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幼なじみ
得た武器
しおりを挟む夕食は4人で摂った。
桜ちゃんが会食でない限りは最近は4人で摂るようになった。
「今日の写真どうでしたか??」
桃峰さんはサラダにフォークを刺しながら桜ちゃんに聞く。
最近、桜ちゃんと桃峰さんは仲良さそうに話しているように見えた。
歳が近い女の子同士、そりゃあ話しやすいんだと思う。
なんか、、、、
僕と桜ちゃんの時間だったのに
「そうだな、悪くない。だが、ヒメを映している訳じゃない、ヒメが使っている商品を映している。そこをもっと弁えろ。」
はぁーい
桃峰さんはわかりやすく落ち込んでいた。
頬を膨らませて不服そうに下を向いた。
「椎樹さんはとてもよく出来ていました、ね?桜李さん。」
「あぁ。最近のマナはとても良い。魅せる力がついてきた。」
「ほ、本当?」
僕は食事を摂る手を止めた。
「あぁ。以前より商品にもいい効果が出ている。」
嬉しい、、、、
あれからセクシーさという課題を超えるべく試行錯誤していた。
認められた
桃峰さんと撮るより需要があるとまではいかなくても、少しづつ僕だけでも宣伝効果に繋がると証明したい。
「ずるいなぁマナ君はいつも褒められて。」
「え?」
桃峰さんはこの家に越して来てすぐ僕の事をマナ君と呼んだ。
「マナ君は何しても褒められるじゃん。カメラマンさんにもそう、メイクさんにもそう。勿論マナ君凄いよ?でもさ、皆甘すぎるよね。」
「人の事を言うな。甘えるな。結果にはいつだって努力や才能がある。羨ましがる時間があったら超える努力をしろ。」
桜ちゃんは言い放つと箸を置いて席を立った。
「あっ、桜ちゃん!」
桜ちゃんはリビングを出て行ってしまった。
「えっ、私、、、怒らせちゃった?」
「桜李さんは甘えを酷く嫌っています。人を羨ましがる事も好みません。以後気を付けて下さいね?」
ごめんなさい、桃峰さんは下を向いた。
僕は未鼓さんに行って貰えますか?と聞かれ桜ちゃんの後を追った。
「桜ちゃん、桜ちゃん!怒らないであげてよ。」
「別に怒ってない。釘を刺すために大袈裟にしただけだ。一度甘えを許せば繰り返す。」
そうだけど、、、、
桜ちゃんの妥協のない考えが僕は好きだ、でも、皆が皆そんなに完璧じゃない
桜ちゃんはそれもわかっている、それでも厳しすぎる時もあった
「桃峰さんは充分頑張っているよ、、。」
「そうだな。認めている。けれど、それはマナもだろう?皆が理由もなく優しいわけじゃない。あんな風に言われるのは尺に触る。」
それって
桜ちゃんは、、、
僕の事を考えてくれたの?
「桜ちゃんは、、、、。本当にズルいよね。」
「何がだ?」
「ううん。じゃ、僕戻るね。」
僕は高揚する気分を抑えてリビングに戻った。
「あ、、、、マナは君、桜李さんは?」
「全然怒ってなかったよ。桜ちゃんちょっと厳しすぎるよね。ごめんね?」
「ううん。私が悪かったと思うの。マナ君もごめんね?」
「僕は全然気にしてないからいいよ!」
ありがとう
僕と桃峰さんと未鼓さんは食事を続けた。
凄く厳しいからこそわかる、桜ちゃんのさり気ない優しさ
それがたまらなく心地いい。
こういう時、やっぱり僕は桜ちゃんの事が大好きで桜ちゃんに認められたくて頑張れるんだと実感する。
食事終わり、入浴を済ませメンテナンスを受けた。
23時、部屋に戻る。
隣の部屋は無音だった。
桜ちゃん仕事してるのかな
明日も撮影だし、寝なきゃなぁ
僕は無音の中でも隣の音を聴きながら眠りについた。
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