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一章 校内魔法対抗戦
校内魔法対抗戦 そのいち
しおりを挟む「棒術か。なら、ガイア、お前は見つけると気がきっとくる。その時のために魔法の修練を欠かすな。」
「ライズ先生は、その答えを持っている。いつか知るなら、今知っても同じ」
「答えは、お前が見つけるべきだ。この答えをもらったところで、お前は真に変わることができない」
「変わる? なにからなにへ?」
「それもきっと、分かると気が来るさ。もし答えを見つけたときは、歓迎しよう」
そう言って、ライズは研究室へと歩いていく。もう話すことはない、というよりは、話せることはすべて言ったから、これからはお前次第、と期待しているような背中。
ガイアは、その背中に、英雄のようなたくましさに、憧れるのだった。
「さて、今日は校内......何だっけ」
「校内魔法対抗戦です! 試合は最初はいくつかのグループに分けてバトルロワイヤル方式で戦闘を開始、そして後半からはトーナメントによる個人戦です! そしてルールは殺傷禁止、あからさまな挑発行為は注意喚起ですよ! 注意してください!」
そう、ソフィア先生が隣で大きな声を出していた。
「ライズ先生も、いい加減覚えてください!」
こっちにも叱責が飛んできた。とライズは思ったが、覚える気は全くない。
「それでは移動します!」
ソフィア先生が先頭を歩いて、ライズが最後尾。
どうやら学校外の闘技場を使うようで、学園の外に出たあたりで皆、グループに固まりだした。
「ライズ先生!」
エアリがこちらにはしてくる。そしてついていくようにしてガイアが来る。
この子たちもグループに行かなくて良いのだろうか......?
「ライズ先生」
「どうしたガイア」
「ヒント頂戴」
やっぱり、今朝のことをずっと考えていたようだ。
「それならヒントだ。答えはないが、答えだと思った時、それが答えだ。考えても出てくるようなものじゃあない。だから今無理に考える必要はない」
「そう。わかった」
そう言って、ガイアはエアリの奥へと行ってしまった。
少し視線を落とす。
にっこりというよりにまぁ、という表現が正しいぐらいに頬が緩み切っているエアリの姿。何か買い食いでもしたのだろうか。
「あ! 先生今失礼なこと考えなかったですか!」
「気のせいだ気のせい」
ちっ、勘のいいガキめ。とはいっても、この天性の何かがあるからこそエアリなんだろう。
「つきました、ここが闘技場です! 最初はバトルロワイヤルですよー!」
「優勝を目指す奴は、ペース配分に気をつけろー」
ソフィア先生の張りのある声に続いて緩み切ったライズの声が聞こえる。
が、皆、顔の表情は緩むことなく、これからの戦闘を見据えていた。
「そんじゃ、一試合目に出場するやつら、いきなり試合だ。俺についてこーい」
一人すたすたと歩いていくライズ。ソフィア先生が「まったく、あの人はマイペースですね!」なんて怒っているが、ライズが気にする様子はない。一試合目の選手数名がライズに走ってついていく。
「それでは、私たちは観客席に行きますよー! 外部の方も来られます、学生らしい行動を心がけてください!」
そう言うと、ソフィア先生は「それじゃあ売店に行きましょう!」と大きな声で言っていた。先に生徒を観客席まで連れて行ってくれると嬉しいのだが......とライズは遠くで考えていたが、ここで生徒がたとえ観客席にたどり着けなくても、そっちに顔を出すのはなんかさっき空気読まずに歩いてきた当たり格好が悪い。
大人しく、今日は大会出場者に張り付くことにしよう。
「準備体操や装備の確認時間はそこの時計の長いほうが大きい数字二つ分動くまで、だ。急げよー」
学校で鐘に頼る生活をしている諸君には珍しく映るだろう、この最新式魔道具、時計というのは!
どうやら異世界のものを召喚された勇者が伝えたようだ。こういった文化の吸収を行えるから異世界召喚はやめられない。
しっかし、これは精密に作られているだろうに、どうやって再現しているのだろうか......
この中のパーツは彼らの世界にはないと聞く。そう考えると、この世界の何らかの力で作ったと考えるのが自然だろう。
「先生」
「どうした」
「装備っていくつまで持ち込み可でしたか」
「支給される防具のほかにメインウェポン一つ、サブ一つ、その他アイテムは三つ。補充できないうえ、あるなら申請が必要だ、まだ間に合う」
「ありがとうございます」
そう言って受付に走っていった。
数分後、彼が帰ってきたころにちょうど集合のサインが出た。
「んじゃ、行ってこい」
支給された防具に身を包んだ英雄の卵たちが、今戦場へと舞い降りた。
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