世界変革のすゝめ ~我が物顔で世界を害すヒト種よ、一回引っ込め~

大山 たろう

文字の大きさ
2 / 42
第一部 ダンジョンマスター 前編

下準備と投下したけど案外面白そう

しおりを挟む
 
「ふぉっふぉっふぉっ、よく来てくれたの。ここは神の世界、とでも言うべき場所じゃ。おぬしたちにはこれから異世界へと行ってもらって、あることをしてもらう」

「な、なんだってー!!!」

 おっし、いい反応がもらえた。きっとそう言ってもらえると思って、あいつ呼んだんだよな......

「ここにいる百人には、ダンジョンを作ってもらう。ルールはまぁ......いろいろあるから、ナビゲートつけとくので、そちらにきくよーに。なお、異論反論はうけつけないので、頼んだぞ」

 最後に「ふぉっふぉっふぉっふぉ」と笑うと、百人いた男女を強制的に送り出した。




「これでよし」

「たろー、よくあんなおじさんみたいなことできるね」

「まぁ、体が違うから。何もはずかしがることはぁない!」

 そう大声を出し笑う。彼は分身体を作り、いかにも神っぽい見た目をさせて、説明をした。そしてそれっぽいことを言って、送り出してやった。というわけだ。

「それでたろー、ナビゲートはいつ作るの?」

「......あ」

「......やっぱり?」

 一度世界の時を止め、全能神と一緒にシステムとナビゲートを構成するのだった。







「できた......! ようやく!」

 あれから彼らは寝ずに調整を繰り返し、結局さっさと新しい生物を作ってしまえという思考になった二人は、その調整したデータを丸ごとコピーした妖精を創り出した。

「私が、ダンジョンマスター支援用ピクシー第一号です」

「「よっしゃあああああ!」」

「あとはこれをコピペして!」

「これをタグ=ダンジョンマスターで転送!」

「ちゃんとずらしたか? 前ミスってめり込んで死んでたじゃねぇか」

「ちゃんとずらした。抱き着くぐらいの距離だけ」

「うっわ、男殺し」

 と、二人で軽い会話をしているうちに、気付いたものは気づいたようだ。

「一緒に心臓変わりとなるダンジョンコア持たせといた」

「でかしたぜっちゃん!」

「ぜっちゃんってなに」

 とりあえず、送られた百人を観察してみる。
 少し時間を加速させ、朝動き出したところを見てみる。

 こう見ていると、昔見たアリの観察キットみたいなの思い出すなぁ......
 たろーが馬鹿なことを考えているのを読んだ全能神は、「これもアリが生活してるの見てるようなもの」と、人間をさして言った:

「ちょっとこええよ......って、結構ポイント使ってるみたいだな」

「そうだね、ちょうどよさそう」


「お、こいつ、女騎士くっころしたいのか知らないが、ゴブリンばっかり集めてるぞ!」

「女騎士くっころはオーク。こいつはわかってない」

「そうはいってもなー、オーク高く設定したしなー」

「......あの性能と能力、そして繁殖機能を考えればあれでも安くした」

「そうかそうか」

 彼らはDPというポイントを各自で得ることができて、そのポイントを消費することで、ダンジョンを拡張したり、魔物を配置したり、武器を揃えたり、食料を買ったり......ということができる。

「にしても、最高額商品が『好きな世界への移動券』って、これ良かったの?」

「そのほうが楽しいだろ、だってさ、未練たらたらのやつは、元居た世界に戻ろうとするわけじゃん? 未練ないやつは、新たな関係目指して進むわけじゃん? どちらにせよ、DPを稼ごうとするわけ。そしてそのDP獲得手段が―――」

「―――ヒト種の一定時間滞在、もしくは負の感情、そして死亡。これがメインになるってこと」

「そっか、なんか楽しそう、私たちも作ってあそぼ?」

「お、いいなそれ! でもダンジョンコアで死んだら元も子もねぇから、ちゃんと操作用の分身体用意しとけよー」

「もちろん。あのコアは私たちを殺せないようにはしてるけど、念のため」

 そう言ったとたん、二人分のゲーム機と人が出てきた。

「二人でやったほうが楽しそう」

「それ、いいな」

 二人はそのタブレット端末状のゲーム機を手に取る。
 スタート地点の選択からのようだ。

「私はここ」

 そう言って建てたのは月。

「おいおい、それじゃあどこぞの嫉妬の大迷宮みたいじゃねぇか?」

「あれ見て楽しそうだと前々から思ってた、それにあれ、結構中途半端。私が仕上げてあげる」

「中途半端とは貴様ぁ......でも言い返せねぇ。まぁ、ぜっちゃんが納得してるなら僥倖僥倖。それじゃ、俺はっと。」

 そう言って建てたのは―――――王国の中心、王都セントリヒエ。

「それ、すぐ負けない?」

「こっちのほうが楽だろ、人間いて、すぐ処理できるし」

「それじゃ、競争。私が宇宙侵略するのが早いか」

「俺が王都の地下を巣くって絶滅させるのが早いか」

「「勝負!」」

 そう言って、二人は操作を始めた。


 数時間後。

「うへー、ポイント使い切ったー」

「たろーはため込むということを知らないの?それだからプロットも」

「こっちはお前と違ってバカスカ手に入るんだよ! それに今プロット関係ねぇだろごらぁ! あ、ほら見てみろ! 王都の一部が俺のダンジョンの中だぞ! 上に暮らす奴ら、俺の迷宮内だぞ!」

「ほんとだ......まさか、それを狙って」

「もちろん! これがダンマステンプレなんだよなー! とはいっても、教会とかが出張ってきそうだな―、勇者三名お抱えだし、聖女も誕生してるからなー」

「たろーが無駄なスキルとかつけるからこんなことする羽目に」

「あれないと異世界っぽくないじゃん! って言っても今回ばかりは裏目ったかー」

「なんで?」

「『勇者』っていうスキルとジョブが一定数出てくるように設定したんだけどさ、そのスキルって、実ははいろんな機能備えてるのよ」

「例えば?」

「迷宮探知とか? あと有名なのは一日一回蘇るとか?」

「そのせいで私たちがこんなことする羽目になってるんじゃないの?」

「全く持ってその通りです 反省はしている、後悔はしていない」

「全く......でも、一緒に遊べて楽しい」

「それは良かった」

「ちなみに彼らが持ってるのって、実はスキルプレートで、ステータスプレートはジョブとスキル、能力を数値化したステータス全部見れるんだぞ、どうだ! すごいだろう!」

「なんでそんなにその作業に熱意もてたの、その作業をもっとプロットに還元したら?」

「今プロット関係ねぇだろぉ!」

 実はこれが悪く言えば人間を間引く作業だなんて思っていない二人は、任せた百人を忘れて盛大に暴走していくのだった。

「うっわ、もう見つかった!まだ発生から一日たってねぇぞ! さっすが勇者! 俺の作っただけある!」

「こっちは見つからないけどケチりすぎてたろーのあれみたいに微妙になった、っていうか自分で自分の首を絞める感覚はいかがですかたろーさん」

「あれっていうな! 嫉妬の大迷宮だろ! 感覚? 最悪だよコンチキショウ! しかも扱い雑いけど嫉妬の大迷宮とか結構設定頑張ってたんだからな!」

「ほう、聞こうじゃないかたろーくん」

「うっ......地球に六本あって、月に一本ある大迷宮。それぞれに大罪の名をつけて、それっぽい試練を考えてたんだよ。強欲は、装備多かったらそれだけ性能落ちる、とか、嫉妬は装備一つスキル一つだけ、とか! あと配置にもこだわってて......」

「意外と考えてて草」

「おい全能神! 草とか的確に俺の心をえぐるなぁ! それにもっと言えばなぁ!」

「あ、もういい」

「な.......ガクッ」




 未練たらたらなたろーだった。






「ねぇ、月の魔力送るから、死体ちょうだい」

「月の魔力? なんかあったっけか?」

「私が効果付けたけどほとんど誰も使わないから結構余ってる、月の石とかもう半分魔石みたいなもの」

「そうか、なら送ってくれ、死体は......いまは三つだな、スラムの子供が誤って穴に落ちた。 あ、あとそのデータ送れ、今度使うから」

「どんな構造してるのそれ、データは送っておくけども、不思議構造気になる」

「いや、まだそこまで大きくなってはないんだよ、地上とどこかつなげないといけないから、ゴミ箱をつなげて、雑食性で体積増えたら分裂するスライムをゴミ使って増やしてたら、落ちてきた子供がそのままごみ処理機構で異物判定されて矢で。」

「ちょうどいい、その死体ほしい」

「わーった、それならトレード機能、作るぞ、ってかこいつら意外と豪華な装備してるなぁ、なんでゴミ箱だ?」

「どうでもいい、トレード、急ぐ」

 もう二人の暴走を止める者はいなかった。
 まだよかったことといえば、片方は月という遥か遠方に作ったこと。そしてもう片方はビビりのためゲームオーバーを極度に嫌っていることだった。

 そのため、双方自陣の防御力を上げることに必死で、途中から侵略することを忘れトラップ天国やモンスターハウスを作って楽しんでいた。

 そのため中に入って死ぬ人こそ増えたものの、触らぬ神に祟りなし、誰も迷宮に立ち入らなくなった。

「まずいな、迷宮さっきまでいたのに、少しずつ離れてる。勇者来るかこれ?」

「たろー死んだら私の勝ち」

「その通りだが今言うかそれ!? ってああもう! そんな奴にはこうだ!」

「たろーなにした?」

「ん? 女勇者にスライム触手ゲフンゲフン」

「kwsk」

「ぜっちゃんこういう時だけぐいぐいくるよね!? 見た目通りの年齢してないよね!?」

「もちろん」

「やったね合法だ! じゃないわ! しっかり喜んじまったじゃねぇか!」

「合法って言われるとなんか嫌だ、永遠の十歳」

「合法サイコー!」

「だから合法っていうな」

 二人でゲーム機を操作しまくる。とはいえいわゆる放置ゲー、ぜっちゃんはすぐに世界監視に戻った。そしてたろーは勇者の進行をずっと小手先でいなし続けていた。

「よっし、落とし穴!」

「なんでそんなドンピシャ」

「勘!」

「かわいそう......」

「そして鎧を溶かすスライムの泉にドーン!」

「何それkwsk」

「だからなんでこういうときだけこっちくるの早いんだよ!」

 この時は二人は知らなかった。
 これだけ大量のリソースを渡しておいて、獲得手段そっちのけで使い切った馬鹿野郎が一定数いることを。

 そして、その中から初日から脱落するやつが現れることなど。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話

ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。 異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。 「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」 異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

異世界転生したおっさんが普通に生きる

カジキカジキ
ファンタジー
 第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位 応援頂きありがとうございました!  異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界  主人公のゴウは異世界転生した元冒険者  引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。  知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?

異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました

黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。 彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。 戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。 現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと! 「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」 ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。 絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。 伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進! 迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る! これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー! 美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。 人生、逆転できないことなんて何もない!

処理中です...