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第6章 脱走勇者は悪魔になる
110 悪魔退治その2
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如月と来栖が互いに拳を突き出し、触れた直後に二人の姿はなかった。
代わりに見た目がおぞましい……まさに悪魔のような姿がそこにいた。
「まさか、さっきのは……!?」
「禁術…【融合合体】です!」
シンシアさんが顔を青ざめながらそう言った。
確か、禁術とか言ったな?
「シンシアさん、【融合合体】って?」
「二人の身体と魂を一つに融合合体して別の個体にする禁断の秘技です。 悪魔族が全員これを有していたそうですが……。 何故、彼らがあれを使えるのか……」
「もしかして、あいつらその秘術を悪魔族を食った際に習得していたって事!?」
「そういう事になるね。 タイミングとしては……」
シンシアさんの禁術の説明の際に、ひなたが二人の禁術の習得タイミングに関して言及した。
そして由奈も不快感を露にしつつもそれに肯定する。
「そして、融合合体後は姿形に違いがあっても名前が統一されます。 【サタンゴーレム】。 それが融合合体した後の名前です」
「サタンゴーレム……」
つまりは悪魔の姿をしたゴーレムとして俺達に立ちはだかるって事か。
あいつらの魂が一つになった以上、もうあいつらはいないのだろう。
なにより……。
「グゴオォォォォォ!!」
「ひぅ……!」
「胡桃ちゃん、私の後ろに隠れて……!」
今の咆哮で確信した。
もう、二人の理性などこれぽっちも残ってはいない。
サタンゴーレムの咆哮に胡桃が怯えだしたので、由奈が後ろに隠れるように指示した。
同時に、俺も箱庭アイテムからメイジフォックスウルフの家族を呼び出した。
『まさか、あのような者と相対することになろうとはな』
『ですが、アレを倒さないとどうしようもないですわね』
「そうだ。 あいつをここで倒さないと他の国にも被害が及ぶ。 力を貸してくれ! 後、おチビーズは胡桃を守ってくれ」
『わかったよ、おにいちゃん!』
代表としてナナが要求に応じてくれた。
「ゴアァァァァァァ!!」
「きゃあっ!?」
待ちくたびれたかのように、サタンゴーレムの拳がシンシアさんに襲い掛かる。
かろうじて回避はしたものの、拳は地面を打ち付けており、振動が襲い掛かった。
まるで大地震のように揺れており、バランスを崩しそうだ。
「きゃあっ!!」
「っと、大丈夫か、由奈!?」
「う、うん。 ありがとう暁斗くん」
振動によってバランスが崩れ、倒れそうになった由奈を介抱する。
「それにしても……、なんという威力だ」
「あれをまともに受けたら粉みじんにされてしまいかねぬぞ」
クロウ中佐とシャルロット女王がサタンゴーレムが打ち付けた地点を見て驚愕していた。
何故なら、サタンゴーレムが打ち付けた地点にはクレーターが出来ていたからだ。
「お待たせ! ってこれは!?」
「お兄ちゃん、これって……!?」
そこにクレアを軍用バスまで送っていったエミリーとアイリスが駆けつけて来たが、サタンゴーレムを見て固まっていた。
「あいつら、禁術の【融合合体】を使って、今のような奴を生んだんだ」
「じゃあ、あの二人は……」
「どうしようもないよ。 倒すしかないんだよ」
「でも、あそこまで大きいんじゃどうやって?」
俺とひなたが、駆けつけた二人に説明する。
それを聞いたエミリーは、どうやって倒すのか不安に陥る。
「とにかく総掛かりで速攻で攻めよう。 時間を掛ければ俺達が不利になる」
「うん、やるしかないね」
「よく見たら、あそこにコアらしきものがありますね。 そこを狙えば…」
クリスタが示した先……、奴の胸部に左右に小さな二つの玉があり、その真ん中に大きい玉があった。
多分、これがクリスタが示したコアなのだろう。
「ならは、妾が先に仕掛けようぞ」
そう言って、シャルロット女王は対悪魔用の砲弾が入った魔導バズーカをサタンゴーレムのコアをロックオンした。
「ファイア!!」
掛け声と共に砲弾は胸部の大きな玉に向けて発射された。
弾速は早く、そこに直撃して爆発する。
「やったか!?」
直撃したのでこれで倒れたものと思ったが……。
煙から無傷のサタンゴーレムが姿を現した。
「な……!?」
「き、効いてない!?」
「しかも、コアらしきものも傷一つもないよ!」
ひなた、シャルロット女王、由奈が無傷のサタンゴーレムに驚く。
それを逃さないと、口から魔力を貯め込み……。
「不味い! 散開しろ!!」
それが炎となって一気に吐き出した。
「うおおっ!?」
「あ、危ない……!!」
「きゃ……!!」
俺はとっさに固まったアイリスとエミリーを抱えて炎の範囲から逃れるように動いた。
ひなたや由奈もとっさにバックステップで事なきを得た。
「にぃ……!」
「胡桃……! アルト達も無事だったか」
『うむ、何とかな』
『あの炎、危険な威力ですわ……』
『やばくてすごく熱いぞあれは……!!』
胡桃やおチビーズ、そしてアルトとサクラも無事に回避できたようだ。
「他のみんなは……!?」
「こっちです! クリスタさんもクロウさんも女王様も皆無事です!!」
一方、クリスタやシンシアさん達は向かい側にてなんとか回避したようだ。
しかし、奴が吐いた炎の跡を見て驚愕した。
「あの炎……、なんて威力だ!」
「ほとんどが溶けて瓦礫みたいになってるよ……」
建物の一部が奴の炎によって溶けていたのだ。
どれくらいの温度の炎を吐いたんだ…。
由奈もクロウ中佐も流石に顔を青ざめている。
「どうするの? コアらしき場所に攻撃しても無傷だし、それぞれの攻撃も受けたら即死クラスだけど」
「今は、一斉に攻撃を仕掛けるしかないな」
「そうするしかないね」
アイリスがどうするのかを聞いてきたが、今はみんなで一気に攻撃を仕掛ける以外に方法はない。
ひなたも仕方なく頷きつつ、改めて剣を取る。
「一斉攻撃、開始!!」
現時点で手立てが途絶えた俺達は、クロウ中佐の掛け声とともに、ひとまず一斉にあらゆる形で攻撃を仕掛けてみることにした。
代わりに見た目がおぞましい……まさに悪魔のような姿がそこにいた。
「まさか、さっきのは……!?」
「禁術…【融合合体】です!」
シンシアさんが顔を青ざめながらそう言った。
確か、禁術とか言ったな?
「シンシアさん、【融合合体】って?」
「二人の身体と魂を一つに融合合体して別の個体にする禁断の秘技です。 悪魔族が全員これを有していたそうですが……。 何故、彼らがあれを使えるのか……」
「もしかして、あいつらその秘術を悪魔族を食った際に習得していたって事!?」
「そういう事になるね。 タイミングとしては……」
シンシアさんの禁術の説明の際に、ひなたが二人の禁術の習得タイミングに関して言及した。
そして由奈も不快感を露にしつつもそれに肯定する。
「そして、融合合体後は姿形に違いがあっても名前が統一されます。 【サタンゴーレム】。 それが融合合体した後の名前です」
「サタンゴーレム……」
つまりは悪魔の姿をしたゴーレムとして俺達に立ちはだかるって事か。
あいつらの魂が一つになった以上、もうあいつらはいないのだろう。
なにより……。
「グゴオォォォォォ!!」
「ひぅ……!」
「胡桃ちゃん、私の後ろに隠れて……!」
今の咆哮で確信した。
もう、二人の理性などこれぽっちも残ってはいない。
サタンゴーレムの咆哮に胡桃が怯えだしたので、由奈が後ろに隠れるように指示した。
同時に、俺も箱庭アイテムからメイジフォックスウルフの家族を呼び出した。
『まさか、あのような者と相対することになろうとはな』
『ですが、アレを倒さないとどうしようもないですわね』
「そうだ。 あいつをここで倒さないと他の国にも被害が及ぶ。 力を貸してくれ! 後、おチビーズは胡桃を守ってくれ」
『わかったよ、おにいちゃん!』
代表としてナナが要求に応じてくれた。
「ゴアァァァァァァ!!」
「きゃあっ!?」
待ちくたびれたかのように、サタンゴーレムの拳がシンシアさんに襲い掛かる。
かろうじて回避はしたものの、拳は地面を打ち付けており、振動が襲い掛かった。
まるで大地震のように揺れており、バランスを崩しそうだ。
「きゃあっ!!」
「っと、大丈夫か、由奈!?」
「う、うん。 ありがとう暁斗くん」
振動によってバランスが崩れ、倒れそうになった由奈を介抱する。
「それにしても……、なんという威力だ」
「あれをまともに受けたら粉みじんにされてしまいかねぬぞ」
クロウ中佐とシャルロット女王がサタンゴーレムが打ち付けた地点を見て驚愕していた。
何故なら、サタンゴーレムが打ち付けた地点にはクレーターが出来ていたからだ。
「お待たせ! ってこれは!?」
「お兄ちゃん、これって……!?」
そこにクレアを軍用バスまで送っていったエミリーとアイリスが駆けつけて来たが、サタンゴーレムを見て固まっていた。
「あいつら、禁術の【融合合体】を使って、今のような奴を生んだんだ」
「じゃあ、あの二人は……」
「どうしようもないよ。 倒すしかないんだよ」
「でも、あそこまで大きいんじゃどうやって?」
俺とひなたが、駆けつけた二人に説明する。
それを聞いたエミリーは、どうやって倒すのか不安に陥る。
「とにかく総掛かりで速攻で攻めよう。 時間を掛ければ俺達が不利になる」
「うん、やるしかないね」
「よく見たら、あそこにコアらしきものがありますね。 そこを狙えば…」
クリスタが示した先……、奴の胸部に左右に小さな二つの玉があり、その真ん中に大きい玉があった。
多分、これがクリスタが示したコアなのだろう。
「ならは、妾が先に仕掛けようぞ」
そう言って、シャルロット女王は対悪魔用の砲弾が入った魔導バズーカをサタンゴーレムのコアをロックオンした。
「ファイア!!」
掛け声と共に砲弾は胸部の大きな玉に向けて発射された。
弾速は早く、そこに直撃して爆発する。
「やったか!?」
直撃したのでこれで倒れたものと思ったが……。
煙から無傷のサタンゴーレムが姿を現した。
「な……!?」
「き、効いてない!?」
「しかも、コアらしきものも傷一つもないよ!」
ひなた、シャルロット女王、由奈が無傷のサタンゴーレムに驚く。
それを逃さないと、口から魔力を貯め込み……。
「不味い! 散開しろ!!」
それが炎となって一気に吐き出した。
「うおおっ!?」
「あ、危ない……!!」
「きゃ……!!」
俺はとっさに固まったアイリスとエミリーを抱えて炎の範囲から逃れるように動いた。
ひなたや由奈もとっさにバックステップで事なきを得た。
「にぃ……!」
「胡桃……! アルト達も無事だったか」
『うむ、何とかな』
『あの炎、危険な威力ですわ……』
『やばくてすごく熱いぞあれは……!!』
胡桃やおチビーズ、そしてアルトとサクラも無事に回避できたようだ。
「他のみんなは……!?」
「こっちです! クリスタさんもクロウさんも女王様も皆無事です!!」
一方、クリスタやシンシアさん達は向かい側にてなんとか回避したようだ。
しかし、奴が吐いた炎の跡を見て驚愕した。
「あの炎……、なんて威力だ!」
「ほとんどが溶けて瓦礫みたいになってるよ……」
建物の一部が奴の炎によって溶けていたのだ。
どれくらいの温度の炎を吐いたんだ…。
由奈もクロウ中佐も流石に顔を青ざめている。
「どうするの? コアらしき場所に攻撃しても無傷だし、それぞれの攻撃も受けたら即死クラスだけど」
「今は、一斉に攻撃を仕掛けるしかないな」
「そうするしかないね」
アイリスがどうするのかを聞いてきたが、今はみんなで一気に攻撃を仕掛ける以外に方法はない。
ひなたも仕方なく頷きつつ、改めて剣を取る。
「一斉攻撃、開始!!」
現時点で手立てが途絶えた俺達は、クロウ中佐の掛け声とともに、ひとまず一斉にあらゆる形で攻撃を仕掛けてみることにした。
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