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最終話
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あの後、国の政権はユウラさんの言った通りユウラさんの義弟が取り、王となったことによってまた時代が変わった。
私とコハクはこの町で望み通り「夫婦」となり、町中の人たちに祝福され、隣のおばあちゃんはお祝いとして大根を、坂を下った所にある家のおじいちゃんからは人参をもらった。
けっして贅沢とは言えない生活で細々と暮らしていたがそれが、とても幸せで畑仕事や釣りなどをしながら愛すべき人と穏やかな毎日を過ごした。
私のお腹もみるみるうちに大きくなっていき…
町中の人が私の出産を心待ちにし、毎日のようにご近所のお年寄り達が私に栄養のある物を持ってきてくれた。
そして、私がこの町に来て半年後。
その時を迎えた。
おんぎゃぁ~おんぎゃぁ~
大きく元気な泣き声と共に可愛い我が子が生まれた。
愛する人たちに見守られ祝福されながら愛しい我が子をこの手に抱き…
コハクは自分と同じ顔をした我が子を泣きながら見つめた。
そして、ユウラさんとニカヤさんはそんな私たちを優しく見守り、本当に幸せとはこういう事なんだと私は思った。
さらに1年後…
粉雪がちらつく寒空の中、波打つ音に耳を澄ませながら私は可愛い息子を抱き…
コハクは冷たい風から私たちを守るように抱きしめる。
そして、ユウラさんは胸の前に手を祈るよう組みあの人の帰りを静かに待つ。
ぼんやりと霞んだ海の中からユラユラと揺られ徐々に姿が浮かび上がってくる。
ユウラさんはそっと目を閉じ肩を震わせていた。
私とコハクはシそんなユウラさんの背中を見つめるように見守ると…
その人はゆっくりと陸に降り立ち…
ユウラさんの姿を見つけてすぐ顔を顰めながら涙を流し、片手で顔を覆うと肩を震わせた。
その人はゆっくりとユウラさんの前にいくと、その大きな胸でか細いユウラさんの腰をギュッと抱きしめ…
ユウラさんは涙を流し、その人の首に手を回しさらに強く抱き寄せた。
Y「ジナタ…おかえり。」
J「な…なんでユラトがここにいるんだよ…」
Y「ユラトじゃなく…俺の名前はユウラ。ジナタの為に全て捨てた…ユラトという名も…王という人生ごと俺は全て捨てました…だから…ジナタ…責任…とってね。」
J「愛してるよ…ユウラ…」
Y「俺も…」
そう言ってユウラさんはジナタさんの唇をゆっくりと甘く塞ぎ…
粉雪は長い月日を想い合い待ち続けたふたりを祝福するようにユラユラと舞い落ちる…
ふたりの長く切ない悲しき恋はこうして終わりを迎え…
真っ白な満開の雪の華を咲かせた。
終
私とコハクはこの町で望み通り「夫婦」となり、町中の人たちに祝福され、隣のおばあちゃんはお祝いとして大根を、坂を下った所にある家のおじいちゃんからは人参をもらった。
けっして贅沢とは言えない生活で細々と暮らしていたがそれが、とても幸せで畑仕事や釣りなどをしながら愛すべき人と穏やかな毎日を過ごした。
私のお腹もみるみるうちに大きくなっていき…
町中の人が私の出産を心待ちにし、毎日のようにご近所のお年寄り達が私に栄養のある物を持ってきてくれた。
そして、私がこの町に来て半年後。
その時を迎えた。
おんぎゃぁ~おんぎゃぁ~
大きく元気な泣き声と共に可愛い我が子が生まれた。
愛する人たちに見守られ祝福されながら愛しい我が子をこの手に抱き…
コハクは自分と同じ顔をした我が子を泣きながら見つめた。
そして、ユウラさんとニカヤさんはそんな私たちを優しく見守り、本当に幸せとはこういう事なんだと私は思った。
さらに1年後…
粉雪がちらつく寒空の中、波打つ音に耳を澄ませながら私は可愛い息子を抱き…
コハクは冷たい風から私たちを守るように抱きしめる。
そして、ユウラさんは胸の前に手を祈るよう組みあの人の帰りを静かに待つ。
ぼんやりと霞んだ海の中からユラユラと揺られ徐々に姿が浮かび上がってくる。
ユウラさんはそっと目を閉じ肩を震わせていた。
私とコハクはシそんなユウラさんの背中を見つめるように見守ると…
その人はゆっくりと陸に降り立ち…
ユウラさんの姿を見つけてすぐ顔を顰めながら涙を流し、片手で顔を覆うと肩を震わせた。
その人はゆっくりとユウラさんの前にいくと、その大きな胸でか細いユウラさんの腰をギュッと抱きしめ…
ユウラさんは涙を流し、その人の首に手を回しさらに強く抱き寄せた。
Y「ジナタ…おかえり。」
J「な…なんでユラトがここにいるんだよ…」
Y「ユラトじゃなく…俺の名前はユウラ。ジナタの為に全て捨てた…ユラトという名も…王という人生ごと俺は全て捨てました…だから…ジナタ…責任…とってね。」
J「愛してるよ…ユウラ…」
Y「俺も…」
そう言ってユウラさんはジナタさんの唇をゆっくりと甘く塞ぎ…
粉雪は長い月日を想い合い待ち続けたふたりを祝福するようにユラユラと舞い落ちる…
ふたりの長く切ない悲しき恋はこうして終わりを迎え…
真っ白な満開の雪の華を咲かせた。
終
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