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2章 闇語り
95「行先」
しおりを挟む・望みの場所について
――――――――――――――――――――――――
お寺で修行している知り合いの話。
誰が言ったのか忘れたが、
『自分の行先は自分が決める』―――
そう言った偉人がいたそうだ。
因果応報、報い、道徳にモラル……
いかにも仏教らしい考えで―――
それに通じるのではと、彼が同僚と話して
いると彼らの師匠がやってきた。
「昔の学者で、そう主張した人間は
いたなあ」
有名かどうかは知らないが、と前置きした上で、
そういう説は意外とあるのだという。
曰く、もし争いが好きな人間なら、死んだ後は
争い合っている『場所』へ―――
騙すのが好きな人間なら、騙し合っている
『場所』へ……
そして平穏が好きな人間なら、平穏な『場所』へ
自ずとたどり着くのだという。
「人間より上の存在とか、神様に裁かれる
のではなく―――
『自らを裁き、自らに裁かれる』、という
考えだな。
仏教でいうのなら、他力本願とは対極の
自力本願に似たような感じか」
そしてその『場所』へ行ったとしても、
そこが天国か地獄であるかは本人次第なのだと。
「しかし……
それだと自分次第、という事になりませんかね?
例えば、自分がそう信じていたから―――
正しいと思ったから、とか」
「どういう事だ?」
彼の質問を師は聞き返し、
「例えば死こそ救いだとか、苦しみからの
解放だとか、そういうサイコパス的な
人間に取っては」
それを聞いた師はフム、と少しうなずき、
「でもそういう連中が集まる『場所』に
行くんだからなあ。
今度は自分が被害者になる可能性も
あるんだから―――」
それもそうか、と全員がうなずく。
「まあ仏教とは相容れない―――
もしくは死こそ救済だとかほざくヤツが
落ちる地獄っていうのはあるけどな」
続けて師はそう言って締めくくった。
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