【完結】ゲーセンダンジョン繁盛記 ~魔王に異世界へ誘われ王国に横取りされ、 そこで捨てられた俺は地下帝国を建設する~

アンミン

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42・事情聴取

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「ヒロトお兄ちゃん、その人たちは?」

クラークさん、ミントさん、そしてパトラを連れて
『ダンジョン』の中へ帰ると……
セミロングの薄黄色の髪を揺らしながら、『妻』が
早足で寄ってきた。

「魔物に襲われていた冒険者さんたちだよ。
 パトラさんに助けてもらったらしい。

 眷属化しているから大丈夫。
 それで、新しく出来た施設から適当にパンとか
 飲み物とか持ってきてくれ」

俺の要請にリナがうなずき―――

「パトラさんは、無事戻ってきたって
 みんなに報告してきてくれないかな。
 心配しているだろうし。

 あと、みんなも新しい施設から適当に
 持っていっていいから」

「わかったぞ」

「あ、それと―――
 囲いで仕切られたコーナーがあるから、
 そこには入らないよう子供たちに注意を」

コンビニには雑誌とかアダルトな本の、
18禁コーナーがあるからな……
そこは見せないようにしないと。

そしてそれぞれが動き始め、改めて俺は彼らから、
この魔境の森へ来た事情を聞く事にした。



「行方不明者の探索、ですか」

「ああ、奴隷商の連中がこの森で消息を
 絶ったらしい。

 それで……」

と、事情聴取に応じる戦士の横で、

「うまっ! 甘っ!!
 何だこれ!?
 こんなパン、今まで食った事ねぇよ!!」

シーフタイプの女性が、菓子パンや総菜パンに
かぶりつく。

まあ空腹のところへ、文字通り別世界のオイシサの
食べ物を持ってきたからな……
無理もないだろう。

「すまないな。
 ただ正直、俺もこれほどの物は食べた事がない。

 持ち帰って貴族や商人に売るだけでも、
 ひと財産儲けられそうだ」

「ええと、これはあくまでも軽食なので。
 あとでちゃんとしたご飯を出しますから。

 それで、その奴隷商というのは?
 誰が依頼を?」

軽食という言葉に彼は目を丸くするが、
情報収集のために会話を続ける。

「グロンソンとかいうヤツとその一行だ。

 依頼主はわかっていない。
 名前を伏せて依頼を出す事はあるし―――

 親族でなければ、商売敵とかだろう。
 確実にいなくなった事を確認するためとかで
 よくあるんだ」

確かに、親族なら名前を隠す必要はないだろう。
商売敵にしろ、動くなら確実な情報をつかんでから、
というのはわからなくもないし。

「まあ、アコギなヤツだったらしいからね。
 ココに来る前に少し調べたけど、同業者の
 評判すら悪かったようだし」

ミントさんが食べるのをいったん止めて、
会話に参加する。

しかしどうしたものか。
その行方不明には俺がしっかり関わって
いるわけで……

チラ、と同席しているリナの顔を見ると―――
コクリとうなずく。
その情報に関しては、『お任せします』とでも
いうように。

俺は意を決して、冒険者二人に向き合い、

「その奴隷商と思われる一行なら、俺が
 『処分』しました」

「……事情わけを聞いても?」

クラークさんの問いに、俺はうなずき、

「奴隷売買自体は合法なので、俺はそれで
 とやかくは言いません。

 ただ相場を知らない人間から安く買い叩いたり、
 子供たちをいざという時の魔物のオトリに
 しようとか―――

 これから先、コイツらは生きていてもロクな
 事はしないと思ったからです」

「その話しっぷりからすると……
 連中が連れていた子供たちは、無事って事で
 いいのかい?」

女性冒険者が聞き返して来ると、俺は黙って
首を縦に振る。

そこでクラークさんとミントさんは顔を見合わせ、

「俺たちが依頼を受けたのは―――
 『奴隷商とその一行』の安否確認だ」

「商品の確認までは含まれていないんでね」

こちらの不安や懸念を先回りして、それを払拭ふっしょく
するように答える。

この手の交渉や揉め事には慣れているという
感じだ。

「彼らが連れていた子供たちは、眷属化して
 このダンジョンで保護しています。

 なのであなた方にも、眷属になって頂いたの
 ですが……

 もちろん、帰って頂く時に眷属化は解きます」

俺の言葉に、冒険者の二人は少し無言になり、

「それは有難いんだが―――

 そっちに何か要求は無いのか?」

「命の恩人だし、ここの事は話さないつもりで
 いるけどさ。

 でもそれだけじゃ、借りがデカ過ぎるって
 いうか」

そこで俺はリナにアイコンタクトを取り、

「(どうしようか。
 リナから見てどう?
 この人たちは信用出来そう?)」

「(大丈夫と思いますよ?

 それに冒険者は恩義や信用をすごく大事に
 するって聞いた事があります。

 命がけの依頼もありますから、万が一の時に
 それってすごく重要になるんです)」

確かになあ。
危険な依頼や魔物の討伐依頼もあるわけだし。

「……わかりました。

 それではクラークさん、ミントさんには―――」

ゴクリ、と喉が鳴る音が聞こえてくる。
俺は続けて、

「ここのお客様の、第一号となって
 もらいます」

二人はその言葉を飲み込むのに時間が
かかったのか……
理解した順に、『は?』『へ?』と声を上げた。


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