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トップシークレット①
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その週の、金曜日。
いつもみたいにどうせ断られるんだろうというような軽い感じで、エレンが聞いてきた。
「なぁ、奏。今日って暇?」
前回誘いを断ってからというもの、事ある毎に彼に声を掛けられるようになった。
しかし家では可愛い可愛い千尋さんが、腹を空かせて待ってくれているのだ。
だからその誘いへの答えは、当然の事ながらいつもNOだった。
だけど残念ながら今夜は、彼女は友達の家で女子会を開くため不在。
そのため今日は、急いで帰る必要が無かった。
「うん、暇。久しぶりに、飲みに行こっか?」
そう答えると、彼はカッと大きく瞳を見開いた。
「......マジか。行く、行く!
でも店じゃなく、俺んちでゆっくり朝までコースな!」
ガシッと背後から羽交い締めするみたいに抱き付き、ニッと大きく口を開けて笑うエレン。
金色に染められた髪色と相まって、素の彼は大型犬のゴールデンレトリバーを思わせる。
JOKERのクール担当であるはずの彼のこんな姿は絶対に他所では見せられないなと思い、ちょっと苦笑した。
「うん、じゃあお前んちで良いよ。
料理は簡単なモノで良ければ、俺が適当に作るわ」
事務所からは別に恋愛を禁止にされているワケではないが、職業柄、付き合ってますとか同棲してますなんてスクープされるのはもちろんご法度である。
俺達の仕事は、夢を売る事なのだ。
そのせいもあり千尋さんの事を語れる相手が他に居なかったから、俺としても少しありがたい。
いかに彼女が可愛いか、今夜は大いに語り明かそう。
......とはいえ俺は千尋さんからしてみたら、単なる同居人兼ペットなワケだが。
そういえば。
......コイツの浮いた話も聞いた事が無かったなと、ふと気付いた。
今夜はどうやら、長い夜になりそうだ。
いつもみたいにどうせ断られるんだろうというような軽い感じで、エレンが聞いてきた。
「なぁ、奏。今日って暇?」
前回誘いを断ってからというもの、事ある毎に彼に声を掛けられるようになった。
しかし家では可愛い可愛い千尋さんが、腹を空かせて待ってくれているのだ。
だからその誘いへの答えは、当然の事ながらいつもNOだった。
だけど残念ながら今夜は、彼女は友達の家で女子会を開くため不在。
そのため今日は、急いで帰る必要が無かった。
「うん、暇。久しぶりに、飲みに行こっか?」
そう答えると、彼はカッと大きく瞳を見開いた。
「......マジか。行く、行く!
でも店じゃなく、俺んちでゆっくり朝までコースな!」
ガシッと背後から羽交い締めするみたいに抱き付き、ニッと大きく口を開けて笑うエレン。
金色に染められた髪色と相まって、素の彼は大型犬のゴールデンレトリバーを思わせる。
JOKERのクール担当であるはずの彼のこんな姿は絶対に他所では見せられないなと思い、ちょっと苦笑した。
「うん、じゃあお前んちで良いよ。
料理は簡単なモノで良ければ、俺が適当に作るわ」
事務所からは別に恋愛を禁止にされているワケではないが、職業柄、付き合ってますとか同棲してますなんてスクープされるのはもちろんご法度である。
俺達の仕事は、夢を売る事なのだ。
そのせいもあり千尋さんの事を語れる相手が他に居なかったから、俺としても少しありがたい。
いかに彼女が可愛いか、今夜は大いに語り明かそう。
......とはいえ俺は千尋さんからしてみたら、単なる同居人兼ペットなワケだが。
そういえば。
......コイツの浮いた話も聞いた事が無かったなと、ふと気付いた。
今夜はどうやら、長い夜になりそうだ。
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