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13(過去1)
しおりを挟む短大に通っていた頃のことだ。私は近くの大学との合同サークルに入っていた。そこはボランティアサークルで、保育園へのボランティア活動もあり、保育士を目指していた私には丁度良かったのだ。
そのサークルで大学生の彼と出会った。優しく穏やかだった彼を私はすぐ好きになり、付き合い始めた。
彼は二つ年上で、短大生の私と就職活動のタイミングが同じだった。彼は、地元で就職すると言った。彼と結婚するつもりだった私は当たり前のように、身知らぬ遠い土地である彼の地元で就職活動した。
一緒に住み始めて二年ほどは幸せな同棲生活だった。仕事に慣れることは大変だったが、彼の為に料理や掃除をすることが幸せだった。季節の行事や記念日、お互いの誕生日にはご馳走を作り、地域のお祭りやイベントに二人で行く。温かい日々だった。
今思えば、おままごとのようだったけど、それでも私は幸せで、彼を愛していた。彼もその頃は私を愛していたように思う。
だが、就職してから二年ほど経ったある日、彼は相談もなく唐突に仕事を辞めてしまった。そこから、優しく穏やかだった彼では無くなってしまった。いや、元々優しく穏やかな人間では無かったのかもしれない。私が『優しく穏やかな大好きな彼』と、幻想を押し付けていたのだろう。
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