17 / 57
第1部 邂逅編
第16話 帝国の蛮行
しおりを挟む
『南からだと!? 王都を先に仕掛けるつもりか!!』
『私やカロン君も急いでいますが、大尉たちもすぐに急行を! あと数分で帝国軍が王都に着きそうです!』
『分かった! 他の部隊とも連絡を取りながら凌いでくれ! 俺達もすぐに行く!』
『すみません、お願いします!!』
ミュリア軍曹からの通信が終わり、緊張が走る。
帝国軍が王都がある南部から攻めて来たというのだ。
『聞いていた通りだ。 すぐに王都に向かって急ぐ。 二人ともブースターを吹かしてでも急ごう』
『了解です』
「分かりました」
色々疑問が浮かんできたが、今はファシナシオン王国の王都に向けて急ぐことに。
ブースターを吹かしてスピードアップさせつつ、アルムやフェリア軍曹と共に急いで向かう。
「それにしても、何故帝国はピンポイントに王都へと攻め込めるんです?」
『ルキアさん?』
ブースターを吹かして急いで向かいながらだが、私は疑問に思った事を口にした。
「ミュリア軍曹を始めとした他の人たちが見回りをしていた筈ですよね? 王都も見回りをしていたのなら、そう簡単に真っすぐに攻めてこないのでは?」
『多分だが、奴ら……俺をパーツ扱いにしている大臣たちが帝国に流してるんだろう』
「大臣たちが?」
私の疑問にアルムが怒りを抑えた口調で答える。
マナフォンの通信越しでもそれは伝わってくる。
アルムを無能かつパーツ扱いにしていた大臣とその家臣たちが関わっているのではという予測と共に。
『まだ確証は持てないが、軍はあいつらが帝国に流しているんじゃないかと疑って居る。 国王様もそれを裏で調査をしている。 今は証拠がないがな』
「もしかして王都から軍がいなくなる時期を見つけて大臣たちが流したと?」
『そうだろうな。 そろそろ着くぞ!』
「もう一部の帝国のMGTが近づいている!?」
『不味いです! ミュリアとカロン君は……!?』
「無事のようです。 でも、様子がおかしい」
ブースターを吹かして急いで向かった為に、15分で王都が見えて来たが既に一部の帝国のMGTが王都に攻め入っていた。
見たところ、ミュリア軍曹とカロン軍曹の機体は無事なようだが、何か様子がおかしい。
確かに一部の帝国軍のMGTは、他の部隊によって阻止はされているが、別の一機は何をして……?
『おい、一機の帝国の機体が何かしてるぞ!』
『あれはまさか……!?』
アルムとフェリア軍曹が何かを見たらしく、さらにブースターを吹かせて合流する。
私もそれに続き、ミュリア軍曹たちと合流する。
『あれは……!?』
『人を握り締めている!?』
(あれは……あの時のメイドさん!?)
もうすぐ合流する所で見えたのが、帝国軍のMGTが人を握り締めていた光景だった。
しかも、握り締められている人は、アパタイトに呼ばれる前に一緒に居たメイドさんだった。
何てこと……!
帝国はあんな事までするというのか!
『ほほぉ、援軍か』
「うぁ、あぐぅぅ……」
(メイドさん……!)
握り締められて苦悶の表情を浮かべるメイドさん。
よく見るとスカートや靴下から液体が滴り落ちている。
トイレに行こうとしていたのか、タイミング悪く帝国のMGTに捕まえられ、圧迫されてだろうか失禁していた。
「ミュリア軍曹、カロン軍曹、これは?」
私は合流した直後に、プライベートモードで二人に話しかける。
『ルキアさん、帝国軍がわが軍が王都にいない所を狙って攻めて来たのです。 その際に一機の帝国のMGTが先回りして手ごろな人を握り締めて人質に』
私は、帝国がここまですることに怒りを覚える。
キスクという皇帝が自分達が全世界の管理をすることが目的だが、それを成すには手段を選ばないという事か。
だが、向こうの帝国軍のMGTは予想だにしない行動を起こした。
『援軍が来たというのなら、人質がいても無駄だな。 この女には死んでもらうとしようか』
『な、やめろ!!』
『そぉれっ!!』
「あぐぁ……っ!!」
『ああっ!!』
『き、貴様……、何てことを!!』
『ううっ!』
(あ、あぁぁ……)
骨の折れる音と肉が潰れる音が同時に聞こえ、私の目の前でメイドさんは握りつぶされてしまった。
液体だけでなく、血も滴り落ち、目を開いたまま痙攣してそのまま死んでいった。
『援軍を呼んでくるからだ。 我が帝国の言うとおりにすればこうならなかったのにな。 ガハハハ!!』
握りつぶしたメイドさんだった人を投げ捨て、その様子を見て高笑いの声が聞こえた瞬間だった。
「……は」
『ん?』
『ルキア!?』
「お前はぁぁぁぁぁぁっ!!」
『マスター!?』
私はここで何かがキレたのだった。
そして、キレた私は一気に帝国の一機のMGTに突撃したのだった。
アパ子が私を呼ぶ声すら無視するかの如く。
『私やカロン君も急いでいますが、大尉たちもすぐに急行を! あと数分で帝国軍が王都に着きそうです!』
『分かった! 他の部隊とも連絡を取りながら凌いでくれ! 俺達もすぐに行く!』
『すみません、お願いします!!』
ミュリア軍曹からの通信が終わり、緊張が走る。
帝国軍が王都がある南部から攻めて来たというのだ。
『聞いていた通りだ。 すぐに王都に向かって急ぐ。 二人ともブースターを吹かしてでも急ごう』
『了解です』
「分かりました」
色々疑問が浮かんできたが、今はファシナシオン王国の王都に向けて急ぐことに。
ブースターを吹かしてスピードアップさせつつ、アルムやフェリア軍曹と共に急いで向かう。
「それにしても、何故帝国はピンポイントに王都へと攻め込めるんです?」
『ルキアさん?』
ブースターを吹かして急いで向かいながらだが、私は疑問に思った事を口にした。
「ミュリア軍曹を始めとした他の人たちが見回りをしていた筈ですよね? 王都も見回りをしていたのなら、そう簡単に真っすぐに攻めてこないのでは?」
『多分だが、奴ら……俺をパーツ扱いにしている大臣たちが帝国に流してるんだろう』
「大臣たちが?」
私の疑問にアルムが怒りを抑えた口調で答える。
マナフォンの通信越しでもそれは伝わってくる。
アルムを無能かつパーツ扱いにしていた大臣とその家臣たちが関わっているのではという予測と共に。
『まだ確証は持てないが、軍はあいつらが帝国に流しているんじゃないかと疑って居る。 国王様もそれを裏で調査をしている。 今は証拠がないがな』
「もしかして王都から軍がいなくなる時期を見つけて大臣たちが流したと?」
『そうだろうな。 そろそろ着くぞ!』
「もう一部の帝国のMGTが近づいている!?」
『不味いです! ミュリアとカロン君は……!?』
「無事のようです。 でも、様子がおかしい」
ブースターを吹かして急いで向かった為に、15分で王都が見えて来たが既に一部の帝国のMGTが王都に攻め入っていた。
見たところ、ミュリア軍曹とカロン軍曹の機体は無事なようだが、何か様子がおかしい。
確かに一部の帝国軍のMGTは、他の部隊によって阻止はされているが、別の一機は何をして……?
『おい、一機の帝国の機体が何かしてるぞ!』
『あれはまさか……!?』
アルムとフェリア軍曹が何かを見たらしく、さらにブースターを吹かせて合流する。
私もそれに続き、ミュリア軍曹たちと合流する。
『あれは……!?』
『人を握り締めている!?』
(あれは……あの時のメイドさん!?)
もうすぐ合流する所で見えたのが、帝国軍のMGTが人を握り締めていた光景だった。
しかも、握り締められている人は、アパタイトに呼ばれる前に一緒に居たメイドさんだった。
何てこと……!
帝国はあんな事までするというのか!
『ほほぉ、援軍か』
「うぁ、あぐぅぅ……」
(メイドさん……!)
握り締められて苦悶の表情を浮かべるメイドさん。
よく見るとスカートや靴下から液体が滴り落ちている。
トイレに行こうとしていたのか、タイミング悪く帝国のMGTに捕まえられ、圧迫されてだろうか失禁していた。
「ミュリア軍曹、カロン軍曹、これは?」
私は合流した直後に、プライベートモードで二人に話しかける。
『ルキアさん、帝国軍がわが軍が王都にいない所を狙って攻めて来たのです。 その際に一機の帝国のMGTが先回りして手ごろな人を握り締めて人質に』
私は、帝国がここまですることに怒りを覚える。
キスクという皇帝が自分達が全世界の管理をすることが目的だが、それを成すには手段を選ばないという事か。
だが、向こうの帝国軍のMGTは予想だにしない行動を起こした。
『援軍が来たというのなら、人質がいても無駄だな。 この女には死んでもらうとしようか』
『な、やめろ!!』
『そぉれっ!!』
「あぐぁ……っ!!」
『ああっ!!』
『き、貴様……、何てことを!!』
『ううっ!』
(あ、あぁぁ……)
骨の折れる音と肉が潰れる音が同時に聞こえ、私の目の前でメイドさんは握りつぶされてしまった。
液体だけでなく、血も滴り落ち、目を開いたまま痙攣してそのまま死んでいった。
『援軍を呼んでくるからだ。 我が帝国の言うとおりにすればこうならなかったのにな。 ガハハハ!!』
握りつぶしたメイドさんだった人を投げ捨て、その様子を見て高笑いの声が聞こえた瞬間だった。
「……は」
『ん?』
『ルキア!?』
「お前はぁぁぁぁぁぁっ!!」
『マスター!?』
私はここで何かがキレたのだった。
そして、キレた私は一気に帝国の一機のMGTに突撃したのだった。
アパ子が私を呼ぶ声すら無視するかの如く。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
拾われ子のスイ
蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】
記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。
幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。
老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。
――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。
スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。
出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。
清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。
これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。
※週2回(木・日)更新。
※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。
※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載)
※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる