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第四部 ダンジョンマスター 後編
要塞王の軌跡
しおりを挟む「ここはこうしたほうが良かったな。よし、次を迎撃するためにポイントI-22セッティング」
ある男が小さな悪魔に指示を出す。その男はすぐさま装着していた通信機で別部隊に指示を出す。
「I-22、セッティング。冷却系で前半を、間を土系統で塞いで後ろを炎熱系統を起動して待機」
「了解。消耗を抑えるため、炎熱系統展開の指示を」
「了解」
目の前の三枚のモニターのうちの一枚、右側のところで、一人の男がせっせと魔法で罠を展開している。
そして中央モニターでは、入口を監視。そして左側で現在進行形で動いている敵を確認する。
その三枚のモニターの前にはその男――――ではなく、胸にトレーニング中という札をつけた小さな悪魔がいた。
「にしても、結構成長したな」
男は――――要塞王と呼ばれる男は、そうつぶやいた。
ここは26階層、オペレーションルーム。
小さな悪魔は現在25名が集い、裏方、交代要員含めると三百程度と、ほかの王、と呼ばれる人たちに比べると正直少ない。
それにもしっかりと訳があった。
要塞王は、最初から取り続けた罠を使用した撃退をし続けてきた。
メリットとしてほかの特化型に比べて柔軟な対応力がある。デメリットとして人を読む能力が必要なため、人を選ぶこと、それからコストが撃退毎にかかること。二つがあるが、人の心を読むことに関しては彼は得意だったことと、上手くいけばコスパがほかに比べ圧倒的に良いことを考え、デメリットがさして気にならないこのダンジョンはこの方式をずっと使用し続けてきた。
流石に、ダンジョンマスター一人で一年間二十四時間、寝ずに防衛は精神的に無理だということで、配下を少し雇ったものの、他と違って消耗品の戦力ではないため、着々と力をつけることに成功していた。
「ピクシー。現在侵入中のパーティーは」
「答。I階層一パーティ。F階層二パーティ。A階層三パーティです」
「I階層パーティ構成は」
「答。重戦士一、軽戦士一、魔法師一、ヒーラー一、シーカー一、計五名」
安定しているパーティ。I階層は越されると少し面倒だ、と男はつぶやきながら、映像を見る。
「ヒット」
しかしその心配も杞憂だったようで、罠にはまった一パーティはあっけなく体を凍らせた。
通信機を起動する。
「炎熱魔法、スタート」
「了解」
その声に従い、どんどんと壁一枚挟んだ向こう側が高温に熱された。
「土壁解除」
「了解」
その瞬間、視界が白く染まった。
「成功。死体の装備をはぎ取った後、次に備えろ」
「了解」
今日も撃退を続ける。
不落の要塞王として、君臨し続ける。とりあえずの目標を胸に。
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