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鬼ヶ島でひとあばれしてきたおっさんが都を歩いていると、美しいお姫様と、その家来の、何やら背丈が小指ほどの大きさしかない少年に出くわしました。
聞けば立派なことにその少年、今しがた針一本で鬼を撃退したと言うのだから驚きです。
しかし……一方で、お姫様は何やら困り顔と言うか、浮かない顔と言うか、何ともしっくりこないような微妙な顔をしています。
「どうにも、何か足りないとはお思いませんか?」
お姫様にそう聞かれたので、鬼が置いていったと言う宝物を見せて貰うと、きらびやかな金銀財宝、見るからに高そうなツボに掛け軸に……おっさんは「ああ、そうか」と、一人こっそり手を打ちました。
そして二人と別れたあとで都の門の影に隠れ、早速一ちょうのこづちになります。
「ああ、そうそう! これなの、これこれ!」
おっさんと別れるや、ふと宝物の中にこづちを見付けたお姫様は、思わず身体を飛び跳ねさせてその発見を大変喜びました。
なので、おっさんはおっさんでやっぱり、それをこっそり喜びました。
聞けば立派なことにその少年、今しがた針一本で鬼を撃退したと言うのだから驚きです。
しかし……一方で、お姫様は何やら困り顔と言うか、浮かない顔と言うか、何ともしっくりこないような微妙な顔をしています。
「どうにも、何か足りないとはお思いませんか?」
お姫様にそう聞かれたので、鬼が置いていったと言う宝物を見せて貰うと、きらびやかな金銀財宝、見るからに高そうなツボに掛け軸に……おっさんは「ああ、そうか」と、一人こっそり手を打ちました。
そして二人と別れたあとで都の門の影に隠れ、早速一ちょうのこづちになります。
「ああ、そうそう! これなの、これこれ!」
おっさんと別れるや、ふと宝物の中にこづちを見付けたお姫様は、思わず身体を飛び跳ねさせてその発見を大変喜びました。
なので、おっさんはおっさんでやっぱり、それをこっそり喜びました。
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