7 / 48
戦闘
しおりを挟む
「『レイ』」
発動したのは極光のレーザー。発動した光属性中級魔法、しかし発動速度が全魔法中トップクラスということもあり、ライズが愛用している魔法だった。
「ぐあっ」
放たれたレーザービームは、通過した人間の体を容赦なく加熱し、当たり所が悪かった人は焦げた肉のにおいを漂わせながら動かぬ人形へとなり果てた。
「『レイ』」
ジュッっという音とともに、かけられていた魔法の扉の鍵が一瞬にして溶ける。
「鍵が開けられた! 速く増援を!」
「予定よりも早い! 人質持ってこい!」
せわしなく動き回る黒の一団。しかしこれを待ってあげるほど、ライズはお人よしではない。
「焦げ臭くなるのも考え物だな......」
今ライズがいるのは図書室。そこには王立図書館ほどではないものの、大量の文献が収納されている。
万が一、魔法の流れ弾が本に当たった日には......考えただけでライズは身震いをした。
「床の血は許してくれるよな......? 我は望む 命の炎。燃えて燃えて 燃え尽きよ 『ライフフレイム』」
その瞬間、あたり一面から炎が噴き出した。
「対象の生命力を燃料に体を燃え上がらせる......なんでこんな魔法、作ったんだろな」
これはライズのオリジナル魔法。生命力を燃料とするため、燃え移る心配はない。焦げ臭いのはいつものことだ。
「火と光って、こういう熱系多いからすぐ焦げるんだよなー。密室しんどい、早く外出ろ。」
そんなことをぶつぶつとつぶやきながら、敵の本軍がいるであろう場所へと向かうのであった。
「やっぱここだったか」
「き、貴様! どうしてここがわかった!」
「だってさ、図書室に立てこもるって、普通目当てはこれだろう?」
ライズが指をさしたのは大きな扉。
扉の中心には大きな施錠魔法陣が。そこに彼らは装置をつけて開錠しようとしていた。
そこはまぎれもなく、第二級立入制限区域であった。
つまるところ、王立図書館の次に見せられないような書物が置いてある、ということに他ならない。
「そんなところの書物を、どうするのかねぇ......」
「俺たちの勝手だろ、それより見ろ、こいつの命がどうなってもいいのか?」
そうやって見せられたのは一人の男。その口には猿轡がはめられ、「もがもが」ともがいていた。しかしその目は少し充血していて、こちらをにらみ殺さんとしている。
普通ならば猿轡を外して「助けてくれ!」なんてシーンが流れるのだろうが、魔法師を、しかも詠唱をしないと魔法を使えないような、二流魔法師相手に猿轡を外すようなヘマ、やはりしないようだ。
黒ずくめはじたばた動くのトルネ先生が気に食わなかったようで、遠くの壁へと放り投げた。壁が壊れる音と、「もごぉ」という最後の言葉。
人質はともかくとしても、ライズはこの黒ずくめに見覚えがあった。
「お前ら、どこ所属だ?」
ライズは呼び出した棒の先端を黒ずくめたちに向ける。
彼らは、こう答えた。
―――――『天星教団』と。
「きっとそうだろうと思ったよ、まがい物」
ライズは、そう返した。もちろんそれに黙っている彼らではない。
「貴様! 我らが天星教団を愚弄するか!」
「そうだ。まがい物はおとなしく燃え尽きろ」
ライズは、装備を全て装着する。
黄金色の全身鎧に身を包み、鎧のあちこちから伸びている赤い線が輝く。
先ほどまで持っていた棒も輝きを増した。
「まさか、その装備は......」
「俺はそうだな......ただのライズだ」
そうはいったが、目の前の黒ずくめはある人物だと確信していたらしい。
「まさか、天星教団のトップの一人がいるとは思ってもみなかったが......都合がいい! ここで貴様を倒して、我らの名声を不動のものにするのだ!」
「ほう。しかし、俺が倒せるとでも?」
棒を突き出し、唱える。
「我は希う 太陽の鱗片、その一かけら。 その威光を我らに示せ! 『紅炎』!」
その瞬間、棒から巨大な炎が伸びる。
「我は希う 不壊の盾 現れ、わが身を守り給え 『守護の女神』!」
すぐに詠唱された二人の上級魔法。それらはすぐに放出され、現世に顕現した。
ぶつかり合う魔法と魔法。片方は、太陽の力を現世に顕現し、もう片方は、神の盾の模倣を顕現させた。
が、勝負は早々に決着した。
「そりゃ、俺が勝つだろう」
「何故、何故!」
「魔法は、使いようだ」
「何を......貴様、まさか!」
ライズ、否、サンライズは答えなかった。
ぶつかり合う魔法と魔法。出力はどちらも同じ程度であった。しかし、黒ずくめは間違えた。
女神の盾は確かに魔法によって炎から守っていた。
しかし、炎から発された熱までは、守ることができなかった。
「貴様、きさまぁぁぁぁああああ!」
魔力も限界だったのだろう。魔法が解けた黒ずくめは、その断末魔を遺して炎に焼かれた。
後に残ったのは、燃焼に特に強く作られた第二級立入制限区域の壁と床、そして遥か遠くに投げ捨てられたトルネ先生と、何かが燃えた後の灰だけだった。
発動したのは極光のレーザー。発動した光属性中級魔法、しかし発動速度が全魔法中トップクラスということもあり、ライズが愛用している魔法だった。
「ぐあっ」
放たれたレーザービームは、通過した人間の体を容赦なく加熱し、当たり所が悪かった人は焦げた肉のにおいを漂わせながら動かぬ人形へとなり果てた。
「『レイ』」
ジュッっという音とともに、かけられていた魔法の扉の鍵が一瞬にして溶ける。
「鍵が開けられた! 速く増援を!」
「予定よりも早い! 人質持ってこい!」
せわしなく動き回る黒の一団。しかしこれを待ってあげるほど、ライズはお人よしではない。
「焦げ臭くなるのも考え物だな......」
今ライズがいるのは図書室。そこには王立図書館ほどではないものの、大量の文献が収納されている。
万が一、魔法の流れ弾が本に当たった日には......考えただけでライズは身震いをした。
「床の血は許してくれるよな......? 我は望む 命の炎。燃えて燃えて 燃え尽きよ 『ライフフレイム』」
その瞬間、あたり一面から炎が噴き出した。
「対象の生命力を燃料に体を燃え上がらせる......なんでこんな魔法、作ったんだろな」
これはライズのオリジナル魔法。生命力を燃料とするため、燃え移る心配はない。焦げ臭いのはいつものことだ。
「火と光って、こういう熱系多いからすぐ焦げるんだよなー。密室しんどい、早く外出ろ。」
そんなことをぶつぶつとつぶやきながら、敵の本軍がいるであろう場所へと向かうのであった。
「やっぱここだったか」
「き、貴様! どうしてここがわかった!」
「だってさ、図書室に立てこもるって、普通目当てはこれだろう?」
ライズが指をさしたのは大きな扉。
扉の中心には大きな施錠魔法陣が。そこに彼らは装置をつけて開錠しようとしていた。
そこはまぎれもなく、第二級立入制限区域であった。
つまるところ、王立図書館の次に見せられないような書物が置いてある、ということに他ならない。
「そんなところの書物を、どうするのかねぇ......」
「俺たちの勝手だろ、それより見ろ、こいつの命がどうなってもいいのか?」
そうやって見せられたのは一人の男。その口には猿轡がはめられ、「もがもが」ともがいていた。しかしその目は少し充血していて、こちらをにらみ殺さんとしている。
普通ならば猿轡を外して「助けてくれ!」なんてシーンが流れるのだろうが、魔法師を、しかも詠唱をしないと魔法を使えないような、二流魔法師相手に猿轡を外すようなヘマ、やはりしないようだ。
黒ずくめはじたばた動くのトルネ先生が気に食わなかったようで、遠くの壁へと放り投げた。壁が壊れる音と、「もごぉ」という最後の言葉。
人質はともかくとしても、ライズはこの黒ずくめに見覚えがあった。
「お前ら、どこ所属だ?」
ライズは呼び出した棒の先端を黒ずくめたちに向ける。
彼らは、こう答えた。
―――――『天星教団』と。
「きっとそうだろうと思ったよ、まがい物」
ライズは、そう返した。もちろんそれに黙っている彼らではない。
「貴様! 我らが天星教団を愚弄するか!」
「そうだ。まがい物はおとなしく燃え尽きろ」
ライズは、装備を全て装着する。
黄金色の全身鎧に身を包み、鎧のあちこちから伸びている赤い線が輝く。
先ほどまで持っていた棒も輝きを増した。
「まさか、その装備は......」
「俺はそうだな......ただのライズだ」
そうはいったが、目の前の黒ずくめはある人物だと確信していたらしい。
「まさか、天星教団のトップの一人がいるとは思ってもみなかったが......都合がいい! ここで貴様を倒して、我らの名声を不動のものにするのだ!」
「ほう。しかし、俺が倒せるとでも?」
棒を突き出し、唱える。
「我は希う 太陽の鱗片、その一かけら。 その威光を我らに示せ! 『紅炎』!」
その瞬間、棒から巨大な炎が伸びる。
「我は希う 不壊の盾 現れ、わが身を守り給え 『守護の女神』!」
すぐに詠唱された二人の上級魔法。それらはすぐに放出され、現世に顕現した。
ぶつかり合う魔法と魔法。片方は、太陽の力を現世に顕現し、もう片方は、神の盾の模倣を顕現させた。
が、勝負は早々に決着した。
「そりゃ、俺が勝つだろう」
「何故、何故!」
「魔法は、使いようだ」
「何を......貴様、まさか!」
ライズ、否、サンライズは答えなかった。
ぶつかり合う魔法と魔法。出力はどちらも同じ程度であった。しかし、黒ずくめは間違えた。
女神の盾は確かに魔法によって炎から守っていた。
しかし、炎から発された熱までは、守ることができなかった。
「貴様、きさまぁぁぁぁああああ!」
魔力も限界だったのだろう。魔法が解けた黒ずくめは、その断末魔を遺して炎に焼かれた。
後に残ったのは、燃焼に特に強く作られた第二級立入制限区域の壁と床、そして遥か遠くに投げ捨てられたトルネ先生と、何かが燃えた後の灰だけだった。
0
あなたにおすすめの小説
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚
熊虎屋
ファンタジー
現世で一度死んでしまったバスケットボール最強中学生の主人公「神崎 凪」は異世界転生をして上位貴族となったが魔法が土属性というハズレ属性に。
しかし職業は最強!?
自分なりの生活を楽しもうとするがいつの間にか世界の英雄に!?
ハズレ属性と最強の職業で英雄となった異世界転生譚。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
元万能技術者の冒険者にして釣り人な日々
於田縫紀
ファンタジー
俺は神殿技術者だったが過労死して転生。そして冒険者となった日の夜に記憶や技能・魔法を取り戻した。しかしかつて持っていた能力や魔法の他に、釣りに必要だと神が判断した様々な技能や魔法がおまけされていた。
今世はこれらを利用してのんびり釣り、最小限に仕事をしようと思ったのだが……
(タイトルは異なりますが、カクヨム投稿中の『何でも作れる元神殿技術者の冒険者にして釣り人な日々』と同じお話です。更新が追いつくまでは毎日更新、追いついた後は隔日更新となります)
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる