お迎えから世界は変わった

不知火

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1.中学3年生

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僕が食べ終わると、お兄ちゃんは頭をぽんぽんとして


「お、食べ切ったな!えらいえらい!」


と頭を撫でてくれた。
久々だ・・・。
僕が熱を出してもお母さんは藤井さんに任せっきりだった。こんな愛情もらったことない・・・。


「じゃあ、僕は理事長の所へ行ってくるからね?
ちゃんと寝るんだよ?」

「うん、ありがとうお兄ちゃん」


さりげなく僕が食べ終わった後の食器も片づけてくれるし、お兄ちゃん優しすぎる・・・。

おう、と言い、出ていったお兄ちゃんはすぐ帰って来るはずだ。
ちょっと眠くなってきたし、寝よう・・・。

誰のか知らない布団さん、またお借りします…

ぺこっと布団に一礼して、まだ温もりの残る布団に潜った。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

コンコンとノックの音が理事長室に響く。


「はい、どうぞ」

「失礼します」


夏樹は理事長室のドアを開けると、誰も居ないことを確認して、春華ね~?と話しかけていった。


「春華ね~?じゃないですよ!
ここは理事長室です、敬語でお願いします」

「ちぇっ、堅苦しいなぁ・・・!
でもまぁ、今日は早く春華の所に帰りたいし仕方ねぇ・・・。
理事長、春華の容態についてなんですけど」

「それでよろしい。
で?どうです?熱は下がりました?」

「まぁ、前よりは下がりましたけどまだ高いです。
お粥は食べれたので大丈夫だとは思いますけどね。」

「なら良かったです、明日には同室の子と会えるかもですね。
報告ありがとう、下がっていいよ」

「失礼しました」


バタンとドアが閉まり、沈黙が訪れたのもつかの間、またドアが開いた。それもノックなしで。


「やっぱ堅苦しい凰きら~い」


んべっと舌を出し、直ぐに帰っていく夏樹に


「あの生意気小僧め・・・」


と怒りを顕にする凰であった。
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