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浅井side
殆ど寝て過ごした午後からの授業、いつの間にかホームルームになっていて、気づいたら教卓には月島先生がいた。
朝からなんら変わらず不良達に揶揄われているのに朝とは打って変わり、それに対してひるむ事のなくなった月島先生。
見た目はあんなに可愛い子猫ちゃんみたいなのに、案外、芯はしっかりしてて、腹は据わってるんだな…なんて朝のか弱そうな印象からは真逆な印象へと変わり、今まで見た目倒しだった担任たちと比べている自分がいた。
ホームルームが終わり慌ただしく生徒達が走って帰る中、俺もカバンを持って立ち上がろうとすると…
凹「こら!!三木くんと浅井くんは居残りって言っただろう!あ、こら三木くん待ちなさーい!」
カバンを持って走って逃げて行った三木を月島先生は追いかけたが、あまりの速さから諦めて先生は教室に戻ってきた。
凸「三木がいねぇなら俺も帰るわ。」
俺が月島先生にそう言って通り過ぎようとすると、月島先生は俺の腕をガシっと掴んだ。
凹「ダメです!居残りです!ほら、そこに座りなさい。」
俺の力なら最も簡単に月島先生のその手を払い退け、教室を逃げ出すことも出来たのに、俺は言われるがまま月島先生に導かれるようにして自分の席に座る。
凹「ほら~他のみんなは早く帰る~!寄り道したらダメだからな!」
なんて月島先生は叫び、不良たちばかりのクラスなのに物怖じする事なく、みんなを教室から追い出し扉を閉め俺の前の席に座った。
そして、一枚の紙を俺の机の上に置く。
凸「なにこれ。」
凹「反省文。18時までに書き終えること!!」
月島先生はそう言って俺の手を取りシャープペンを持たせるとまた、俺の胸がドキッと返事をした。
俺はそれを誤魔化すように咳払いをしダラけた座り方をする。
凸「めんど…」
凹「書かないと永遠に帰れないからな!!先生も折れないから!!」
プンっという効果音が聞こえてきそうなほどほっぺを膨らませた月島先生が可愛くて、ニヤケそうになる口元を手のひらで覆うと俺は誤魔化すように学年と名前を書いていく。
それを見て安心したのか月島先生は本を取り出し本を読み始めた。
俺は反省文の内容を考えるものの…何も思いつかずじーっと真っ白な紙だけを見つめる。
とりあえず、ごめんなさい。とだけひと言書いてみて、もう二度としません。と付け足してみた。
しかし、1枚が埋まるには程遠い。
はぁ~永遠に終わんねぇわ~そう頭を抱えると窓から心地よい風が吹き込んできて、ふと月島先生に目をやると、月島先生は柔らかい髪を揺らしながらいつの間にかウトウトと居眠りをしていた。
無防備な月島先生の寝顔。
長いまつ毛の先まで見えて思わず俺はゴクリと喉を鳴らす。
シャーペンを握っていた手は気がつけば机にシャーペンを置き、月島先生に触れようとゆっくりと動き出す。
その手は俺の意思で動いているはずなのにまるで俺の意思ではない…そんな感じ。
もう少し…
あともう少し…
俺の指先が月島先生の頬を捉えようとしたその瞬間…!!
勢いよく教室の扉が開き、俺の心臓は一瞬止まった気がした。
つづく
殆ど寝て過ごした午後からの授業、いつの間にかホームルームになっていて、気づいたら教卓には月島先生がいた。
朝からなんら変わらず不良達に揶揄われているのに朝とは打って変わり、それに対してひるむ事のなくなった月島先生。
見た目はあんなに可愛い子猫ちゃんみたいなのに、案外、芯はしっかりしてて、腹は据わってるんだな…なんて朝のか弱そうな印象からは真逆な印象へと変わり、今まで見た目倒しだった担任たちと比べている自分がいた。
ホームルームが終わり慌ただしく生徒達が走って帰る中、俺もカバンを持って立ち上がろうとすると…
凹「こら!!三木くんと浅井くんは居残りって言っただろう!あ、こら三木くん待ちなさーい!」
カバンを持って走って逃げて行った三木を月島先生は追いかけたが、あまりの速さから諦めて先生は教室に戻ってきた。
凸「三木がいねぇなら俺も帰るわ。」
俺が月島先生にそう言って通り過ぎようとすると、月島先生は俺の腕をガシっと掴んだ。
凹「ダメです!居残りです!ほら、そこに座りなさい。」
俺の力なら最も簡単に月島先生のその手を払い退け、教室を逃げ出すことも出来たのに、俺は言われるがまま月島先生に導かれるようにして自分の席に座る。
凹「ほら~他のみんなは早く帰る~!寄り道したらダメだからな!」
なんて月島先生は叫び、不良たちばかりのクラスなのに物怖じする事なく、みんなを教室から追い出し扉を閉め俺の前の席に座った。
そして、一枚の紙を俺の机の上に置く。
凸「なにこれ。」
凹「反省文。18時までに書き終えること!!」
月島先生はそう言って俺の手を取りシャープペンを持たせるとまた、俺の胸がドキッと返事をした。
俺はそれを誤魔化すように咳払いをしダラけた座り方をする。
凸「めんど…」
凹「書かないと永遠に帰れないからな!!先生も折れないから!!」
プンっという効果音が聞こえてきそうなほどほっぺを膨らませた月島先生が可愛くて、ニヤケそうになる口元を手のひらで覆うと俺は誤魔化すように学年と名前を書いていく。
それを見て安心したのか月島先生は本を取り出し本を読み始めた。
俺は反省文の内容を考えるものの…何も思いつかずじーっと真っ白な紙だけを見つめる。
とりあえず、ごめんなさい。とだけひと言書いてみて、もう二度としません。と付け足してみた。
しかし、1枚が埋まるには程遠い。
はぁ~永遠に終わんねぇわ~そう頭を抱えると窓から心地よい風が吹き込んできて、ふと月島先生に目をやると、月島先生は柔らかい髪を揺らしながらいつの間にかウトウトと居眠りをしていた。
無防備な月島先生の寝顔。
長いまつ毛の先まで見えて思わず俺はゴクリと喉を鳴らす。
シャーペンを握っていた手は気がつけば机にシャーペンを置き、月島先生に触れようとゆっくりと動き出す。
その手は俺の意思で動いているはずなのにまるで俺の意思ではない…そんな感じ。
もう少し…
あともう少し…
俺の指先が月島先生の頬を捉えようとしたその瞬間…!!
勢いよく教室の扉が開き、俺の心臓は一瞬止まった気がした。
つづく
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