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14(過去2)
しおりを挟むそれから数年間、私たちが別れるまで彼が働くことは無かった。
彼が仕事を辞める前、辛そうにしていたこともあり、最初の内は暫くゆっくりしていたら良い、と思っていた。
しかし、無職期間が数ヶ月続くと流石に私の方が焦ってきた。やんわりと就職活動を勧めると大抵機嫌を損ねてしまい、言葉を続けられ無かった。彼の方は焦る様子は全く無く、昼夜逆転の生活を楽しんでいた。
専業主夫になって貰ったら良いのでは、と提案したこともあった。彼はまた機嫌を悪くして、拒否をした。その頃には、生活費を全て私が出していたので、彼が扶養に入ってくれたら多少出費を抑えられると思っていたのだが、彼のプライドが許さなかったようだ。結局、家事もしてはもらえなかった。
お金や就職の話をする私を煩わしく思っていたのだろう。その頃には、私に優しく穏やかな彼は居なくなっており、会話も減っていた。
「五月蝿い。」
「お前とは話したくない。」
「偉そうにするな。」
「お前と結婚なんてしたくない。」
彼に言われた言葉はいくらでも思い出せるのに、彼がどんな顔をしていたのかよく思い出せない。
どうして、そんな男と付き合っているのか、と当時の自分も思っていたし、友人にも散々言われた。だが、どうしても離れられなかった。それを依存だと言われるだろうが、私はただ、ただ彼が好きで好きで堪らなかったのだ。
歪な関係は数年間続いた。だが、私たちが別れたのは、彼が仕事をしていない、とか、言葉の暴力が理由では無く、別の所にあった。
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