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第1部 邂逅編
第17話 ルキア、キレる
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【side アルム】
『お前はぁぁぁぁぁっ!!』
「ルキアっ!?」
(ぐっ、何だこのプレッシャーは……!? ルキアの怒りからきてるのか!?)
一機の帝国軍のMGTがメイドの女性を握り締めた挙げ句、俺達が来たことで利用価値がなかったとしてそのメイドの女性を握り潰した。
そして、そのメイドを投げ捨ててより彼女の面影を失わせた事にルキアがキレて、そのMGTに突撃した。
それらの行為が全てルキアの目の前で行われたというのも原因か、怒りによる彼女からのプレッシャーが半端ない。
『ぐわぁぁぁっ!』
一気に距離を詰めたルキアのアパタイトは、その拳でアッパーカットを放ち、帝国のMGTを上方に打ち上げた。
(あいつ……、キレた時は無意識にああいう戦いをしているのか……!?)
アッパーカットを放つなんて、俺達は教えていない。
だとすれば、ルキアがキレた時は無意識にしているとしか思えない。
だが、今のルキアは怒りで我を失っている。
このままでは危険なのは分かっているが、プレッシャーが強すぎるせいで迂闊に近づけない。
そんな中、マナフォンから通信が入る。
『ジュード小隊よりアルム小隊へ! 済まない、一部の帝国軍のMGTに防衛ラインを突破された!』
「突破されたってぇ!?」
『おそらく、ルキア君が放つ魔力の質を感じて同胞を助けるべく無理やり突破したんだ!』
(ルキアの魔力が……!?)
確かによく感じてみればルキアの膨大な魔力は、怒りと共に漏れ出ていた。
それがプレッシャーとなって俺達にまで影響を受けている可能性もあるのか。
だが、それよりも突破された帝国軍のMGTを対処する事を優先しないといけない。
「分かった。 突破した敵はこっちで対処する!」
『すまない! 頼む!!』
そう言ってジュード小隊の隊長は通信を切った。
「ミュリア、フェリア、カロン!! 俺達は防衛ラインを突破した帝国軍のMGTを対処する!」
『でも、ルキアさんは……』
「ルキアはひとまず後回しだ! 突破した帝国のMGTを対処しないとそれどころじゃない」
『り、了解……!』
あの一機はひとまずルキアに任せるしかない。
キレているとはいえ、王都を避けて上空で戦ってるしな。
アパ子には悪いが、暫くは我慢してもらうしかない。
(無茶はするなよ、ルキア……。 辛いのは俺達も一緒だからな……)
俺はルキアに背を向け、突破してきた帝国のMGTを対処すべく動いた。
速攻で対処し、ルキアの元に向かう為に。
◇◇◇◇◇◇◇◇
【side アパ子】
『ぐわぁぁぁっ!!』
マスターは、自分の目の前でメイドの女性が帝国軍のMGTに握り潰されたのを見た瞬間、キレたようで一気に距離を詰めては即座にアッパーカットを放ち、敵を上方に打ち上げた。
マニピュレーターが破損してないか心配だったが、異常はない。
だが、それよりもマスターがキレた事で、異質な魔力が放たれてしまっている。
それにより、アルムさんを始めとした小隊の人達が身動きが取れなくなっていた。
魔力がプレッシャーとなってまともに受けてしまっているからだ。
『ぐぅっ、こ、これは不味い! 撤退を……』
「逃がすかあぁぁぁっ!!」
『なあっ!? あ、足を!?』
(マスター……!)
流石に不味いと感じたのか、相手はブースターを吹かして撤退しようとしたが、マスターが逃がさないとオリハルコンサーベルで脚部を切り払った。
関節の部分を狙いすまして斬り落としたようだ。
『ぐはっ!!』
両足を斬られて機体のバランスを崩しかけた帝国のMGTをマスターは蹴りで地上に叩き落とす。
幸い、場所が王都から離れている上、平原なので周囲の被害は抑えめだ。
『ま、待てっ! お前はこのまま私を殺すつもりか!!』
操縦者の帝国兵が命乞いを始めた。
いや、貴方は人間をMGTで握りつぶしておいてそれはないでしょう。
「MGTで人間を握り潰しておいて、今更命乞いかあぁぁぁぁっ!!」
『ってマスター!? ビームサーベルはいけな……!!』
マスターが命乞いする帝国兵に対して、ビームサーベルを出してきた。
私は止めようとしたが、それよりも先にビームサーベルの粒子が相手の機体のコクピットに突き刺さった。
『ぎゃあぁぁぁぁぁぁっ!!』
悲鳴を上げながら相手の機体の操縦者はおそらくビームサーベルの粒子で骨ごと消えてなくなったと思われる。
機体は操縦者がいなくなった事で動かなくなったが、コクピット内はどうなっているかは想像できない。
『マスター……』
「う、うぐぅ、えぐ……」
一方でマスターが、アパタイトを止めたと同時に涙を溢れさせた。
「いくら何でも……えぐっ、人を握りつぶして殺すなんて……、ひぐっ、メイドさん……!」
メイドの女性の無残な死を目の当たりにしたのだから無理はない。
多分、あのメイドの女性は少しの間話し相手になってくれた人だったのだろう。
『おーい、ルキア無事かー』
『ルキアさん、大丈夫ですかー?』
『アルムさん、フェリアさんそれにミュリアさんにカロンさんも』
アルム小隊がこっちにやって来た。
他の帝国のMGTを片付けたのだろう。
いの一番にマスターを心配して駆けつけて来たのだ。
『ルキアさん、泣いてるのか?』
『ええ、メイドさんの死が原因だったようで……』
『そうか……。 フェリア、ミュリア。 ルキアのアパタイトを抱えてやってくれ』
『分かりました』
カロンさんがマスターが泣いているのに気付いたので、その旨を正直に伝えるとアルムさんがフェリアさんとミュリアさんに指示を送った。
指示を受けたフェリアさんとミュリアさんによって私の本体を抱えて一緒にブースターを吹かして一緒に飛ぶ。
『アパ子、そのままルキアの傍で見ててやってくれ』
『もちろんです』
子機の私はアルムさんからの通信を受け取り、そのままマスターの近くに行く。
だけど、泣き続けるマスターを私はただ見ている事しかできなかった……。
『お前はぁぁぁぁぁっ!!』
「ルキアっ!?」
(ぐっ、何だこのプレッシャーは……!? ルキアの怒りからきてるのか!?)
一機の帝国軍のMGTがメイドの女性を握り締めた挙げ句、俺達が来たことで利用価値がなかったとしてそのメイドの女性を握り潰した。
そして、そのメイドを投げ捨ててより彼女の面影を失わせた事にルキアがキレて、そのMGTに突撃した。
それらの行為が全てルキアの目の前で行われたというのも原因か、怒りによる彼女からのプレッシャーが半端ない。
『ぐわぁぁぁっ!』
一気に距離を詰めたルキアのアパタイトは、その拳でアッパーカットを放ち、帝国のMGTを上方に打ち上げた。
(あいつ……、キレた時は無意識にああいう戦いをしているのか……!?)
アッパーカットを放つなんて、俺達は教えていない。
だとすれば、ルキアがキレた時は無意識にしているとしか思えない。
だが、今のルキアは怒りで我を失っている。
このままでは危険なのは分かっているが、プレッシャーが強すぎるせいで迂闊に近づけない。
そんな中、マナフォンから通信が入る。
『ジュード小隊よりアルム小隊へ! 済まない、一部の帝国軍のMGTに防衛ラインを突破された!』
「突破されたってぇ!?」
『おそらく、ルキア君が放つ魔力の質を感じて同胞を助けるべく無理やり突破したんだ!』
(ルキアの魔力が……!?)
確かによく感じてみればルキアの膨大な魔力は、怒りと共に漏れ出ていた。
それがプレッシャーとなって俺達にまで影響を受けている可能性もあるのか。
だが、それよりも突破された帝国軍のMGTを対処する事を優先しないといけない。
「分かった。 突破した敵はこっちで対処する!」
『すまない! 頼む!!』
そう言ってジュード小隊の隊長は通信を切った。
「ミュリア、フェリア、カロン!! 俺達は防衛ラインを突破した帝国軍のMGTを対処する!」
『でも、ルキアさんは……』
「ルキアはひとまず後回しだ! 突破した帝国のMGTを対処しないとそれどころじゃない」
『り、了解……!』
あの一機はひとまずルキアに任せるしかない。
キレているとはいえ、王都を避けて上空で戦ってるしな。
アパ子には悪いが、暫くは我慢してもらうしかない。
(無茶はするなよ、ルキア……。 辛いのは俺達も一緒だからな……)
俺はルキアに背を向け、突破してきた帝国のMGTを対処すべく動いた。
速攻で対処し、ルキアの元に向かう為に。
◇◇◇◇◇◇◇◇
【side アパ子】
『ぐわぁぁぁっ!!』
マスターは、自分の目の前でメイドの女性が帝国軍のMGTに握り潰されたのを見た瞬間、キレたようで一気に距離を詰めては即座にアッパーカットを放ち、敵を上方に打ち上げた。
マニピュレーターが破損してないか心配だったが、異常はない。
だが、それよりもマスターがキレた事で、異質な魔力が放たれてしまっている。
それにより、アルムさんを始めとした小隊の人達が身動きが取れなくなっていた。
魔力がプレッシャーとなってまともに受けてしまっているからだ。
『ぐぅっ、こ、これは不味い! 撤退を……』
「逃がすかあぁぁぁっ!!」
『なあっ!? あ、足を!?』
(マスター……!)
流石に不味いと感じたのか、相手はブースターを吹かして撤退しようとしたが、マスターが逃がさないとオリハルコンサーベルで脚部を切り払った。
関節の部分を狙いすまして斬り落としたようだ。
『ぐはっ!!』
両足を斬られて機体のバランスを崩しかけた帝国のMGTをマスターは蹴りで地上に叩き落とす。
幸い、場所が王都から離れている上、平原なので周囲の被害は抑えめだ。
『ま、待てっ! お前はこのまま私を殺すつもりか!!』
操縦者の帝国兵が命乞いを始めた。
いや、貴方は人間をMGTで握りつぶしておいてそれはないでしょう。
「MGTで人間を握り潰しておいて、今更命乞いかあぁぁぁぁっ!!」
『ってマスター!? ビームサーベルはいけな……!!』
マスターが命乞いする帝国兵に対して、ビームサーベルを出してきた。
私は止めようとしたが、それよりも先にビームサーベルの粒子が相手の機体のコクピットに突き刺さった。
『ぎゃあぁぁぁぁぁぁっ!!』
悲鳴を上げながら相手の機体の操縦者はおそらくビームサーベルの粒子で骨ごと消えてなくなったと思われる。
機体は操縦者がいなくなった事で動かなくなったが、コクピット内はどうなっているかは想像できない。
『マスター……』
「う、うぐぅ、えぐ……」
一方でマスターが、アパタイトを止めたと同時に涙を溢れさせた。
「いくら何でも……えぐっ、人を握りつぶして殺すなんて……、ひぐっ、メイドさん……!」
メイドの女性の無残な死を目の当たりにしたのだから無理はない。
多分、あのメイドの女性は少しの間話し相手になってくれた人だったのだろう。
『おーい、ルキア無事かー』
『ルキアさん、大丈夫ですかー?』
『アルムさん、フェリアさんそれにミュリアさんにカロンさんも』
アルム小隊がこっちにやって来た。
他の帝国のMGTを片付けたのだろう。
いの一番にマスターを心配して駆けつけて来たのだ。
『ルキアさん、泣いてるのか?』
『ええ、メイドさんの死が原因だったようで……』
『そうか……。 フェリア、ミュリア。 ルキアのアパタイトを抱えてやってくれ』
『分かりました』
カロンさんがマスターが泣いているのに気付いたので、その旨を正直に伝えるとアルムさんがフェリアさんとミュリアさんに指示を送った。
指示を受けたフェリアさんとミュリアさんによって私の本体を抱えて一緒にブースターを吹かして一緒に飛ぶ。
『アパ子、そのままルキアの傍で見ててやってくれ』
『もちろんです』
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だけど、泣き続けるマスターを私はただ見ている事しかできなかった……。
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