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第1部 邂逅編
第15話 追加武器のテスト
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「ふぁ……」
部屋に戻ってぐっすり眠った私は、いつもの朝に目が覚めた。
今回は運よく悪夢を見なかったのが救いというべきか。
ちなみに模擬戦の後、私は与えられた部屋で風呂に入ってからすぐにベッドにダイブ。
そのまま眠ってしまったのだ。
相当疲れたんだろうなぁ。
部屋に入る前に、アルム達は気にせず休めと言ってくれたのが救いだろう。
ちなみに軍が用意した部屋は、全てトイレと風呂があるようで、なかなかの待遇だ。
寝ている途中でトイレに行きたくなっても部屋のトイレで済ませられるのは助かる。
念のため、アパ子に見張りとかをお願いしたが、その日は帝国軍も魔王軍も攻めてくることはなかったようだ。
「さて、今日はアパタイトのフィッティング……だったかな? 追加武装の最適化も終わるころだろうし」
私は着替えと洗顔とトイレを済ませて、格納庫に向かう。
昨日部屋に入る前に、アルムから貰ったカードキーを使って中に入る。
そこには、アルムとフェリア軍曹が魔導技師達と話をしていたようだ。
だが、すぐに私に気付いたアルムが手を振ってきた。
「お、来たかルキア」
「ええ、フィッティングをしないといけないですから。 追加した武装が上手く扱えるかを確認しないと」
「追加武装の取り付けは夜担当の技師が終わらせましたよ。 後は最適化ですが、この機体に関してはは……アパ子さんの役目でしたっけ?」
『はい。 マスターが上手く使いやすくできるようにと、追加した武器を優先して出せるように設定しておきます』
今アルム達と話をしていた技師の一人、ザック・アルスター軍曹が夜担当の技師が追加武装の取り付けを終わらせた事を教えてくれた。
後はアパ子による最適化と設定を行うだけらしい。
いやはややる気満々ねぇ、アパ子は。
しかし、どうやって設定とか最適化とかやっていくのかしら?
「じゃあ、先にアパ子が設定や最適化を済ませてくれ。 その後、『ファシナシオン平原』で武装のチェックをしよう」
「平原で? そこは広いんですか?」
アルムがテストとして指定された初めて聞く場所。
その平原は広いのかと聞いたら、フェリア軍曹が答えてくれた。
「はい。 ファシナシオン平原は、『マナトピア』で一番広い平原ですから。 あ、『マナトピア』っていうのは、私達の世界の名前です」
「つまり、そこなら武装チェックしたりするのに最適な場所だと」
「そうです」
なるほどね。
射撃だったり近接だったりで実際に振るって確かめるには、街中や建物の近くだと都合が悪いから、影響の少ない平原でテストをしようという訳か。
それにしても、この世界の名が『マナトピア』という名前だったなんて初めて聞いたな。
『終わりましたよー』
「よし、じゃあルキアはアパタイトに乗ってくれ。 俺達も機体に乗ってファシナシオン平原に移動する」
「分かりました」
どうやらアパ子が設定や最適化が終わったようなので、私はアパタイトに乗り込む。
そして、同じく機体に乗り込んだフェリア軍曹やアルムに案内される形で、目的地のファシナシオン平原に移動する。
◇◇◇◇◇◇◇◇
『ファシナシオン平原に到着しました。 周辺も異常なし。 安心してテストが出来ます』
『よし、じゃあルキア。 最初にオリハルコンサーベルを手に取って構えるようにしてくれ』
「了解です」
ファシナシオン平原に着いた私達は、早速アルムに言われるがままに武器のテストに臨む。
ますはオリハルコンサーベルだ。
それを手に取り、構えるというイメージをオーブに流し込む。
『よし、ちゃんとオリハルコンサーベルの方を手に取ったな。 じゃあ、それを少しの時間振ってみてくれ』
「はい」
続いて、手に取ったオリハルコンサーベルを敵がいると仮定して振るう事に。
縦に振り下ろしたり、横に薙ぎ払ったり、下から上へ振り上げたりと色々やってみた。
(うん、結構いい感じかも)
暫く振ってみたところ、剣に関してはなかなかの感触だった。
『いい感じに振れてますね。 じゃあ次はライフルを出しましょうか』
『今度は左の腰に収まっているライフル……『ファイアバレットライフル』を手に取ってみてくれ』
次はライフルか。
サーベルを右の腰にある鞘っぽいものに納め、次はライフルを手にして構えるイメージを流す。
『上手く手に取れましたね。 じゃあ、あそこのガラクタに向けてライフルを撃ってください』
「了解しました……けど、どこからあのガラクタを持ってきたんです?」
『ミュリアが持って来てくれたんだ。 すぐに戻って基地周辺の見回りに入ったがな』
そうか、テストをするにあたって、射撃の的となるガラクタになったMGTはミュリア軍曹が持って来てくれたのか。
すぐにミュリア軍曹は基地周辺の巡回任務をこなしに行ったわけか。
(後でミュリア軍曹に何かおごろうかな? あ、でもお金が……)
ミュリア軍曹に何か奢ろうかと思ったらお金の問題が浮上してしまったので、それは一旦頭から振り払い、私はガラクタに狙いを定めてオーブから生えるように現れたトリガーボタンを押す。
すると長めのライフルの銃口から火の玉が発射され、真っすぐにガラクタに向かい、そのまま命中する。
ガラクタが爆散し、跡形もなくなったが、威力は大丈夫なのだろうか?
『流石にルキアの魔力が高いから、ライフルの威力も強いな』
「というか、魔力によって強くなるんですか?」
『そうか、言ってなかったか。 武器の威力も操縦者の魔力によって変わってくるんだ』
『私のファイアバレットライフルだと、あのガラクタは撃ち抜く感じになるんですよ。 イメージ的には一昨日ルキアさんが使ったビームライフルのようなイメージでしょうか』
うわぁ。
そんなイメージ的な例えを出して欲しくはなかった。
あれは、まさに『強すぎて人を瞬時に殺す』武器なんだから、もう少しマシなイメージの例えはなかったのか。
『じゃあ、次は……って何だ?』
アルムが次のテストをしようと考えていた時にマナフォンが鳴った。
私の方にも鳴っているが、隊長であるアルムが対応する。
『ルキアさん、マナフォンの赤いボタンを押してオープンチャンネルモードに切り替えて』
「えっと、これかな?」
フェリア軍曹に言われるがままにマナフォンにある赤いボタンを押す。
どうやら今アルムとフェリア軍曹のみと通信できるプライベートモードだけでなく、誰からの通信をも拾えるオープンチャンネルモードがあるらしい。
私は赤いボタンを押してオープンチャンネルモードに切り替えた時、信じられない報告内容が入って来た。
『大変です、大尉! 帝国軍が今度は南から攻めて来たようです!』
帝国軍が、今度は南から攻めて来たという報告がミュリア軍曹から入って来たのだ。
部屋に戻ってぐっすり眠った私は、いつもの朝に目が覚めた。
今回は運よく悪夢を見なかったのが救いというべきか。
ちなみに模擬戦の後、私は与えられた部屋で風呂に入ってからすぐにベッドにダイブ。
そのまま眠ってしまったのだ。
相当疲れたんだろうなぁ。
部屋に入る前に、アルム達は気にせず休めと言ってくれたのが救いだろう。
ちなみに軍が用意した部屋は、全てトイレと風呂があるようで、なかなかの待遇だ。
寝ている途中でトイレに行きたくなっても部屋のトイレで済ませられるのは助かる。
念のため、アパ子に見張りとかをお願いしたが、その日は帝国軍も魔王軍も攻めてくることはなかったようだ。
「さて、今日はアパタイトのフィッティング……だったかな? 追加武装の最適化も終わるころだろうし」
私は着替えと洗顔とトイレを済ませて、格納庫に向かう。
昨日部屋に入る前に、アルムから貰ったカードキーを使って中に入る。
そこには、アルムとフェリア軍曹が魔導技師達と話をしていたようだ。
だが、すぐに私に気付いたアルムが手を振ってきた。
「お、来たかルキア」
「ええ、フィッティングをしないといけないですから。 追加した武装が上手く扱えるかを確認しないと」
「追加武装の取り付けは夜担当の技師が終わらせましたよ。 後は最適化ですが、この機体に関してはは……アパ子さんの役目でしたっけ?」
『はい。 マスターが上手く使いやすくできるようにと、追加した武器を優先して出せるように設定しておきます』
今アルム達と話をしていた技師の一人、ザック・アルスター軍曹が夜担当の技師が追加武装の取り付けを終わらせた事を教えてくれた。
後はアパ子による最適化と設定を行うだけらしい。
いやはややる気満々ねぇ、アパ子は。
しかし、どうやって設定とか最適化とかやっていくのかしら?
「じゃあ、先にアパ子が設定や最適化を済ませてくれ。 その後、『ファシナシオン平原』で武装のチェックをしよう」
「平原で? そこは広いんですか?」
アルムがテストとして指定された初めて聞く場所。
その平原は広いのかと聞いたら、フェリア軍曹が答えてくれた。
「はい。 ファシナシオン平原は、『マナトピア』で一番広い平原ですから。 あ、『マナトピア』っていうのは、私達の世界の名前です」
「つまり、そこなら武装チェックしたりするのに最適な場所だと」
「そうです」
なるほどね。
射撃だったり近接だったりで実際に振るって確かめるには、街中や建物の近くだと都合が悪いから、影響の少ない平原でテストをしようという訳か。
それにしても、この世界の名が『マナトピア』という名前だったなんて初めて聞いたな。
『終わりましたよー』
「よし、じゃあルキアはアパタイトに乗ってくれ。 俺達も機体に乗ってファシナシオン平原に移動する」
「分かりました」
どうやらアパ子が設定や最適化が終わったようなので、私はアパタイトに乗り込む。
そして、同じく機体に乗り込んだフェリア軍曹やアルムに案内される形で、目的地のファシナシオン平原に移動する。
◇◇◇◇◇◇◇◇
『ファシナシオン平原に到着しました。 周辺も異常なし。 安心してテストが出来ます』
『よし、じゃあルキア。 最初にオリハルコンサーベルを手に取って構えるようにしてくれ』
「了解です」
ファシナシオン平原に着いた私達は、早速アルムに言われるがままに武器のテストに臨む。
ますはオリハルコンサーベルだ。
それを手に取り、構えるというイメージをオーブに流し込む。
『よし、ちゃんとオリハルコンサーベルの方を手に取ったな。 じゃあ、それを少しの時間振ってみてくれ』
「はい」
続いて、手に取ったオリハルコンサーベルを敵がいると仮定して振るう事に。
縦に振り下ろしたり、横に薙ぎ払ったり、下から上へ振り上げたりと色々やってみた。
(うん、結構いい感じかも)
暫く振ってみたところ、剣に関してはなかなかの感触だった。
『いい感じに振れてますね。 じゃあ次はライフルを出しましょうか』
『今度は左の腰に収まっているライフル……『ファイアバレットライフル』を手に取ってみてくれ』
次はライフルか。
サーベルを右の腰にある鞘っぽいものに納め、次はライフルを手にして構えるイメージを流す。
『上手く手に取れましたね。 じゃあ、あそこのガラクタに向けてライフルを撃ってください』
「了解しました……けど、どこからあのガラクタを持ってきたんです?」
『ミュリアが持って来てくれたんだ。 すぐに戻って基地周辺の見回りに入ったがな』
そうか、テストをするにあたって、射撃の的となるガラクタになったMGTはミュリア軍曹が持って来てくれたのか。
すぐにミュリア軍曹は基地周辺の巡回任務をこなしに行ったわけか。
(後でミュリア軍曹に何かおごろうかな? あ、でもお金が……)
ミュリア軍曹に何か奢ろうかと思ったらお金の問題が浮上してしまったので、それは一旦頭から振り払い、私はガラクタに狙いを定めてオーブから生えるように現れたトリガーボタンを押す。
すると長めのライフルの銃口から火の玉が発射され、真っすぐにガラクタに向かい、そのまま命中する。
ガラクタが爆散し、跡形もなくなったが、威力は大丈夫なのだろうか?
『流石にルキアの魔力が高いから、ライフルの威力も強いな』
「というか、魔力によって強くなるんですか?」
『そうか、言ってなかったか。 武器の威力も操縦者の魔力によって変わってくるんだ』
『私のファイアバレットライフルだと、あのガラクタは撃ち抜く感じになるんですよ。 イメージ的には一昨日ルキアさんが使ったビームライフルのようなイメージでしょうか』
うわぁ。
そんなイメージ的な例えを出して欲しくはなかった。
あれは、まさに『強すぎて人を瞬時に殺す』武器なんだから、もう少しマシなイメージの例えはなかったのか。
『じゃあ、次は……って何だ?』
アルムが次のテストをしようと考えていた時にマナフォンが鳴った。
私の方にも鳴っているが、隊長であるアルムが対応する。
『ルキアさん、マナフォンの赤いボタンを押してオープンチャンネルモードに切り替えて』
「えっと、これかな?」
フェリア軍曹に言われるがままにマナフォンにある赤いボタンを押す。
どうやら今アルムとフェリア軍曹のみと通信できるプライベートモードだけでなく、誰からの通信をも拾えるオープンチャンネルモードがあるらしい。
私は赤いボタンを押してオープンチャンネルモードに切り替えた時、信じられない報告内容が入って来た。
『大変です、大尉! 帝国軍が今度は南から攻めて来たようです!』
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