〜僕たちの青春日記〜

樺純

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49話

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ジュンサクサイド

事件があったのは奴らが入学してきてすぐだったと…


テイヤくんに一目惚れした主犯格の男に告白をされたが、それをテイヤくんが断った事がこの事件の始まり。


それからテイヤくんは奴を含めた仲間達に学校でも学校の外でも付き纏われるようになった。


テイヤくんはそれを1人で抱え、誰にも相談できずにいて事件は起きた。


放課後、体育館裏にある倉庫に無理矢理連れ込まれたテイヤくんはイタズラされそうになったと。


しかし、たまたま体育館の倉庫整理にやって来たセイジ先生によって見つかった奴らはセイジ先生に顔を見られる前に逃げ出し…


セイジ先生が気づいた時には傷だらけのテイヤくんがそこで泣いていたそうだ。


それを知ったマモルさんは当時は違う高校に通っていたが、テイヤくんと同じ高校に転入し、この学校の生徒会長となりテイヤくんをそばで守ってきた。


セイジ先生、そしてマモルさんによってテイヤくんは守られ、それから奴らはテイヤくんに関わってくる事は殆どなくなってもう、諦めたんだとテイヤくんもホッとした時…


俺とテイヤくんは出会った。


そして、瞬く間に校内で噂になった俺とテイヤくんを見て奴は俺たちをよく思わなかったのだろう…


そして、結果的にあんな事になってしまったと…


T「アイツにジュンサクと別れて付き合って欲しいって言われてたんだ…でもあの日…それを断ったら…いきなり首を絞められて…」


テイヤくんは思い出したのか、また肩をプルプルと震わせ涙を流す。


J「テイヤくんもういいよ…辛かったら話さなくていいから…」


テイヤくんは俺の言葉に首を横に振り、深呼吸をするとゆっくりとまた、話始めた。




T「顔も叩かれた…無理矢理キスされそうになったから…アイツの大事なとこ蹴ったら…アイツの仲間が逆ギレして殴ってきて…破れていく服を見てアイツの仲間は笑ってた。やめろってもがいても何人もの力には勝てなくて…無理矢理腕を押さえられてあぁ…もうヤられるな…って思ったらマモルが飛び込んできて…1人で奴らをボコボコにしたんだ。でも、俺の頭の中にはジュンサクのことしかなくて…こんな事バレたらジュンサクに嫌われるかもとか…汚いと思われたらどうしようとかずっとそれしか頭になくて…ジュンサクの顔見たらまるで自分がジュンサクのこと裏切ったみたいな気持ちになって耐えられなかった…ごめん…」

J「テイヤくんはなにも悪くないじゃん…俺は絶対に嫌ったりなんかしないし汚いなんて思う訳ないだろ?」

T「でもその時はそう思っちゃったんだ…大好きすぎてジュンサクに嫌われるのが怖かった…」


そう言ったテイヤくんに俺の胸が震え、言葉が見つからず俺はテイヤくんをギュッと抱きしめた。


すると、そんな様子をみたイズミ先生はテーブルに肘を突き俺たちをじーっと見つめる。


I「その役目…私だったのにな…」

J「え?」

I「支えてくれる人ができたテイヤにはもう…私は必要ないみたいだね。」


イズミ先生が少し寂しそうにそう言うと、テイヤくんは俺の胸からパッと顔を上げて先生を見つめる。


T「そんなことないよ!俺にはイズミちゃんが必要だからね!ジュンサクとイズミちゃんは別!」

I「テイヤ~ありがとう~(泣)」

T「イズミちゃん~俺こそありがとう~(泣)」


なぜか2人は手と手を取り合い涙していた。


「まぁ、今まで守ってきたのは俺とマモルだけどな?」


手と手を取り合って泣いているイズミ先生とテイヤくんをほっこりとした気持ちで見ていると、背後から突然、そんな声が聞こえて俺は…ゾッとした。

つづく
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