やさしい異世界転移

みなと

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第6章 沈没都市 グラナドザンラ

【221話】 ひとまずの休憩

 「まだまだ遠いな……」

 ユウトお兄ちゃんは走りながらまだ遠くに見える城を見てつぶやいた。
 鎧騎士との戦闘やその後とかのせいで城から離れてしまったけれど、そろそろ私達が落ちてきた時と同じような距離までに迫る。

 それでも魔獣の数は減るどころか増す一方……流石に私も疲れ始めていた。
 今現在は魔獣が現れない、休憩タイムって感じかな?

「……フレリア、これを!!」

 そんな時ユウトお兄ちゃんから小袋を投げ渡されて私はキャッチした。
 中には白くて綺麗だけど粉々の何かが無数に入ってた。

「それには多分傷を治す効果がある、使って」

 とユウトお兄ちゃんは自身の頬を指差しながら言ってきた。
 お兄ちゃんが触っていた箇所、私のその部分を触ってみるとぬるい液体に触れる。
 血だ……いつの間にか私は傷を負ってたんだ、それに気付かないくらい集中してたんだ。

 私は中から少し白い粉を取り出して傷口に当てる。
 すると少しずつだけど傷が治ってく感覚がした。

「凄い……これをどこで?」

「……このディハンジョンに来る前にドラゴンに会って、色々とあってもらった」

 ドラゴン……この世界に存在する生き物、基本的に獰猛で凶暴、多生物との対話なんてしないそんな生き物……
 それなのに彼はそんなドラゴンからもらったと語った。
 奪ってとかそんな言い回しをしないということは対話をした可能性が高い……

 彼と話したドラゴンってどんな感じなんだろう……強いのかな?

 傷を治しながら私達は走る。

「……そういえば聞きそびれた事だけどさ」

 そんな時唐突に彼は話を振ってくる。

「な、なに?」

「あの黒い魔獣と昔何かあったのか?」

 大正解……まぁあんな態度とっていたら誰だって気付くか……

「……うん、昔私の村を襲ってそれから……」

 言葉に詰まる、未だに消えないあの光景……それを思い出すだけで胸が締め付けられる。
 でも、私にそんな事で苦しむ資格なんてあるんだろうか?

「ごめん、つらい事思い出させた」

 彼は私の表情を見て察したのかそれ以上は聞かずに前を向く。

 そして城も間も無くといったところか……

「ここは……」

 私達は立ち止まる……目の前に広がる光景を見ながら。

 たどり着いたのは今までの比じゃないくらいの魔獣の大群、さまざまな個体が広場らしい広い空間におびただしいほど存在していたのだ。
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