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それからのこと。
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しおりを挟む「シャーロット様。本日はお誘いありがとう。」
ステファニー様が、嬉しそうに微笑む。その微笑みは、第二王子妃の微笑みではなく、友人としての微笑みだ。シャーロットは招待して良かった、と胸を撫で下ろす。
「ステファニー様、お久しぶりです。」
「ステファニー様、お会いしたかったですわ。」
今日はイザベル様とエレノア様もお招きして、公爵家のサンルームでお茶会を開いた。幼い頃からの仲なので、ステファニー様も楽しめのでは無いかと考え、計画した。美味しいお茶とスイーツもたっぷり用意している。
先日の舞踏会で感じたようにステファニー様は女子同士のお喋りに飢えていたようだ。そう感じる程、他愛ないお喋りに花を咲かせ、楽しまれていた。
「それで、シャーロット様?そろそろハリー様のことお聞きしたいわ。」
お喋りが落ち着いたタイミングで、エレノア様がワクワクしたように口を開いた。イザベル様も、ステファニー様も期待を込めた視線でこちらを見つめていた。私は、意を決してハリー様と私の話を始めた。
◇◇◇
私の話が終わる頃には、三名とも頬を染め、興奮したように思い思いに話し始めた。
「まさか、シャーロット様が十五年もハリー様を想われていたなんて•••!」
「しかもハリー様も、少なくとも六年はシャーロット様を想われて、シャーロット様と結ばれる為に、並々ならぬ努力をされていたなんて•••!」
「素敵な恋物語のようですわ。観劇の脚本にしてほしいくらい!」
「それは、恥ずかしいですわ•••。」
皆できゃあきゃあ、と盛り上がっていると「シャーロット。」とハリー様が来られた。私以外の三名が、内心大盛り上がりなのが伝わってくる。
「ハワード公爵の所へ来たのだが、皆さんにご挨拶にと思って。」
「ありがとうございます。」
こんな何でもないやりとりだが、エレノア様たちの小声の冷やかしが耳に入る。
「ハリー様、何て優しい瞳でシャーロット様を見つめているんでしょう。」
「シャーロット様も、まさに恋する乙女の顔ですわ。」
「やはり、お二人の恋物語を観劇にすべきですわ!」
友人たちの冷やかしに、恥ずかしさを感じていたけれど、それでもシャーロットは幸せに包まれていた。
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