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第2章 異世界邂逅編
28 新たな追手その1~兵士殲滅編~
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盗賊集団【漆黒】の殲滅から数日が経過した。
その間、俺たちは少し依頼遂行のペースを落としていた。
それでも、ランクはCに昇格したが。
【魔術師】、【格闘家】も極めることができたから、次は【回復術師】か【テイマー】か【槍術師】のいずれか一つを極めるつもりだ。
パーティーバランスからして【回復術師】の方がいいかもしれないが…。
西地区の門を出て、3人で散歩しようとした時、ある人と会った。
「みなさん、こんにちわ」
「あ、イリアさん。 ご無沙汰してます」
イリアゲートさんだった。
あの会談の終わり間際に、様呼ばわりは流石に恥ずかしいから普通に呼んで欲しいとお願いした。
それを了承してくれた代わりにこちらもイリアさんと呼ぶことにした。
「暁斗くんもひなたさんも順調のようですね」
「ええ、ついこの間私も暁斗君もCランクに昇格しましたから」
「アキトお兄ちゃんもひなたお姉ちゃんも、順調に強くなってるよ。 特に、お兄ちゃんは一昨日に【魔術師】と【格闘家】を極めて4つのジョブの素質を極めたんだから」
「まぁ……、暁斗くんは本当に凄いですね」
「あはは……」
そんな感じで4人でしばらく雑談に花を咲かせていた。
しかし、それも『気配察知』である存在を感じた事で終わりを告げる。
「……暁斗君、追手が来たよ」
「ああ……。 今回は兵士が先に来てるようだな」
「私の方でも感じました。 兵士は10人、その後ろに勇者が4人……ですね」
ひなたも察知し、臨戦態勢を整えていた。
イリアさんも詳しい内容を察知してくれた。
しかし、今回は勇者4人か。
「ガイアブルク王都に着く前の追手では2人の勇者があっさり死んだからね。 兵士や勇者の数を倍にして来たんだね」
「成る程な。 アイリス、念のため国王とギルドに報告を入れてくれないか?」
「うん、報告が終わったら手伝うね」
アイリスが結界魔法を掛けた後、通信用の水晶を出して、通信を入れる。
「念のため私の使い魔にアイリスちゃんを守らせます。まず、兵士を殺らないと勇者は来ないようですね」
「何人かは俺がやります」
「いいの?」
「ああ、向こうは未だに俺を無能だと思っているだろうからな。 屈辱を与えたい」
と、対兵士についてのやり取りをしたら、10人の兵士が姿を現す。
「見つけたぞ、無能と裏切り者が」
「わざわざ殺されに来たか」
好き勝手に言ってるな。
ひなたも怒りの表情一歩手前、イリアさんも不快感を露にしていた。
そんな中、俺は剣を抜く準備をする。
「さあ、裏切り者と無能をしょ……」
「うるせぇよ」
兵士が言い切る迄に、【漆黒】の副リーダーのガゼルに対して使った、葛野流の一閃の剣術【虚空】を放つ。
4人の兵士の間を縫うようにしてすれ違った後、4人の上半身がずり落ちるように下半身から離れた。
「へ、な、あ、あああぁぁっ!?」
目の前で仲間の兵士が真っ二つにされた為に、声にならない悲鳴を上げて錯乱した。
「ば、馬鹿な……、何かの間違いだ。 無能が我らを殺せる力があるなど……」
「残念だけど夢じゃなく現実だよ」
「な、があぁっ!?」
現実を認めない兵士の背後に回ったひなたが、間髪入れずに兵士を二人斬り付けた。
深く斬られた兵士は、出血多量で息絶えた。
ホムンクルスでも、血は赤いのか。
「そちらが問答無用で仕掛けたのですから、特別に魔王としての力を見せましょうか」
「な、ま、魔王だと!?」
「なんで魔王がここに!?」
一方、イリアさんは片手を変質させていた。
竜人ならではだろう。 その手に鋭い爪が生えていた。
その爪で二人の兵士を抉るように切り裂いた。
当然、即死だ。
「ぐ、お、おのれぇ!」
残り二人の兵士が俺に襲いかかる。
「【フレイムブラスト】!!」
だが、アイリスの声と共に、強大な炎が兵士に向かって襲いかかって来た。
「ぐわああぁぁっ!!」
その炎は二人の兵士を纏めて焼き付くし、そのまま灰化した。
肉の焦げる匂いがかなりキツかったな。
アイリスが報告を終わらせた後で、この魔法を放ったんだろう。
「とりあえず、これで兵士は殲滅だよね?」
「ああ、後は勇者だ。 報告は終わったんだな?」
「うん、ひとまず駆けつけるけど、存分にやっちゃっていいって。 ギルドも念のために緊急依頼として私達と他の冒険者が引き受ける形にしたみたい」
成る程、イリアさんがいるとはいえ、相手が勇者4人だからな。
味方が多いに越したことはないな。
「さて、そろそろ出てきたらどうだい?」
アイリスとのやり取りの直後にひなたが勇者がいるであろう方向に向けて言い放つ。
そして、その場所から歪みが発生した。
隠行魔法か何かを使って、隠れてたのか。
ただ、アイリス曰く隠行魔法は精度が低く、気配察知されれば意味がないらしいが。
「葛野さん……」
「まさか本当に佐々木と一緒だとはな……」
その歪みから勇者で、かつてはクラスメイトだった4人が現れた。
そう、ここからが本当の戦いとなる。
その間、俺たちは少し依頼遂行のペースを落としていた。
それでも、ランクはCに昇格したが。
【魔術師】、【格闘家】も極めることができたから、次は【回復術師】か【テイマー】か【槍術師】のいずれか一つを極めるつもりだ。
パーティーバランスからして【回復術師】の方がいいかもしれないが…。
西地区の門を出て、3人で散歩しようとした時、ある人と会った。
「みなさん、こんにちわ」
「あ、イリアさん。 ご無沙汰してます」
イリアゲートさんだった。
あの会談の終わり間際に、様呼ばわりは流石に恥ずかしいから普通に呼んで欲しいとお願いした。
それを了承してくれた代わりにこちらもイリアさんと呼ぶことにした。
「暁斗くんもひなたさんも順調のようですね」
「ええ、ついこの間私も暁斗君もCランクに昇格しましたから」
「アキトお兄ちゃんもひなたお姉ちゃんも、順調に強くなってるよ。 特に、お兄ちゃんは一昨日に【魔術師】と【格闘家】を極めて4つのジョブの素質を極めたんだから」
「まぁ……、暁斗くんは本当に凄いですね」
「あはは……」
そんな感じで4人でしばらく雑談に花を咲かせていた。
しかし、それも『気配察知』である存在を感じた事で終わりを告げる。
「……暁斗君、追手が来たよ」
「ああ……。 今回は兵士が先に来てるようだな」
「私の方でも感じました。 兵士は10人、その後ろに勇者が4人……ですね」
ひなたも察知し、臨戦態勢を整えていた。
イリアさんも詳しい内容を察知してくれた。
しかし、今回は勇者4人か。
「ガイアブルク王都に着く前の追手では2人の勇者があっさり死んだからね。 兵士や勇者の数を倍にして来たんだね」
「成る程な。 アイリス、念のため国王とギルドに報告を入れてくれないか?」
「うん、報告が終わったら手伝うね」
アイリスが結界魔法を掛けた後、通信用の水晶を出して、通信を入れる。
「念のため私の使い魔にアイリスちゃんを守らせます。まず、兵士を殺らないと勇者は来ないようですね」
「何人かは俺がやります」
「いいの?」
「ああ、向こうは未だに俺を無能だと思っているだろうからな。 屈辱を与えたい」
と、対兵士についてのやり取りをしたら、10人の兵士が姿を現す。
「見つけたぞ、無能と裏切り者が」
「わざわざ殺されに来たか」
好き勝手に言ってるな。
ひなたも怒りの表情一歩手前、イリアさんも不快感を露にしていた。
そんな中、俺は剣を抜く準備をする。
「さあ、裏切り者と無能をしょ……」
「うるせぇよ」
兵士が言い切る迄に、【漆黒】の副リーダーのガゼルに対して使った、葛野流の一閃の剣術【虚空】を放つ。
4人の兵士の間を縫うようにしてすれ違った後、4人の上半身がずり落ちるように下半身から離れた。
「へ、な、あ、あああぁぁっ!?」
目の前で仲間の兵士が真っ二つにされた為に、声にならない悲鳴を上げて錯乱した。
「ば、馬鹿な……、何かの間違いだ。 無能が我らを殺せる力があるなど……」
「残念だけど夢じゃなく現実だよ」
「な、があぁっ!?」
現実を認めない兵士の背後に回ったひなたが、間髪入れずに兵士を二人斬り付けた。
深く斬られた兵士は、出血多量で息絶えた。
ホムンクルスでも、血は赤いのか。
「そちらが問答無用で仕掛けたのですから、特別に魔王としての力を見せましょうか」
「な、ま、魔王だと!?」
「なんで魔王がここに!?」
一方、イリアさんは片手を変質させていた。
竜人ならではだろう。 その手に鋭い爪が生えていた。
その爪で二人の兵士を抉るように切り裂いた。
当然、即死だ。
「ぐ、お、おのれぇ!」
残り二人の兵士が俺に襲いかかる。
「【フレイムブラスト】!!」
だが、アイリスの声と共に、強大な炎が兵士に向かって襲いかかって来た。
「ぐわああぁぁっ!!」
その炎は二人の兵士を纏めて焼き付くし、そのまま灰化した。
肉の焦げる匂いがかなりキツかったな。
アイリスが報告を終わらせた後で、この魔法を放ったんだろう。
「とりあえず、これで兵士は殲滅だよね?」
「ああ、後は勇者だ。 報告は終わったんだな?」
「うん、ひとまず駆けつけるけど、存分にやっちゃっていいって。 ギルドも念のために緊急依頼として私達と他の冒険者が引き受ける形にしたみたい」
成る程、イリアさんがいるとはいえ、相手が勇者4人だからな。
味方が多いに越したことはないな。
「さて、そろそろ出てきたらどうだい?」
アイリスとのやり取りの直後にひなたが勇者がいるであろう方向に向けて言い放つ。
そして、その場所から歪みが発生した。
隠行魔法か何かを使って、隠れてたのか。
ただ、アイリス曰く隠行魔法は精度が低く、気配察知されれば意味がないらしいが。
「葛野さん……」
「まさか本当に佐々木と一緒だとはな……」
その歪みから勇者で、かつてはクラスメイトだった4人が現れた。
そう、ここからが本当の戦いとなる。
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