【完結】王太子妃候補の悪役令嬢は、どうしても野獣辺境伯を手に入れたい

たまこ

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番外編:式の後に。

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「サンドラ、疲れていないか?」



 結婚式の日の夜。新しく整えられた夫婦の寝室にて。アルバートは、ベッドに腰掛けるアレクサンドラの隣に座ると、気遣うように声を掛けた。



「ええ。私、体力には自信がありますの。」



 にっこり笑うアレクサンドラを、アルバートは優しく抱き寄せる。ふわりと石鹸の香りを感じ、アレクサンドラは擽ったい気持ちになる。




「式の前、ハミルントン公爵が来られたよ。」



「お父様が?」



「ああ。大事な娘だから宜しく頼む、と頭を下げられていた。」


 
「まぁ、あのお父様が•••。」



 式の前、姿が見えないと思ったらアルバートの所にいたらしい。それにしても、あの冷徹な父が自分の為に頭を下げるとは、アレクサンドラはとても信じられなかった。



「式の前に、男同士で話せたから良かったよ。私と話した後で、クリストファー殿とも話していたようだ。」



「そうだったんですね。」



 幼い頃から元来穏やかなクリストファーは、冷酷非道なハミルントン公爵が得意では無い。憂鬱ながらも、マーガレットと籍を入れる為に頑張ったのだろうと、アレクサンドラは笑みを溢した。





「•••漸く、結婚できた。」


 色っぽく耳元で囁かれ、アレクサンドラの身体がピクリと反応した。


「ええ。嬉しいですわ。」


 心臓がどくどくしている。声が上擦っていないか気になりながら、アレクサンドラは小声で答えた。




「サンドラは全然分かっていない。」



「へ?」



「男が愛する人に迫られて、我慢することがどれほど大変か。」



「え•••。」




「毎朝薄着で迫られて、どれほど私が辛かったか。もう手を出してしまおうかと何度思ったか。」




「ア、アル?」



「一年間、ずっと我慢していたんだ。慰めてくれよな、。」


 熱っぽい瞳で見つめられたかと思うと、いつの間にか押し倒されておりアレクサンドラは言葉を失う。色気たっぷりの声で繰り返し「愛してる」と囁かれ、身体の芯が蕩けそうになる。





 一晩中、いかにアルバートが我慢強かったのか身を持って知らされたアレクサンドラは、腰砕けになり翌日はベッドから抜け出す事は出来なかった。
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